1万円以上のワインは渋み爆弾?高額ワインと安価なワインの違い

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2016.03.04

suzie.20160304

ワインはおいしくて好きだし、興味もあるからいろいろ知ってみたい。でも、入門書を見てみても難解な専門用語ばかりで、基本的に敷居の高い世界。

つまり、近づきたくても怖くて近づけない。

そんな悩みをお持ちの方は、決して少なくないはずです。そこでおすすめしたいのが、従来の入門書とは一味違う『30分で一生使えるワイン術』(葉山考太郎著、ポプラ社)。

日本で初めてワインの世界に笑いを持ち込んだ人物として知られるワイン・ライターが、「ワインに対する恐怖心を取り払うことを最大の目的として」著したものです。

情報を厳選し、初心者を遮断する壁になってもいる「薀蓄(うんちく)」は必要最小限にとどめているところが特徴。

そして本書の意義は、ワインのキーワードを理解できるようになることだといいます。

だから本書を読んでレストランやワイン店へ出かけるころには、胸を張ってソムリエやワインショップの店員と話せるようになると著者は断言しているのです。

ところでワイン初心者にとって気になることのひとつに、「スーパーやコンビニに並んでいる1,000円以下のワインはだめなのか?」という問題があるのではないでしょうか?

そこで本書のなかから、価格についての解説を引き出してみたいと思います。

■高額ワインと安価なワインの違い

ワインの価格帯には、大まかに1,000円、3,000円、1万円の3つの分岐点があり、4つの価格帯に分かれるのだそうです。

でも気になるのは、1本1万円の高額ワインと、1,000円の安価なワインとの違い。高いワインほどおいしいものなのでしょうか?

ワインは高価になると、凝縮度やアルコール度数が上がるのだそうです。果汁3%のオレンジジュースが1,000円のワインだとしたら、果汁100%が1万円のワインだということ。

つまり高くなると水っぽさがなくなり、色が濃くなるというわけです。

具体的にいうと、白ワインは色が黄色に近くなり、赤の場合は香りが大きく、渋さが強くなって色も黒に近くなるのだとか。

しかしそんな赤ワインを若いうち(20年以内?)に飲むと、ものすごく濃くて渋く、食べものとも合わせにくいといいます。

だからイギリス人のような「濃厚ファン」でない限り、おいしいとは思わないだろうというのが著者の意見。

高価なワインは熟成させるとおいしいものですが、若い高級ワインは「渋み爆弾」なので、コルクを開けるのはもったいないという考え方。

「高価」と「おいしい」は同じではないので、高価なものは飲みごろを自覚して買うべきだというのです。

そして毎日飲むのなら、1,000円前後で買える「濃厚なワイン」がベスト。探せば、お買い得ワインが必ず見つかるはずだといいます。

では、先に触れた「ワインの4つの価格帯」について詳しく見てみましょう。

■ワインの価格帯ごとのおもな特徴

[1,000円以下]

毎日大量にワインを飲む「ヘヴィー・ユーザー」にとって、この価格帯のワインはうれしいところ。

一般的に低価格のワインは渋みが少なめですが、安くても、渋みの乗ったおいしいものがたくさんあるといいます(特にボルドー系の赤)。

[1,000円以上3,000円未満]

3,000円近く出すと、ワインの質は格段に上昇。上品な渋みと酸味のバランスがいいため、ボルドー系ならこれで十分だといいます。また、ブルゴーニュ系にもよいものが多数あるというのでチェックが必要かも。

ちなみに、気軽なビストロで出てくるのがこのクラスのワイン。

[3,000円以上1万円未満]

有名なフレンチレストランへ食事に行き、普通の人がオーダーできるのはこのクラス。つまり、かなりの高級ワインだということ。

ちなみにワインの仕入原価は小売価格の約70%で、レストランでは食材やワインの原価の3倍で値づけするのが基本。

小売価格が3,000円のワインは原価が2,100円で、その3倍なら6,300円。これがワイン・リストの価格になるというわけです。

[1万円以上]

著者いわく、ワインマニアが人生を犠牲にして集めるクラス。なお1万円以上なら、10万円も100万円も同じなのだといいます。

この価格帯のワインは、長期熟成するようにつくられているため、若いうちに飲むと、赤ワインの場合は渋み爆弾。口のなかに紙やすりを敷き詰めたようにギシギシするのだそうです。一方の白ワインの場合は酸味がきつく、歯が痛くなるとか。

つまり「高価だからいい」というわけではなく、1,000円以下のワインでも充分に満足できるようです。

本書のページをめくりながら、この週末にはワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※葉山考太郎(2009)『30分で一生使えるワイン術』ポプラ社

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