FPが警告!65歳以降は働かないお一人様が用意すべき老後資金

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2016.03.15

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年をとると、どんどん病気や怪我をしやすくなります。そんなこともあり、「65歳すぎたら働けないんじゃないか」と心配しているおひとりさまも多いのではないでしょうか。

いつ、なにがあるのかわからないのが人生ですから。

しかし、きょうはそんな方にちょっと厳しい現実をお伝えしなければなりません。

将来が気になるおひとりさまは、心して受け止めてください。

■老後シングルが生涯独身シングルと同じくらい増加中

まずは、日本のおひとりさま事情から確認していきましょう。

全日本人世帯の32.3%が単独世帯、つまり、おひとりさまです。要するに全世帯の3分の1がおひとりさま世帯ということになります。

ところで「おひとりさま」と聞くと、どうしても「一生涯結婚しない人」というイメージが先行しがちですね。

それほど「結婚しない・できない人」が身の回りに増えているからかもしれません。

しかし、このことについては「生涯未婚率」という指標を意識する必要があります。

生涯未婚率とは、「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したもの。生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありません。

ただ、50歳で未婚の人は、将来的にも結婚する予定がないと考えることもできることから、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す統計指標として使われています。

国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2012)」によると、その生涯未婚率が2010年は男性が20.14%、女性は10.61%。

特に男性の場合、2005年から2010年の間に約4%も上昇しています。すでに男性の5人に1人は、一生涯未婚だということになるわけです。

推移をみると増加の一途をたどっているので、一生涯独身という人はめずらしい状態ではなさそうです。

しかし、おひとりさまについては、「離別」「死別」を要因とするケースも十分に考えられます。

「死別」と聞くと、「そんなにいないのでは?」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

2世帯で一緒に生活する家族が激減しているということは、夫婦のどちらかに先立たれれば、その後は確実にシングルになるわけです。

つまり、生涯独身シングルが増える一方、老後シングルも同じくらい増えているのです。

予測では、2035年には単独世帯が37.2%まで増加し、「ひとり親と子」の11.4%を合計すると48.6%「夫婦のみ」「夫婦と子」との合計44.5%を超えることになります。

つまり、お子さんがいるかどうかは別としても、全体の半分がパートナーのいない世帯だということになるのです。

■老後に働けない場合は2000万円以上の貯蓄が必要

すると問題になるのが、お金です。

生涯独身でも老後シングルでも、自分が働けるうちはそれほど心配がありません。

しかし働けなくなり、自分以外に頼る存在がいなくなったら、いったいどうすればいいのでしょうか?

たとえば、以下のような条件で老後に必要なお金について確認してみましょう。

(1)年金は、悲観的に考えて現在の80%で考える

(2)生活費は、現状の生活費から−2万円ぐらいしか減らない

(3)医療費は、生命保険次第だが貯畜50万円あれば充分

(4)介護費用は、多めに計算して420万円貯蓄で準備する

(5)住居費は、家賃を払い続けることを基準に考える

あくまでもファイナンシャルプランナーである私の考えですが、年収350万円のシングルが65歳までに準備しなければならないお金は、約3,975万円となります。

[生活費]月々13.5万円(15万円から住居費1.5万円を除いた金額)/65歳から80歳までの15年間の必要金額2,430万円

[医療費準備金]45万円

[介護費用準備金]420万円

[家賃]月々6万円(定年後、家賃の低い物件に引っ越した場合)/65歳から80歳までの15年間の必要金額1,080万円

【合計】3,975万円

一方、年収350万円のシングルが65歳からもらえる年金は、たった1,890万円。

[年金収入]月々10.5万円(現状13万円の80%)/65歳から80歳までの15年間の受取総額1,890万円

差し引きすると、2,085万円も不足してしまう計算になるのです。

つまり、65歳の段階で2,000万円以上の貯蓄を準備しないといけないということ。

2,000万円とは、途方もない金額ですよね。年収350万円のおひとりさまなら、年収の約6倍です。

しかし、これだけのお金を準備しないと安心できないのが事実。

「将来、働けなくなったらどうしよう」と気になっているかたは、まずこの厳しい現実を知ることがはじめの一歩となります。

この2,000万円をどうやって用意すればいいのかについては、次回お話ししましょう。

(文/ファイナンシャルシャルプランナー・岡崎充輝)

 

【参考】

岡崎充輝(2014)『知らないとヤバイシングルのためのお金の話』彩図社

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