鍼灸院は「どのくらいの頻度」で通えばいい?鍼灸師に聞いてみた

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2016.03.06

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鍼やお灸は世界的に認められている治療法なのに、日本ではよく知らないという人が大勢います。

実際、公益財団法人東洋療法研修試験財団が行った市場調査(2014年)によると、鍼灸(しんきゅう)について「よく知っている」または「知っている」と答えた人は、たったの45.3%。

「名前くらいなら知っている」または「よく知らない」と答えた人の割合(54%)を下回りました。

つまり、半数以上の人が鍼灸を知らないことになります。

また、1年間で鍼灸療法を受けたという人の割合はわずか5.6%。通院している人でも、月に治療を受ける回数はたった2回なのです……。

そこで、鍼灸専門学校で9年にわたり鍼灸師の育成に携わりつつ、ご自身でも鍼灸院を経営して鍼灸の普及に尽力している佐々木友子さんに、鍼灸について聞いてみました。

セルフケアできるツボについても教えていただきましたので、ぜひ試してみてくださいね。

■鍼灸院にはどのくらい通うべきなのか

まず、鍼灸治療はどんなことに効果があるのでしょうか?

米国国立衛生研究所(NIH)が「鍼の効果あり」として発表している疾患は、めまいや頭痛、胃下垂、膀胱炎、生理痛、鼻炎、眼精疲労、アレルギー性湿疹など、数多くあります。

では、そうした体調不良に取り組むためには、どのくらいの頻度で鍼灸院に通えばいいものでしょうか? 佐々木さんによると、たとえば花粉症なら冬の間からの施術がおススメ。

花粉の時期になったら週1回くらい。生理不順の場合は、生理が順調になるまで週1が望ましいそうです。生理前症候群(PMS)だと生理が始まる10日~1週間前から施術をはじめるとよいといいますが、基本は毎週の施術がベター。

ただし、「鍼灸師によって伝え方はいろいろですし、症状によっても違うのですが、患者様はその場でよくなったらもう大丈夫と思い来なくなることが多いです」とのこと。

たしかに通常の「病院」と同様に考えると、「症状が軽くなったらもう行かなくていいや」と思ってしまいがちですよね。

■不調なら週1回「メンテ」なら月1回

でも佐々木さんによると、長年患っている症状であれば、変化が出るのにも時間がかかるし、いったん症状がマシになったと感じても体は元の悪い状態に戻りやすいとのだとか。

だから最初のうちは週1回の頻度で鍼灸院での施術を受け、症状が落ち着いてきたら隔週などにするといいそうです。施術を続けていくと、身体が正常な状態で維持できるようになっていきます。

ただ当然、症状や程度によりますので、かかりつけの鍼灸院を見つけて、先生に相談してみるといいかもしれませんね。

とくに不調があるわけではなくメンテナンスのための鍼灸施術の場合、佐々木さんの鍼灸院では、人にもよりますが隔週、3週に1回、月1などで来院してもらっているそうです。日ごろからメンテナンスしておくと、いつも元気で働き、遊ぶことが可能なんだそうですよ。

■つらい花粉症に効果がある6つのツボ

とはいえ、花粉症がつらい時期でも、なかなか鍼灸院に定期的に通えないもの。花粉症に効くツボや、自分でツボを押す方法も聞いてみました。まず、ツボは以下の6つが効くそうです。

[1]上星(じょうせい)

[2]鼻通(びつう)

[3]迎香(げいこう)

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[4]合谷(ごうこく)

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[5]足三里(あしさんり)

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[6]大椎(だいつい)

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佐々木さんは、「鍼灸師によって、患者様の症状に対して用いるツボは違うのですが、私は主にこの6つ(左右の合計で10か所)を使っています」といいます。

自分でもできる花粉症対策は、ドラックストアなどで販売されている「マイケアパッチ」(貼る鍼)を鼻のツボ(迎香と鼻通)に貼っておくことなのだとか。

貼る鍼といっても、実際には極小の突起物がついているだけで、皮膚内に入ることはありませんので安心です。マスクをすれば隠れる場所なので、日中も貼りっぱなしにできますよ。

■季節の変わり目を乗り切る5つのツボ

また、「季節の変わり目で体調を崩される方は、基礎体力や自然治癒力が低いように感じます」ともおっしゃいます。

そこで、体の免疫力を上げるために佐々木さんがよく使っているツボも教えていただきました。それは、以下の5つ(左右の合計で9か所)だそうです。

[1]足三里(あしさんり)

[2]三陰交(さんいんこう)

[3]照海(しょうかい)

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[4]関元(かんげん)

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[5]合谷(ごうこく)

さらに、診療室に行かずにセルフケアで免疫力アップできるおススメの方法を教えていただきました。

それは、お灸。せんねん灸など、台座にシールがついているので火をつけて皮膚に貼って、熱くなったら外すだけ。とても簡単で短時間でできます。セルフケアで用いるツボは、上記の5つから合谷を除いた、足三里、三陰交、照海、関元の4つ。

もしツボに置いたお灸が温かく感じない場合、そのツボに続けて2個目、3個目としてみるとよいですよ。

セルフケアや治療院での施術も、食後とお風呂の前後30分は避けてください。それは、血行や消化に影響がでたり、やけどしやすくなったりするためだそうです。

なお、最後にいただいたアドバイスは次のとおり。

「一般の方にお伝えしたいのは、“何か体調が変かも?”と感じたらすぐに施術を受けていただきたいということ。その方が、体調が楽になるのも早いです。

多くの方が、体調が変かもとか、悪いかもと感じても、忙しいからとかそのうち良くなるかなと放っておくことが多いのですが、放っておけばおくほど回復も遅くなりますよ」

もし「病院に行くほどでもない」というような体調になったときは、鍼灸での体調管理を試してみてはいかがでしょうか?

(文/松丸さとみ)

 

【取材協力】

※佐々木友子・・・平成13年 北京中医薬大学日本校卒業、平成14年 国際中医師資格取得、平成18年 はり師きゅう師国家資格取得、平成21年 鍼灸教員資格取得。現在は、鍼灸専門学校で非常勤講師として指導するかたわら、「はり・きゅう茉莉花(ジャスミン)」を開院し、患者と向き合っている。

 

【参考】

奈良県近鉄高田市駅前の鍼灸院 はり・きゅう茉莉花(ジャスミン)

奈良県大和高田市の鍼灸院(はり・きゅう) 友ちゃん先生の東洋医学的養生法

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