世界のHONDAも失敗が99%!「絶望は贈りもの」である理由

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2016.02.02

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『絶望は神さまからの贈りもの』(ひすいこたろう、柴田エリー著、SBクリエイティブ)の著者は、「不幸」は「幸せ」の前触れだと断言しています。だから、あらゆる「ピンチ」は「チャンス」に変わるとも。

人生には、悩み、落ち込み、どうすればいいのかわからなくなるときがあるもの。でも、それこそがチャンスなのだということです。

■状況が変えられないなら心を変えるべし!

人の気持ちや行動は、次のような流れのなかで生じていくのだそうです。

(1)「出来事」→(2)「意味づけ」→(3)「感情」→(4)「行動」の順。

「ピンチはチャンスである」という意味づけができたら、そのあとに生まれる「感情」も「行動」も変わり、人生は確実に変わっていくということ。

それは、

(1)「ピンチ(出来事)」→(2)「困った(意味づけ)」→(3)「ヤダな(感情)」→(4)「逃げよう(行動)」

という流れから、

(1)「ピンチ」→(2)「これはなんのチャンスだろう?」→(3)「このときを待っていたんだ」→(4)「俺の出番だ」

というように、気持ちも行動も全く変わるということ。

人は、外側(状況)を変えられないときに絶望するものです。しかし、外側を変えられないときこそ、本当の意味でのチャンス。

なぜならそういう場合には、外側ではなく、自分の内側(心)を変えざるを得ないから。私たちの生きる真の目的は、内側(心)に変容を起こすことだという考え方です。

内側の変化こそ、本質的な変容(トランジッション)をもたらすもの。

たとえばそれは、過去の偉人たちも同じ。そこで本書では、彼らが絶望からどう復活したのかを明らかにしているのです。

■本田宗一郎は99%の失敗をして成功した

「私のやったことの99%は失敗だが、1%の成功のおかげで、いまの私がある」

これは、世界のHONDA(本田技研工業)の創設者である本田宗一郎の言葉。

「世界一でなければ日本一じゃない」と、宗一郎が率いるHONDAが世界を目指したのは、日本に不景気の波が押し寄せていた1954年のこと。

たった1台のバイクを輸出しはじめたばかりの段階であったにもかかわらず、世界一のバイクレースとして知られる、イギリスのマン島TT(ツーリスト・トロフィ)レースに出場すると宣言したのです。

このとき、宗一郎は47歳。本田技術研究所として操業して8年目のこと。

世界のトップメーカーが出場するこのレースに優勝することは、世界一のバイクメーカーであることの証明になります。

小さな会社だったHONDAには無茶な挑戦でしたが、宗一郎の頭のなかにあるのは、「世界一こそ日本一」だという考え方。

ただ、TTレースは予想以上にハードルが高く、宗一郎は「これは考えたこともないレベルだ」と弱音を吐いたのだとか。

とはいえ、「できない」「ムリ」「不可能」といわれると、逆にワクワクしてしまう彼に、「あきらめる」という選択肢はなかったといいます。

ところがレース出場までの道は予想以上に険しく、1年目も2年目も、3年目も4年目もダメ。そして5年目にようやくレース出場を果たすことに。

■日本一を目指すなら世界一を目指すべし!

しかし注目すべきは、世界一を目指すその間に、いつの間にかHONDAはバイクの生産台数日本一に輝いていたという事実。

世界一を目指していたら、あっさり日本一になってしまったわけです。

そしてTTレースでも、出場から2年目で優勝を果たすことに。海外のマスコミからは、「東洋の奇跡」と絶賛されたのだそうです。

これこそが夢の力。夢に向かって進むときには、トラブルなどトラブルではなくなるということです。

経営不振だろうが、あらゆる難関は、燃え上がる炎にくべる巻きになるという考え方。

「日本一を目指したいのなら、世界一を目指せばいい」

夢をいつかたどり着きたい最終地点にするのではなく、通過点にしてしまえば、夢は一気に加速するもの。

HONDAのエピソードは、そんなことを教えてくれるのです。

「新しいことをやれば、必ず、しくじる。腹が立つ。だから、寝る時間、食う時間を削って、何度も何度もやる」

本田宗一郎のこの言葉は、すべての人の人生にあてはまるものではないでしょうか?

自分のつくった会社から追放されたアップルのスティーブ・ジョブズ、ツイてないことばかり起きる男だった坂本龍馬、自殺未遂をした過去を持つ「世界のクロサワ」こと黒澤明監督など、他にもピンチを乗り越えてきた多くの偉人のエピソードが掲載されています。

力を与えてくれる話ばかりなので、逆境から立ち直りたいという方はぜひ手にとってみてください。

(文/印南敦史)

 

【参考】

ひすいこたろう・柴田エリー(2015)『絶望は神さまからの贈りもの』SBクリエイティブ

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