こんにちは。深沢真太郎です。
ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。
突然ですが、あなたは「マイ電卓」を持っていますか?
「マイ電卓」とは文字通り、あなたが自分のお財布で購入した、自分のための電卓のこと。
会社から借りている電卓ではありませんよ。
今からご紹介するのは、私がある企業の社員研修でしたオープニングトークの実例です。
少々長いですが、最後までぜひお読みください。
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みなさん、おはようございます。
さっそくですが、みなさんは自分の机の上をご覧になってみてください。
電卓を出している人とそうでない人がいますね。
もうこの時点で、「差」があることにお気づきでしょうか。
たしかに私は事前に「電卓を持参するように」という指示はしておりません。
しかし、「数的思考」の研修ですよ。数字を使って、考える研修です。
みなさんが暗算の達人なら結構ですが、そうでないとしたら、電卓のない状態で「数字で考える」ができるのでしょうか。
スマホの電卓アプリがあるから十分?
確かに電卓機能は備わっていますね。
でも、スマホの電卓アプリはビジネスツールではありません。
たとえば保険や高級ブランドの商談。
販売員が、重要な金額提示をスマホの電卓アプリで行いますか?
少なくとも、大きな電卓を使ってあなたに金額を提示するはずです。
何より、スマホの電卓アプリでチマチマ計算する姿は、ビジネスパーソンとしての品位がない。
学生じゃないんだから。
よろしいですか。
「マイ電卓」を常に持ち歩かないということは、自分はビジネスを数字で考える姿勢がありませんと言っていることと同義です。
私に言わせれば、「仕事=商売をしているんだ」という感覚がない人です。
本気で数字に強くなりたいと思うのなら、本気で成果を出したいと思うなら、本気で変わりたいと思うなら、まずはそういった「意識」から変えないとダメです。
みなさんが数字に強いかどうかは、文系・理系の問題ではないんですよ。
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いかがでしたでしょうか。
少々厳しく聞こえるかもしれない私からのメッセージ。
あなたはどう受け止めたでしょう。
かつて、私がサラリーマンだった頃にお世話になった経営者は、どんな会議にも必ず「マイ電卓」を持参し、ふと見ると何かをサッと計算し、頭の中で考えている人でした。
その企業は株式上場を果たし、今も成長を続けています。
「ワタシは文系だから……」
そういう前に、ひとりのビジネスパーソンとして、あなたに欠けているものはありませんか?
(文/深沢真太郎)
【参考】
※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社