15秒で自分のキャッチフレーズを!初対面で相手をつかむ方法

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2016.02.20

suzie.20160220

2003年、杉並区立和田中学校の校長に、都内における義務教育初の民間校長が就任して話題になったことがあります。

『藤原先生、これからの働き方について教えてください。 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方』(藤原和博著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者が、まさにその人。

リクルート社フェローを経て、2008年の任期満了まで勤め上げた実績をお持ちで、現在は教育改革実践家として多方面で活躍中。

本書ではそのような実績に基づき、「21世紀の働き方」を提案しているのです。

きょうはそのなかから、「LECTURE 3-2 初対面の15秒で相手を“つかむ”には」を取り上げてみたいと思います。

■1:つかみを取る

ここ8年ほどで約1,000回の講演を行ない、20万人を動員しているという著者には、ビジネス系の講演会で必ず実施している例題があるそうです。

【例題1.】

初対面の人と名刺交換をする瞬間、自分のキャッチフレーズをいうとしたら?

15秒で答えてください。

【答え】

初対面ではいきなり名刺を渡すのではなく、キャッチフレーズなどを効果的に使用することによって、自分のキャラクターを相手と共有することが効果的。

それは相手との心の距離をすっと縮め、接点をつくる技術で、「つかみを取る」ともいわれるもの。

■2:自分プレゼン

たとえば著者の場合は、顔を利用したキャッチフレーズとして「こんにちは、教育界のさだまさしです」というのだとか(筆者注:たしかに著者は、歌手のさだまさしさんに似ています)。

こういうと大概の方が笑ってくれるそうですが、つまり「さだまさし」という著名人のおかげで、相手の脳と自分の脳が瞬時につながるということ。

そのため、すぐに仕事の話に入りやすくなるというわけです。これが、「自分プレゼン」。

なお自分プレゼンとは、相手の頭のなかに“像”を結ぶことなので、キャッチフレーズを使用する場合は、その言葉から連想される“像”を相手と共有していることが前提となるそうです。

■3:さらにストーリーを加える

なお、より汎用性があるのは、名前にストーリーを加えること。

たとえば「◯◯県△△市に多い名前です」「種子島に鉄砲を持ち込んだ最初のひとりになにか縁があったらしい」など、自分で物語を演出してみるのです。ただし報道機関ではないのですから、さほど史実に正確でなかったとしても問題なし。

ちなみに平凡な名前でも、ストーリーは用意できるもの。

たとえば、ある官庁に「喜平」という名前の偉い方がいるそうなのですが、その人が名刺を差し出すと、相手が萎縮してしまってコミュニケーションがうまくとれないことがあるというのです。

そこで彼は、こんなストーリーを用意しているのだとか。

「喜平という名前は時代劇なんかによく出てくるんですけどね。見ていると、だいたい最初に出て、橋のたもとあたりでお侍さんに着られる村人の役なんですよ(笑)」

「お堅くて偉い人」と「斬られ役の名もなき村人」とのギャップが印象的で、自然に映像が浮かんできて、おもしろい「つかみ」になるということ。

その後に仕事の話をはじめると、すでに脳と脳がつながってコミュニケーションレベルが上がっているからこそ、話がうまくいくわけです。

では、次の例題を見てみましょう。

■4:イマジネーションを駆使し、工夫する

【例題2.】

初対面の人と名刺交換をする瞬間、自分の名前にストーリーを添えるとしたら?

15秒で答えてください。

【答え】

ポイントは、イマジネーションを駆使し、工夫してみること。

なお、この「15秒」が、初対面のときには決定的に重要なのだと著者は主張しています。

なぜなら、人間には動物的な感覚が根強く残っているものだから。つまり誰しも、初対面の相手が的なのか味方なのかを、最初の15秒程度で見分けているということ。

とはいえ、私たちは服を着て、人間的な社会性も身につけているもの。「どう判断したか」は、口にも顔にも出さないわけです。

たとえば「あっ、つまらなそうな人。もう二度と会わないな」と判断しているのに、何十分もうなずきながら話を聴き続ける人もいるでしょう。

だとすれば、そんなことにならないようにすべき。そのために肝心なのが、最初の15秒だということです。

この15秒で、相手と自分の脳をつなげておくわけです。

タイトルからもわかるように、講義形式になっていることも本書の特徴。つまり気負う必要なく、自然にスラスラと読んでしまえるのです。

時間をかけずに要点をつかむことができるので、「将来の働き方」が気になっている方には格好の一冊だといえます。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※藤原和博(2015)『藤原先生、これからの働き方について教えてください。 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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