60歳すぎて老後破産しないために知っておくべき「お金の常識」

  • LINEで送る
2016.03.10

shutterstock_94638358

いま、「下流老人」や「老後破産」に関するニュースが頻繁に報道されています。

定年退職していきなり生活苦になってしまうなんて、絶対に避けたいことですよね。そのためには情報収集をして、老後に備えてお金を貯めておくことが重要です。

そこで、節約アドバイザーのヨースケ城山さんに、老後破産を回避するために最低限知っておくべき5つのマネー常識を教えていただきました。

年金受給なんてまだまだ先の話だなんて思わず、これらの情報をしっかり頭に叩き込んでおきましょう。

■1:厚生年金保険料は平成29年度まで引き上げが続く

2004年の政府の年金改革により、厚生年金の保険料は同年から毎年0.354%ずつ引き上げられ、2017年(平成29年)以降は18.3%とすることが決まっているのをご存知でしょうか。

今年度は、平成28年9月分~平成29年8月分が18.182%に引き上げられます。当初2004年の改正前は13.58%だったので、ほぼ5%の値上げです。

標準報酬月額28万円(平均的な給与)で計算しても2004年は保険料、38,024円でしたが2017年になると5,1240円となります。その差はなんと13,216円です。

労働者負担は労使折半となるので、6,608円。毎月6,608円も2004年と比べて多く取られているのがいまの厚生年金保険料の姿なのです。

■2:国民年金保険料も平成29年度まで値上げが続く

また国民年金の保険料も、厚生年金と同じように2005年4月から毎年280円ずつ引き上げられ、2017年(平成29年)以降は月額16,900円とすることが決まっています。

改正前は13,300円だったので毎月3,600円の値上げです。自営業などで夫婦2人加入だと7200円もの負担増となっています。

厚生年金、国民健康保料で問題なのは値上げの分、貰える額は多くなるかというとそうではないのです。

まったく給付額は変わりありません。厚生年金は標準報酬月額、国民年金保険料は払込み月数で計算されるからです。これは重要なことなので、覚えておきましょう。

■3:介護保険料はものすごい勢いで値上げしている

つぎに、介護保険料。これは40歳から納めるようになっており、公的年金のように「ここで支払終了」という年齢がありません。

介護保険料は人が亡くなるまで納め続ける、いってみれば「終身」のようなものです。そして介護保険料は、3年ごとに見なおしが行われます。

2015年4月に改定された65歳以上の介護保険料は、全国平均で月5,514円と3年前に比べ542円(10.9%)値上がりしました。

もっとも高いのは、奈良県天川村の月8,686円。もっとも低額だった鹿児島県三島村(月2,800円)の約3倍です。

このように、介護保険は地方自治体によって基準が違います。全国平均保険料は、2020年度で月6,771円、2,025年度で月8,165円になる見込みといわれています。

介護保険制度導入時の2000年には、第1号被保険者の支払う介護保険料の平均は2,900円程度。

65歳以上の年金受給者は今後この介護保険の値上げとも戦っていかなくてはなりません。また、介護保険料は年金天引きなので払わないという選択肢もありません。

つまり年金から終身でこの介護保険料は取られていくので、使える年金の額が減少するのは確実です。

■4:公務員の特権「職域加算」はすでに廃止されている

会社員のかたは、公務員を羨ましく思うときがあるのではないでしょうか。しかし、公務員はもう憧れの存在とはいえません。

公務員には会社員の企業年金に代わるものとして、「職域加算」という制度がありました。しかし、平成27年10月に共済年金が厚生年金保険に統合されると同時に、この職域加算は廃止さたのです。

そのためこれから新たに受給できるのは、統合前の期間(公務員になってから平成27年9月まで)をもとに算出された職域加算のみ。今後の年金に関しては老齢年金が名前を変えており、年金払い退職給付という名称になっています。

職域加算はすべてが終身年金ですが、年金払い退職給付は半分が終身年金で、もう半分は支給期間が10年または20年(一時金に変更することも可能)の、有期年金になるのです。

この変更によって、公務員といえども老後は安泰とはいえなくなってきました。

■5:民間の退職金減少と同時に公務員の退職金も激減している

公務員にとって残念なニュースは他にもあります。

「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律」が、平成24年11月16日に成立したのです。

これにより国家公務員の退職手当は、次のような3段階を経て、平均で約400万円も引き下げられることになったのです。

【平成25年1月1日~】平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約140万円引き下げられます。

【平成25年10月1日~】 平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約280万円引き下げられます。

【平成26年7月1日~】平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約400万円引き下げられます。

これは、民間の退職手当がここ10年間で400万円以上下がったための緊急措置なのです。

いまは、公務員であっても退職金も減らされる時代となっているということ。この傾向は、今後も続くものと思われます。

最後のふたつは会社員のかたには無縁の話かもしれません。しかし、最初の3つを知っていたかたはそれほど多くないはず。

城山さんは「これらの値上がりや給付額の減少が老後破産へとつながっていく」とおっしゃいます。常日頃からこのような情報を集めて、老後への備えをしっかりしておきましょう。

(文/水野渚紗)

 

【取材協力】

※ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

関連記事