こんにちは。深沢真太郎です。
ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。
ビジネスパーソンの研修をやっていて、面白いことに気づきました。
■ある質問は数字で答える人が少ない
「いくら?」を解釈しなければならない局面では、私が指示をしなくとも、みなさん勝手に電卓を持ち出し、計算を始めます。
ところが、「いつ?」を解釈しなければならない局面では、なぜかみなさん計算しようとしない。
シンプルにまとめれば、
「いくら?」 ⇒ 数字で答える
「いつ?」 ⇒ 数字で答えない
ビジネスにおいて、「いつ?」は重要な情報ですよね。
いつまでに納品するのか。
いつまでは割引してはダメなのか。
いつ損益分岐点を超えるのか。
にもかかわらず、これら「いつ?」に対して数字で考え、数字で答えようとする人が驚くほど少ない。
「なるはやで(なるべく早く)」
「様子を見てタイミングは決める」
「まぁ、いつかは」
こんな答えばかり(苦笑)
みなさんは、「いつ?」にも数字で答えるビジネスパーソンであって欲しいものです。
■デキる人は部下にも数字で指示する
ひとつ、簡単な例を出しましょう。
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(例)
前田さんにお願いすると2時間で終わり、大島さんにお願いすると4時間で終わる仕事がある。
できるだけ早くこの仕事を終わらせて欲しい上司のあなたは、このふたりに一緒にやるよう指示をした。
さて、部下のふたりにはいつまでに終わらせなさいと指示をしますか?
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「3時間くらいで終わらせてね」なんて指示を思いついたあなた、失格(笑)
前田さんは1時間で50%、大島さんは1時間で25%終えることができるわけですから、ふたり一緒にやれば1時間で75%終わります。
「1時間10分くらいで終わるように。遅くとも1時間30分以内で」なんて指示が妥当でしょう。
人は自分に甘い生き物です。
人はサボりたい生き物です。
ビジネスシーンにおける「できるだけはやく」なんて曖昧な指示は、勝手に都合良く解釈されるだけです。
そして、ビジネスは「Time is money(時は金なり)」。「いつまでに?」というコミュニケーションは、極めて重要になります。
だから、デキる人は「いつ?」を伝える際に、計算してから数字で答えているのです。
(文/深沢真太郎)
【参考】
※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社