サイコパスだけじゃない!人間が数字に苦しめられる5つの作品

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2016.03.16

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精神状態や性格を数値化し、人々がそれを指標にしている監視社会を描いたアニメ『PSYCHO-PASS(サイコパス)』が話題です。

この作品がそうであるように、管理社会・ディストピア(反ユートピア)を舞台とした作品は、マイナンバー制度やコンピューター・AIの発展等の影響で語られることが増えてきました。

そこで今回は、さまざまな「数字」に苦しめられるディストピア作品をご紹介します。『PSYCHO-PASS』にはまった人も、そうでない人も是非手に取ってください!

■1:『華氏451度』(レイ・ブラッドベリ)

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レイ・ブラッドベリによって書かれたSF小説界の名作。発表から60年以上たったいまでも根強い人気がある作品です。

本を持つことや読書が禁止され、テレビやラジオでしか情報を得られない社会を描いた物語。人々が相互監視する世界が形成されており、密告が横行しています。

「華氏451度」とは本が燃える温度。この世界で発見された本はすべて「ファイアマン」と呼ばれる機関に燃やされてしまうのです。

ファイアマンである主人公は模範的な隊員でしたが、ある女性と知り合うことで本を読むようになり、自分の仕事や社会に疑問を抱き始め、終われる身になっていきます。

読書好きの人だけでなく、情報社会に生きる多くの方に読んでほしい一作です。

■2:『NO.6』(あさのあつこ)

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テレビアニメ化もされた、あさのあつこの近未来SF。対戦の結果荒廃してしまった社会で、理想の都市と呼ばれている「NO.6」。環境が常に整備され、教育や医療が発展し、人類の理想を詰め込んだような都市の暗い裏側と秘密を探る物語。

恵まれた環境で育ち、人を疑うことを知らない主人公と、貧しい環境でそだち、人一倍警戒心が強い一匹狼の友人。2人が織りなす物語は、多くのことを考えさせてくれます。

■3:『番号をどうぞ』(星新一)

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ショートショートの巨匠、星新一の小説。表題作にもなっているこの作品は、マイナンバー制度によって一部で話題になりました。

番号をなによりも優先する未来社会が舞台。主人公は休暇中に湖に堕ちてびしょ濡れになってしまい、カード類の入った財布をなくしてしまいます。

買い物をしようにも、身分を証明しようにも自分の番号が思い出せず取り合ってもらえません。また、警察の保護を受けようとしても、「番号がないと保護できない」といわれてしまいます。

便利なようで実は恐ろしい「番号の世界」は、もう現実になりつつあるのかもしれません……。

■4:『THX 1138』(ジョージ・ルーカス)

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ジョージ・ルーカスのデビュー作であるSF映画。興業的には成功しませんでしたが、現在ではリマスター版が発売され、再評価されている作品です。

コンピューターによって人名までも番号で管理されている25世紀。人々は精神安定剤を服用しながら、すべての娯楽を奪われ、感情もない人生を送っていました。

主人公THX-1138は女性ルームメイトのLUH-3417と恋に落ち、薬の服用をやめたことで投獄されてしまいます。

記号化され、人間性がはく奪された社会から主人公が逃亡を図るという壮大なストーリーのはずなのに、物語は淡々と進んでいく不思議な一本です。

■5:『1984』(ジョージ・オーウェル)

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ディストピア小説といえば必ず名前が上がる小説、それが「1984」です。村上春樹「1Q84 」の元ネタでもあります。

ビッグ・ブラザーという指導者をトップに据えた政党に、統治・管理されているロンドンが舞台。役人として歴史改ざんを行う主人公は、あることから体制を疑うようになり、その裏側に迫っていきます。

物語全体を象徴するのが「2+2=5」という数式。党が2足す2は5だといったら誰もがそれを信じてしまう社会を表しています。

そんな2+2=5の社会を疑う主人公が最後に思うことは……? 衝撃のラストは忘れられないものになるでしょう。

高度な社会に生き、多くの情報が流れてくる現代人だからこそ、ディストピア作品を手に取ってみるべきなのかもしれません。

時代に流されて生きているうちに管理社会で暮らしていた、なんてことが実際に起こるかもしれませんからね……。

(文/堀江くらは)

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