普通のほめ方ではダメ!本当に必要なのは「ほめる」+5つの要素

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2016.01.31

suzie.20160131

これまでにもさまざまな議論が展開されてはきていますが、現実的に「ほめて育てる」ことはなかなか難しいもの。

だから「なんとなく諦めてしまっている」方も少なくないと思いますが、結論を出すより先に『今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』(原邦雄著、PHP研究所)を読んでみるべきかもしれません。

著者は、「ほめ育」コンサルタントとして、「ほめる」ことをテーマにした著作を送り出してきているという人物。

しかも、船井総合研究所コンサルタントからラーメン店の洗い場に転職し、現在はさまざまな現場で培った“ほめ育”ノウハウを軸として多くのコンサルティングを行っているのだそうです。

ありえないようなルートをたどってきているわけですが、だからこそ不思議な説得力があるのも事実。

ただ、単純に考えても、普通にほめただけで部下の業績が上がるわけがないことはわかります。しかし、それでも「ほめ方」が大切なのだと著者はいうのです。

だとすれば、ほめ方と業績が連動しないことには理由がありそうです。

■業績を上げるためにはビジョンを語るべし

業績が落ちてくると、人はなにかと言い訳をしたがるもの。「競合店ができたから仕方がない」「政府の運営がダメで景気が回復しないのだから仕方がない」「人口が減っているのだから仕方がない」など、どんないい方もできるわけです。

しかし、本当に大切なのは、ないものねだりをするのではなく、「いまあるもの(状況)で、どう最良の結果を出すか」を考えることであるはず。

具体的にいえば、いまいるスタッフと、いまある商品やサービスで業績を上げるにはどうすればいいのかということ。

それを考えるのが経営者やリーダーの仕事で、そこが腕の見せどころだというわけです。

だとすれば、なにが必要なのでしょうか?

そのために経営者やリーダーに求められるのは、まずビジョンを語ることだと著者はいいます。

「この先、どんな会社にしたいのか」

「どこを目指しているのか」

スタッフはそうしたビジョンを知りたがっているもの。だからこそ、これからの経営者やリーダーは、ビジョンを語り。それに賛同してくれるスタッフと一緒に業績を伸ばしていくことが求められるのだといいます。

■スタッフは成長を実感できないと辞める!

従業員満足度を上げるためには、給料を上げたり、労働時間を短くしたり、職場環境の改善をするなど、労働条件や労働環境をよくすることは大切です。

ただ、それだけでは足りない。なぜなら、スタッフが成長を実感できることが大切だから。

「これまでできなかった仕事ができるようになった」「これまでわからなかったことがわかるようになった」「これまで会えなかった人に会えるようになった」などがそれにあたるといいます。

こうした成長を実感させてあげることができれば、スタッフに満足してもらえるということ。

事実、成長を実感し続けられない企業のスタッフは、遅かれ早かれ辞めていくものだと著者はいいます。

従業員満足度を上げるためには、成長を実感させてあげることが重要だというのです。

■ほめ育マネジメント=ほめる+5つの要素

ところで、筆者がコンサルティングの軸にしている「ほめ育」とは一体どのようなものなのでしょうか?

そのことについて著者は、「『ほめ育マネジメント』は単なる『ほめる』ではなく、『ほめる』に次の5つの要素をミックスしたものだと主張しています。

(1)エンパワーメント

(2)マネジメント

(3)マーケティング

(4)セールス

(5)エンゲージメント

ひとつめのエンパワーメントは、個人や組織の能力開発のこと。部下の持つ潜在能力を引き出すことによって、「ほめ育」でもっとも大切な長所を伸ばすことを指すわけです。

次のマネジメントは、部下の能力を結果に結びつけること。よって、部下を物心ともに幸せにする意思と能力が必要になるということ。

マーケティングは、売れる見込みをつくること。どんな業種にも売り上げが上がる道があるものなので、その道を見つけるための仮説を立てられる能力が必要とされるのです。

セールスは、いうまでもなく「売る」こと。売れる人、売れる店、売れる会社になるということです。そこで、売る側の自信と、お客様のニーズをつかむ技術が求められるといいます。

最後のエンゲージメントは、会社の方向性とスタッフの方向性を合わせること。経営理念の浸透であり、これをすることで組織の力が倍増するのだそうです。

そして、これらの要素を意識しながらスタッフを「ほめる」ことで、業績がアップしていくというのが著者の考え方です。

現実的に「ほめる」ことは難しいもの。しかし、それを実践できれば、たしかに業績アップを実現できるかもしれません。だからこそ、いまの状況をなんとかしたいと感じている方には、読んでみる価値があるかもしれません。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※原邦雄(2015)『今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』PHP研究所

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