うるう年は、2月29日が存在することで知られています。4年に一度、暦を調整するために設定されているものですが、なんとなく特別な感じがしますよね。
ところで過去のうるう年には、どんなエピソードがあり、どんな出来事があったのでしょう? 意外と知られていないトリビアをご紹介します。
■1:うるう年なのにオリンピックがなかった年もある
うるう年というと、オリンピックが開催される年というイメージですが、実はうるう年だからオリンピックが開催されるわけではありません。
きっかけは、たまたま4年に1度、4で割り切れる年に開催されることになっているオリンピックの第1回目がうるう年に開催されたこと。
過去には平年(うるう年ではない通常の年)に行われたオリンピックもあり、そもそも、100で割り切れる年はうるう年としないというルールがあるのです。
ちょうど、オリンピック第2回目のパリオリンピックはその年に当たったため、実質うるう年ではなかったことになります。この法則でいくと、2100年のオリンピックはうるう年ではない年に開催されることになりますね。
■2:2月29日生まれの人の平年の誕生日は3月になる
日本では通常、日付が変わる瞬間に加齢するという考え方が一般的です。日本の法律に、年齢計算に関するものがあり、それによると、加齢の定義は誕生日前日の終了時なのだそうです。
なので、本来2月29日が誕生日の人は、平年においては3月1日になった瞬間に実質的に誕生日を迎えることになるのかもしれません。しかし、2月生まれなのに、3月生まれになってしまうことには違和感があるかもしれませんね。
■3:3回連続うるう年に出産した女性がいる
近年では、アメリカ、ユタ州に住むルイーズ・エステスさんという女性が、2004年、2008年、2012年の3回連続でうるう日(2月29日)に出産をした記録があります。それ以前にも、ノルウェーのヘンリクセン家の3人兄弟がうるう日生まれだという世界記録を持っています。家族のなかに誕生日の同じ人が3人もいると、それだけでにぎやかそうですが、4年に一度となると、さらに一大イベントになりそうです。
■4:昔はうるう年に女性からプロポーズできた
ヨーロッパのいくつかの国では、「2月29日は女性から男性へプロポーズできる日」という法律がありました。
もともとは、5世紀頃にアイルランドの修道院で始まった慣習だといわれています。アイルランドからスコットランドへ伝わり、1288年にはスコットランドのマーガレット女王により、「うるう年には女性が好きな男性にプロポーズでき、男性が断る場合は、罰金を支払うか、シルクのドレスをプレゼントしなければならない」という法律が制定されたのです。
似たような法律はフランスにもあり、さらに15世紀にはイタリアにもあったそうです。男性にとっては、ちょっと緊張感のある日になってしまいそうですね。
■5:世界の「うるう年」の中心地がアメリカにある
アメリカ、テキサス州のアンソニーという町は、自称「うるう年の世界の中心地」。
町の商工会議所にうるう年生まれの人が2人いることに由来し、世界中で誰もいっていないからいいはじめたのだそうです。
すると、なんとなくそのキャッチフレーズが浸透するようになったのだとか。今年も2月29日は町のお祭りがあるそうですが、なんでもいったもの勝ちですね。
■6:カエルはうるう年のシンボルである
うるう年を英語で「Leap Year」といいます。これは、通常365日が366日になることで、曜日がずれる、つまり「曜日を跳び越える=leapの年」ということに由来しています。
カエルはぴょんぴょんと跳ぶことから、カエルがシンボルになったようです。
余談ですが、英語で馬跳びを「Leap frog」と言います。この表現からも、Leap=「跳ぶ」ものの表現として、英語圏ではカエルをイメージすることがわかります。
■7:世間をにぎわせたあのビックリ事件がうるう年に起きている
近代の出来事だけでも、うるう年には歴史に残るような大きな事件が起きていたことがわかります。日本国内をはじめ、世界でもいまだにメディアが取り上げられるような大きな事件もありました。
[1960年]安保条約反対闘争
[1964年]新潟大地震・東海道新幹線開通(東京オリンピックもこの年に開催されました)
[1968年]三億円事件
[1972年]日中国交正常化・沖縄返還・連合赤軍浅間山荘事件
[1976年]ロッキード事件
[1980年]イラン・イラク戦争
[1984年]グリコ・森永事件・長野西部地震・イギリスと中国による、香港返還に関する文書合意・調印
[1988年]青函トンネル・瀬戸大橋開通
[1992年]ロサンゼルス暴動事件・PKO協力法案成立
[1996 年O157による食中毒事件・ペルー日本大使公邸人質事件
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こうして見てみると、意外にうるう年にはいろいろなエピソードがあることがわかりますね。ちょっとした雑学としておぼえておくと、話のタネになるかもしれません。今年、2016年もうるう年ですが、ハッピーなニュースがたくさんあるといいですね。
(文/hazuki)
【参考】
※Louise Estes, Utah Woman Gives Birth To Third Leap Day Baby-The Huffington Post