社会人になると多くの人が手にするのが、クレジットカード。手持ちのお金がなくても買い物ができる、いわば大人のための“魔法のカード”です。
株式会社ジェーシービーが毎年行っている調査によると、クレジットカードの保有率は2011年以降少しずつ低下傾向にあるものの、2015年時点でも84%。大多数が持っているといえます。
予期せぬ出費に手持ちの現金が足りず、「カードがあって助かった!」という経験をしたことがある人も多いのでは?
これだけ一般的に利用されているクレジットカードですが、使い方を間違えるとお金が逃げていく原因にもなります。
そこで、「こんな使い方はお金を逃がす」というクレジットカードのNG習慣を7つ挙げてみました。便利なアイテムだからこそ、賢くメリットの多い使い方を意識したいものです。
■1:年会費・ポイント特典を把握していない
ポイントやマイルはカード使用の大きな魅力ですが、使わないでいると期限切れでなくなってしまうものがほとんど。把握していないと、気づかないうちに消えてしまいます。
また、初年度は年会費無料でも、2年目からは2,000円程度の年会費が発生するカードも。
よく利用するカードならいいのですが、使っていないカードの年会費を支払うのは明らかなムダ。把握できる枚数にとどめ、メリットを感じないカードは解約してしまいましょう。
■2:各カードの使用目的(ルール)を決めていない
使用目的を決めていないと「お金がないからとりあえずカードで払っておこう」という気持ちになってしまいがち。現金のやりとりがなく“使い過ぎ”の意識を持ちにくいカード決済では、これが浪費の大きな原因になります。
カードごとに、「ポイントやマイルがつく店でしか使わない」「このカードは外食費用」などのルールをあらかじめ決めることで、不必要なカード使用を減らすことができます。
■3:各カードの予算を決めていない
目的と併せて決めておきたいのがカードごとの予算。カードは現金に比べて“支払った”実感が薄いので、予算を決めないと額が膨らみがちに。
まず使ってしまってから引き落としのために残高をやりくりしていると、翌月のカード使用前提の家計になり、使用額もアップしていくことになります。
その結果、ボーナスで帳尻を合わせるサイクルができ上がってしまうと、医療費など突発的な支出に対応できなかったり、貯金もしにくくなったりします。
■4:給与振込口座を引き落とし口座に設定している
カードでどれだけ使ったかをいちばん実感できるのは、毎月の引き落とし日。カード使用の大前提は、使用額をきちんと把握できていること。
引き落とし口座を給与振込口座など残高の大きな口座に設定していると、どれだけ使ったかが見えにくく、場合によっては明細に目を通さず終わってしまうことにも。支出額にブレーキをかける大きなチャンスを失います。
■5:分割払いよりもリボ払いが便利だと思っている
毎月の支出を一定に保てるリボ払いは便利と考えがちです。しかしリボ払いには、高い金利がつくことを忘れてはいけません。
回数を指定する分割払いにくらべ、支払いが済むまでの期間も見えにくくなります。利息が発生するキャッシングもなるべく利用しない方が安心。
カードの場合でも、なるべく毎月の予算内で収まる支出に抑えること、大きな出費はきちんと支払いのメドを立て、できる限り貯金からの支出を基本とすることが大原則です。
■6:ポイントのために必要以上の買い物をしている
ポイントやマイルを貯めるためにあえてクレジット払いにすることも、賢い大人ならではのカード利用テク。
ですが、ポイントのメリットを冷静に受け止めることも時には必要です。1%のポイントなら、1万円の買い物で100円。
そのメリットを受けるために、割高な店で買い物をしたり不必要なものまで買ったりしていては、お得とはいえません。引き落としまでのブランクがある分、カードの利用は慎重になってちょうどいいくらいなのです。
■7:家計簿には引き落とされたら記入している
家計簿管理でも厄介なのがクレジットカード支出をどうするか。使った日と実際の引き落とし日に1~2か月の間があるため、引き落とされた日の支出にしたくなります。
しかし家計簿の目的は、支出の内訳を「見える化」して無駄な支出を防ぐこと。
引き落としはすでに使った結果の確認にすぎず、次回以降の見なおしにつながりにくくなります。現金と同じように使った当日に家計簿に書き込み、翌月以降の見なおしに役立てましょう。
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初めて自分名義のクレジットカードを持ったときは、誰もが「大人になった」という実感を持つもの。
「credit」の本来の意味は「信頼・信用」です。信頼のあかしとしてメリットを受けられることを理解して、お金を逃がさないクレジットカードライフを送りましょう。
(文/よりみちこ)
【参考】