これで職場の評価もアップ!自分の影響力を高める3つのポイント

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2016.02.18

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『人事の超プロが明かす評価基準: 「できる人」と「認められる人」はどこが違うのか』(西尾太著、三笠書房)の著者は2009年から、「人事の学校」という人事担当者の養成講座を主宰しているのだそうです。

毎月、商社、流通、IT、電子機器、住宅、アパレル、マスコミ、エンターテインメントなど、さまざまなジャンルの企業経営者や人事担当者が企業人事や人事制度の基礎を学びに訪れているのだとか。

その数はこれまでに2,000人以上だというのですから、人望の厚さがうかがえます。

リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、そして大手クリエイターエージェンシーのクリーク・アンド・リバー社で人事部長を務め、2008年に人事コンサルタントとして企業したという経歴の持ち主。

まさに人事の最前線を歩んできたわけですが、そんな立場から、日本の企業の人事制度に苦言を呈しています。

■評価基準が可視化されていない

それは、社員の人生から会社の発展・存続までが「人事評価」に委ねられているにもかかわらず、多くの会社では“なにをすれば評価が上がり、なにをすれば評価が下がるのか”という具体的な「評価基準」が明確になっていないということ。

しかしその一方、日本を代表する大企業であっても、社員数名のベンチャー企業であっても、その他のいかなる業界や職種であっても、「成長している元気のいい企業」の人事制度の根幹は、ほとんど同じ形をしているといいます。

いわば、キャリアや職位に応じて会社が求めていることは、どんな企業であってもほぼ一緒だということ。明確に可視化されていないだけで、どの企業にも通用する「評価基準」が、実は存在しているということです。

つまり本書では、そういった普遍的な「評価基準」を具体的に示し、解説しているわけです。

そして注目すべきは、著者がどんな企業にも通用する評価の指標として「影響力」に焦点を当てていること。そして具体的に、影響力を高める3つのポイントも紹介しています。

■影響力を高める3つのポイント

(1)人を巻き込んでいく力

上を動かす影響力とともに、キャリアを重ねるごとに重要度を増していくのは、社内外の多くの人々を巻き込んでいく力。

たとえば正攻法でいっても、その案件を直属の上司が通してくれないというようなことはよくある話です。しかしそんなとき、他部署のマネージャーや、自社に強い影響力を持つクライアントなどに根回しし、社内外からの意見として伝えたなら、あっさり通るかもしれません。

つまり社内外のキーパーソンとの人間関係を深め、その人を動かす方法論を持っていると、自分の影響力も飛躍的に大きくなるということ。

理解者や協力者のネットワークを構築することは、自分だけの特別な武器になるわけです。

(2)「パートナー」「先生」になる

では、キーパーソンとの人間関係をどのように築き、深めていけばいいのでしょうか?

このことを説明するにあたって著者は、クライアントの抱えるなんらかの問題(ニーズ)に対し、商品やサービスを提供することで解決する職種である営業を引き合いに出しています。営業には、「業者」「パートナー」「先生」という3つの役割があるというのです。

「業者」とは、クライアント自身が問題の解決方法を知っていて、なにが必要なのかニーズが明らかになっている場合に必要とされる営業方法。「パートナー」とは、クライアント自身が問題点はわかっているものの、それを解決する方法がわからない場合の営業方法。

「先生」は、クライアント自身が、なにが問題なのかも、なにを解決すればいいのかもわかっていない場合。

そして営業職で成功するためには、「業者」の立場にとどまることなく、少なくとも「パートナー」の立場になることが必要。さらに「先生」になれば、顧客との信頼関係が強固になり、将来的にはコンサルタントとして転職・独立・起業という将来も見えてくるということ。

しかもこれは営業職に限ったことではなく、どんな職種にもいえることだといいます。

(3)社内外の人的ネットワークの構築

社外の人間と「パートナー」や「先生」のような深い関係性を築くことができると、自分が困ったときにも相談に乗ってもらえるようになるもの。相手が自社に大きな影響力を持つキーパーソンであるなら、頼もしい味方になるわけです。

つまり自分が影響力を発揮するだけでなく、相手の影響力も自分の力として活用できるようになれば、自分の影響力はさらに大きなものになるということ。

そのためには、自分の仕事とは直接関係のない職種の人々とも関係を築くことが大切。網の目のように人的ネットワークを広げていくと、想像もしなかったような相互作用が生まれるといいます。

このように実践的な解説がなされているため、自身の評価を上げたいという人に最適。影響力をつけて、さらなるスキルアップを目指したいものです。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※西尾太(2015)『人事の超プロが明かす評価基準: 「できる人」と「認められる人」はどこが違うのか』三笠書房

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