信用をなくすので多用しちゃダメ!執事が教える「要注意な数字」

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2016.03.09

suzie.20160309

『世界NO.1執事が教える“信頼の法則”「信じていい人」「いけない人」の見分け方』(新井直之著、KADOKAWA)の著者は、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表取締役社長。

同社は、執事によるフルオーダーメイドサービスを提供しているという珍しい会社で、著者自身も執事として大富豪のお客様を担当。

また、それに加え、企業向けに富裕層ビジネス、顧客満足度向上に関するコンサルティング、講演、研修なども行っているのだそうです。

そんな実績を持つ著者の新刊である本書は、お客様をトラブルから守るために蓄積してきた「信頼できるかどうか」を見極めるテクニックを公開した書籍。

切り口自体が、とてもユニークです。

■日本人が大好きな数字の3と8に要注意

ところで著者は本書のなかで数字の話題に触れており、「3と8は適当な数を表すときに人が好んで使う数字」だと指摘しています。

たとえば、こんな感じ。

「こちらの商品ですが、すでに3社からオファーをいただいております」

「朝から営業に回っていて、こちらで8件目なんですよね」

前者の「3社」は、本当は1社からしかオファーがないのに、「それでは少なすぎる」「かといって5社と大ボラを吹くのは後ろめたい」というときなどに、「ほどよい数字」として使われることが多いといいます。

ただし無意識のうちに使っている人がほとんどで、自分がそれを多用していることに気づく人は少ないのだとか。

また無意識である以上、本人に罪悪感はないものの、聞く人が聞くと「あれ? おかしいな」と感じることも。

一方の「8」は、「想像以上に数が多い」ことをアピールしたいときによく使われる数字。

昔から「嘘八百」などといいますが、80%、800件、8,000人などは要注意。10のようにキリがいい数字ではわざとらしいので、それに近いところで、8なら「そこそこ多い」というイメージをアピールできるのではないかという心理がそこにはあるのだそうです。

日本人が3を好んで使ってきたことは、歴史的にも明らか。その証拠に、「石の上にも三年」「三日坊主」「三日天下」「仏の顔も三度まで」など、さまざまな言葉があります。

また3は、「満」「充」を連想させる縁起のよい数字と考えられることも。

対する8も、「八雲」「八重桜」「八百万」など、「たくさん」という意味を込めて使われてきました。

そればかりか「八」には「末広がり」の意味があるため、運のよい数字としてお祝い事などにも使われています。

■根拠のない「大げさな表現」にも要注意

また、数字ではありませんが、映画のCMに多い「全米が涙した新作」「絶賛上映中」などの根拠のない大げさな表現、あるいは通販番組の「他にはない切れ味」「限定100名のみ先着順」「全国から感謝の声が届いています」など、調べる音ができない「あおり文句」にも、3と8に通じる曖昧さがあると著者は指摘しています。

とはいえ映画や通販番組の場合、多少は誇大な表現を使ったとしても、エンタテインメントの暗黙の了解として楽しめるので問題はないといいますが。

ただし、ビジネスの世界では話が別。大富豪のように常に数字に神経をとがらせている人は、8が多用されていることに気づくと、すぐに「うさんくさいな」と警戒するというのです。

つまり、そうした人との商談において、こうした表現を多用すると信用を失いかねないということ。

もちろん、3と8を使ってはいけないというわけではありません。しかし、そもそも3と8は10のうちの2つの数字でしかないわけです。

本来、話に出てくる確率は5分の1程度なので、それが2回に1回出てきたら、確率的にもおかしいということ。

だからこそ、「この商品は、ご紹介したほとんどの方がご購入なさっています」「こちらの商品は人気が高く、あと残りわずかです」というようなあおり文句も含め、あいまいで無責任な言葉が口癖になっていないか、一度、周囲の人とチェックし合うことを著者は勧めています。

いわれてみれば、無意識に多用していたかもしれませんね。

プロの執事が書いているだけあって、語り口は上品でソフト。気持ちよく読み進めながら、「信頼」についての大切なことを無理なく身につけることができるでしょう。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※新井直之(2015)『世界NO.1執事が教える“信頼の法則”「信じていい人」「いけない人」の見分け方』KADOKAWA

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