栄養のバランスもよく、なんとなくヘルシーなイメージのある定食。ランチの定番ですが、案外カロリーは高くなりがちということをご存知でしたか? まず、メイン以外の「ご飯、味噌汁、漬物、サラダ」だけで400kcal弱です。
そこで今回は、管理栄養士の望月理恵子さんに「カロリーの高い定食トップ10」を伺いました。
厚生労働省によれば、デスクワークなど運動量の多くない女性のエネルギー必要量(1日)は、20代で1,650kcal、30~40代で1,750kcal。おやつを抜きにしても、1食当たりのカロリーは550kcalちょっと。この数字を踏まえて、定食のカロリーをチェックしていきましょう。
■10位:ホイコーロー定食(795kcal)
豚バラ肉を使うのでカロリーはやや高めです。脂身を残すか、脂身の少ないロースなどを使ったものだとヘルシーになります。キャベツやピーマンなど野菜が多いものを選んだり、糖質の多いニンジンを減らすことでもカロリーダウンになります。
■9位:焼肉定食(811kcal)
バラ肉であるカルビが多いと、カロリーもつり上がります。ロースやヒレ肉だと比較的カロリーダウンに。お肉と同量の生野菜をとるようにしたり、野菜から食べるようにすると吸収が穏やかになります。
■8位:天ぷら定食 (829kcal)
衣が厚いものほどカロリーがアップすることをおぼえておきましょう。
野菜はヘルシーと思いきや、きのこ類やナスは油をたくさん吸うのでかえって高カロリーに。白身魚や貝類、根菜類のごぼうやれんこんなどの天ぷらを選ぶと、カロリーが抑えられます。
■7位:鶏のカシューナッツいため定食(850kcal)
素材のカシューナッツはカロリー高めですが、悪玉コレステロールを下げる働きも期待できるため、適量ならおすすめです。
鶏肉の皮は残すようにするとカロリーダウンに。自分でつくるときは、具材や油の量を加減し、ネギなどの野菜類を多めにするとヘルシーに仕上がります。
■6位:海老フライ定食(864kcal)
衣がたくさんついているものはカロリーも高めです。味つけもソースやタルタルソースではなく、おろしポン酢やレモン汁を使うことでヘルシーに食べられます。
■5位:酢豚定食(914kcal)
油で揚げたお肉を調味料でからめているので、ダブルでカロリー高めに。とろみづけに片栗粉が使われているので、とろみの塊を残せばカロリーが抑えられます。さらにカロリーを抑えるには、肉の脂身は残すようにしましょう。
■4位:すき焼き定食(925kcal)
みりんや砂糖などを使った甘い出汁もカロリー高め。また、お肉も脂身を含んだ霜降りは避け、赤身肉にするとヘルシーに。食べる際に卵を使わなければ、50kcalほどのカロリー減になります。
■3位:ハンバーグ定食(929kcal)
チーズハンバーグだとさらにカロリーアップ。豆腐ハンバーグはカロリーが半減するのでおすすめです。ソースもデミグラスやケチャップは避け、おろしハンバーグなどの和風を選ぶとカロリーダウンに。
■2位:トンカツ定食(936kcal)
脂身の少ないロース、またはロースよりヘルシーなヒレ肉を選ぶとカロリーはダウン。ソースもカロリーアップになるので、おろしポン酢で食べたり、付け合わせのキャベツをお肉よりも多めに食べるのがオススメです。
■1位:唐揚げ定食(1,132kcal)
皮の部分を除いて食べるだけでも、カロリーダウンに効果的。つけあわせのキャベツなどを先に、多めに食べることで吸収が緩やかになります。レモン果汁を絞って食べると、油が落ち、これもカロリー減になります。
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1位の唐揚げ定食だと、ランチまでで1日の必要エネルギーを摂り終えてしまう可能性もあります。これでは、おやつどころの話ではありません。
しかし、おいしい食事は心の栄養にもなるもの。工夫しだいでカロリーは抑えられます。望月先生は「気をつけたいのが『ごはん』のカロリー。大盛りにすると100kcalプラスになることも。ごはんの量を全体の1/4にするのがおすすめです」とアドバイス。
肉の脂身を残す、ドレッシングやソースのつけすぎに気をつける、ほかの2食で調整する、なども大切なポイントです。
比較的ヘルシーな定食メニューにサバの塩焼き定食(765kcal)がありますが、こちらは塩分がやや高めなので、その点も気をつけたいところ。(詳しくは「要注意!塩分が多く含まれている“定食”トップ10」もチェック!)
毎日食べるものだからこそ、工夫して心にも体にもうれしいランチタイムを過ごしましょう。
(文/よりみちこ)
【取材協力】
※望月理恵子・・・管理栄養士、サプリメントアドバイザー、ビタミンアドバイザー。調剤薬局、サプリメント会社に勤務後、独立。強制・禁止などの指導ではない“楽しく自然に身に付く栄養カウンセリング”と、アンチエイジングクリニックや皮膚科などで美容・肩こり・冷え・眼精疲労など“健康な人にもおこりうる悩みに対してのカウンセリング”を得意とする。現在は、健康検定協会を運営しながら、栄養専門誌など、幅広い媒体で執筆活動中。
【参考】