人気料理家が明かす「365日」自宅で料理できるようになる秘訣

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2016.03.13

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忙しいと、ついコンビニや外食で済ませてしまいがち。手づくりしたほうがいいと頭ではわかっていても、体は楽なほうに流されてしまうものですよね。

一体どうすれば、料理を習慣にできるのでしょうか?

そんな悩みを解決するには、毎日料理をしている先輩女性に秘訣を教わるのがいちばん。

そこで、レシピエッセイ『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』(ぴあ)の著者で 「MIIKU日本味育協会」代表の料理家・宮川順子さんにお話を伺いました。

■手づくりをはじめたのは息子のアレルギーのため

いまは料理家として活躍されている宮川さんですが、結婚前はファッション業界に勤め、お仕事が大好きで外食ばかりだったのだとか。

また、独身時代はバブル全盛期で、連日一流レストランやホテルで豪華な食事を楽しんでいたそうです。

しかし、幼いころから喘息持ちだった宮川さんは、不規則な生活と暴飲暴食がたたって体がボロボロに。人生を見つめなおした結果、寿退社の道を選んでバリキャリOLから専業主婦へと180°方向転換したのだそうです。

結婚して子どもを産むまでは、家庭より仕事に生き甲斐を感じるタイプだった宮川さん。外食中心で料理はほとんどしないようなバブリーOLが、なぜ食に興味を持ち、毎日料理をするになり、料理研究家にまで登りつめたのか。

そこには、「やらないといけない状況になったから」という理由もあったそうです。

「息子が生後3か月でアトピー性皮膚炎を発症し、全身に発疹ができるような状態。かゆみで一晩中泣きどおしになることもあり、私は子育てに疲れ切っていました。

医師に相談したところ、『毎日の食事を通じて体質を変えるしかない』とのこと。そこで、化学調味料や添加物を使わない料理を毎日手づくりするしかなくなったんです」(宮川さん)

ちなみに著書内には、「料理嫌い」とはっきり書かれています。料理が好きじゃなくても、毎日料理することは可能なのです。

まずは「背に腹はかえられない」と一大決心することも、続けるためには重要なのかもしれません。

■自分の料理を「食べてくれないと嫌」だったから

さらにお話を聞くと、宮川さんの育った環境も大きく関係していました。

「料理は私の実家では母が仕出し屋(いまでいうケータリング)を営んでいました。調理場ではやっぱり、ダンドリが大事です。

手順を間違えて人様に出せない料理になってしまったら、商売にならないし『食材に悪いだろ!』となります。厳しいと感じるかもしれませんが、いっていることは正しいんです。

家族に出す料理も、おいしくなきゃダメ、食べてくれなければ嫌でしょう。私だっておいしさの法則に気づくまでは、煮物の味つけに失敗して、カレー粉を入れてごまかしたこともあるんですよ」(宮川さん)

つまり、「食材を無駄にしたくない!」という強い気持ちと「家族においしい料理を食べてほしい!」という愛情も、毎日の料理の大きなモチベーションだった様子。

たとえ自分のための料理でも、「いつか自分の料理を食べてほしい」と思うと毎日料理をしたくなるのではないでしょうか。

いま、食品ロスは社会問題にもなっています。料理するときは、「買った食材は誠意をもっておいしく使い切る」と考えることも大事なんですよね。

■まずはNHK『きょうの料理』レシピをつくろう

それでは、料理初心者はどんな料理からはじめればいいのでしょうか? 宮川さんは最初、『きょうの料理』をメモしていたそうです。

「寿退社して専業主婦になったものの、最初は料理の基本すら知りませんから、NHKの『きょうの料理』をテレビにかじりつくようにして見ていました。毎日放送時間にテレビの前に座ってメモを取るんです。

結婚するまで料理なんてしなかったんだから、最初はもう、失敗の連続ですよ。だけどやらなきゃいけないから、まず失敗の原因を考えます。

『うまくいったときとうまくいかないときでなにが違うの?』

『野菜を切って塩をふっただけなのにおいしい』『この間と同じように作ったはずなのに、なにか違う』

『あっちのスーパーよりこっちの店の野菜の方がおいしい』

『そもそも、なんで店によって食材の値段が違うの?』

そういう疑問が、どんどん積み重なっていくわけです」(宮川さん)

料理番組を見るなら『きょうの料理』で! ホームページでもレシピが公開されているので、これなら真似できそうですね。

■料理セミナーに行って専門家に話を聞いてみよう

料理も、スポーツと同じ。上達するためには、やっぱり専門家の話を聞くことが大事。宮川さんは料理家になる前、セミナーへ行きまくったそうです。

「結婚して夫の転勤に伴い福井に引っ越しましたが、7年後に私はまた東京に戻ることができました。

東京では、ちょっとお金を払うだけで有名なシェフのセミナーが受けられる。一流シェフなんて地方ではアイドルのような存在で、直接話を聞くなんて考えられないことでした。

シェフの書いた本を読んでつくってみて、『本当にこれで合っているの?』と悩んでいたわけですが、直接話を聞くと、本に書いていないダンドリがたくさんあることがわかるんです。

目からウロコが落ちる思いで、有名シェフのセミナーや大学の公開講座に行きまくりました。一生懸命メモを取って聞くんです。

そこでやっぱり、毎日料理をしている中で自分がやっていることの意味がわかってくる。自己流のやり方が意外と当たっていてびっくり! 自信が湧きました。

自分がつくった料理を家族に食べてもらうのに、まずいとはいわせたくないですよね。おいしさの法則がわかって、最小限の労力で最大限においしい料理がつくれたら、しめたものじゃないですか」(宮川さん)

たしかに、料理セミナーは都内でいくつも開催されています。本を買う前に、直接話を聞けるセミナーに足を運んだほうが手っ取り早いのかもしれません。

もしくは、料理上手な先輩にアドバイスをもらってメモしまくってみましょう。そのほうが、活字を追うだけより、ずっと頭に入りますよね。

しっかり心構えをして、『きょうの料理』レシピを試す。これだけなら、「私にもできそう!」と思いませんか?

今回、素敵なアドバイスをくださった宮川さんの著書『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』には、息子さんのために編み出された添加物なしのレシピはもちろん、最小限の労力で最大限においしい料理を作るためのコツも書かれています。

この本の内容をひとつずつ実践していけば、どんなに料理嫌いでも毎日料理ができるようになるはず。

時間に追われて「私には料理なんてできない……」なんてあきらめるまえに、手に取ってみてはいかがでしょうか?

(文/ぱるぱる)

 

【取材協力】

※宮川順子・・・1957年福岡県生まれ。「MIIKU(社)日本味育協会」代表。

長男のアレルギーを機に、親子共々の「食の重要性」を実感。実家の料理屋での記憶や友人シェフのアドバイスで、オーガニック食品による無添加手作りを実践。2人の子供の子育てが一段落後、自分の体験をもとに添加物のない、簡単でおいしい家庭料理を伝えたいと教室をスタート。

各種資格を取得後、現在は「心と体に美味しい食卓」の周知拡大を目指し、料理教室を主宰すると共に、食業界のプロや一般に向けて、広く味覚教育講師や資格試験講師、商品開発のアドバイザーなども務めている。

 

【参考】

宮川順子(2015)『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』ぴあ

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