作文が嫌いな人でも大丈夫!たった40分で小説が書けるメソッド

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2016.02.29

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「文章なんて書けない」「文章を書くのは嫌い」と思っている人でも、たった40分で小説が書けてしまうというのが、『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』(田丸雅智著、キノブックス)。

著者は、若手ショートショート作家の田丸雅智さん。新世代を担うショートショートの旗手として活躍中です。

本書は、田丸さんが小学生から年配者までを対象に実施している「ショートショートの書き方講座」を一冊にまとめたもの。文章に縁がなかった人も、作文嫌いの人も、田丸式メゾットのワークを行えば、たった40分で小説が書けるといいます。

著者の田丸さんに、ショートショート創作の秘訣と、そのワークによって磨かれる能力について聞いてみました。

■ショートショートは短くて不思議な物語

ショートショートとは、一般的定義では原稿用紙20枚程度以下。新鮮なアイデア、完全な筋書き、意外な結末の3つの条件を満たしていることが条件で、田丸さんはそれを「短くて不思議な物語」だと表現します。

さらに、「『構想はあるけれど小説は書いたことがない』という声をよく耳にします。小説を書くことはハードルが高いようですが、そんなことはありません。作文を書く際には『書かないといけない』という意識が働きますが、ショートショートならなにを書いても自由。書きたいという衝動に基づきワクワクしながら書いていると、いつの間にか文章になるのです」と、田丸さんはいいます。

こうしたメソッドに従って書くと、40分で小説がつくることができるというのです。そんなショートショートの書き方は次のとおり。

【事前ワーク】制限時間7分

[1]名詞を探して書く(3分)

太陽・タコ・発電・傘など、なんでも思いつく名詞を20個記入。

[2]名詞から思いつくことを書く(4分)

最初に書いた名詞からひとつを選び、その言葉から思いつくことを書きます。(「太陽」の場合、「ぽかぽかする」「発電に使える」「夕焼け」など)

■ショートショート創作の「3ステップ」

いよいよ書き方の実践。次の3つのステップに従って書いていきます。

【ステップ1】制限時間5分:不思議な言葉を作る

「発電に使えるタコ」や「ぽかぽかする傘」など、日常では耳にしないような言葉を考えます。事前ワークで書いた名詞と思いつくことを組み合わせてつくります。

【ステップ2】制限時間8分:不思議な言葉から想像を広げる

ステップ1で作った不思議な言葉から1つを選び、「それはどんなものなのか」説明します。

次に「それは、どこで、どんな時にどんないいことがあるか」、また「どこで、どんな時にどんな悪いことがあるのか」と、メリット、デメリットを書きます。

【ステップ3】制限時間20分:想像したことを短い文章にまとめる

ここまで書いた内容をまとめれば、超ショートショートの完成です。所要時間は40分、文章は短くても長くてもOK、その文章がいいか悪いかも関係なし。

■ショートショートで磨かれる4つの能力

田丸さんの実施する講座は、仲間と見せ合いセッションしながらワークを行います。

「人と言葉などを見せ合い、意見を論じ合うことが大事なのです。人のアイデアや発想を知ることで、自分の作品への相乗効果をもたらすからです」

そして40分で書き上げた超ショートショート作品を膨らませて、少し長い文章にも挑戦していきます。ここまで行くと、小説を書くことも夢じゃないですよね。

田丸さんは「このプチ成功体験で、作文が苦手な人でも文章が書けるという創作の楽しみを味わってほしい。体験を通して、自分が表現したいという欲求から文章力はどんどんついていきます」とおっしゃいます。

このショートショート創作のワークを継続して行うことで、(1)文章力、(2)発想力、(3)論理的思考力、(4)コミュニケーション力の4つの能力が磨かれるともいいます。

また、「ワークでは、アイデアを考えて広げる発想力と、考えたことの整合性を合わせて論じる論理的思考力の2つの力が同時に問われます。いいかえると、発想をつかさどる右脳と論理をつかさどる左脳が、ワークをしている間フル回転しているわけで、脳のトレーニングにもなるのです」とも。

さらに、コミュニケーション力の強化にもつながると強調します。

「書いたことを人に伝えること、また何人かとワークをし、アイデアを出し合ってセッションすること、この2つでコミュニケーション力が磨かれます。よってビジネスシーンにも応用することが可能です。広報や企画、開発に携わる方は、このメソッドを活用してみてほしいですね」(田丸さん)

ショートショート講座のワークは、言葉遊びの感覚で自由に楽しくできるのが魅力です。

アイデアの考案からまとめて文章にするまで、40分とは短いようですが、制限時間の中で一生懸命考えるからできてしまうのです。普段は使わない頭を活用するのも健康面でいいのでしょう。

講座の終了後は、「まるで私の頭じゃないみたい」「こんなに簡単に書けるなんて」という驚きの声が上がっています。名詞を書き出し、そこから不思議な言葉を発想するところなどは、仕事場で革新的なアイデアを考案するときにも役立ちそうです。

物語を書きたい人、アイデア不足に嘆く人は、手に取ってみてはいかがでしょう。

(文/森美奈)

 

【取材協力】

※田丸雅智・・・1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。

2011年12月『物語のルミナリエ』(光文社)に「桜」が掲載され作家デビュー。12年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。新世代ショートショートの旗手として精力的に活動している。

主な著書に、『海色の壜』(出版芸術社)、『ショートショート・マルシェ』(光文社)、『日替わりオフィス』(幻冬舎)などがある。

 

【参考】

田丸雅智(2015)『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』キノブックス

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