従来のカロリー制限とは発想が真逆!完全無欠ダイエットが話題に

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2016.03.17

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良質のバターとMCTオイルを入れたコーヒーを朝に飲むことで、体重を減らすだけでなく、筋肉をつけ、集中力とパフォーマンスを高めてくれる……。

にわかには信じがたいダイエット法が米シリコンバレーのIT起業家・投資家のデイヴ・アスプリーによって考案され、世界中で話題になっています。

日本でも彼の著書『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)が、2015年9月に刊行。現在まで7刷を数えるベストセラーとなっています。

eコマースを史上はじめて行うなど、若くしてITの世界で成功を収めた著者ですが、一時は体重140キロに達しそうになり、30歳の頃に血小板凝集を発症、副鼻腔炎や咽頭炎が治らずにずっと集中していられなかったといいます。

太っていては仕事ができないと悟った著者は、あらゆるダイエット法に挑戦。

さらに最新の医療知識を求め、それらに30万ドル以上を費やした結果、行き着いたのが「自分の身体をハックすること」。このあたり、シリコンバレーのIT長者らしい発想といえるのではないでしょうか。

しかし、なぜ著者自ら考案した「完全無欠(ブレットプルーフ)ダイエット」が、ここまで大きな反響を得たのか? それは、徹底的に従来の常識を「逆張り」していったことが挙げられます。

たとえば、「朝にヨーグルトを食べると太る」「脂肪を食べると痩せる」などの考えは、従来のダイエットでは考えられないことです。

そこで今回は、この「完全無欠ダイエット」の反響の秘密について紐解いていきたいと思います。

読者に驚きを与えたのは、主に下記4つの逆張り部分ではないでしょうか。

■1:「オーガニックな食材が良くない」と逆張り

著者の言葉では「バイオハック」、つまり「痩せたい」「集中力を上げたい」と望む者に対して、すべて食べ物の「質」によると断じた単純明快さ。

身体の炎症がパフォーマンスを下げること、それには加工食品や野菜が持っている反栄養素の存在を詳らかにしていることは特筆に値します。

ナス科や豆類、ナッツなどに含まれているレクチンが偏頭痛や肌荒れの原因になるといった指摘は、オーガニックな食事がよいとされてきたこれまでの健康食とは明らかに相反する内容。

特に著者は「ピーナッツはレクチンを含む。ほぼ誰にでも炎症反応を生じさせ、アナフィラキシーを起こし死に至らしめる重篤なアレルギー症状をもたらす物質だ」と記し、腸粘液の生成が40%増大し、ヒスタミン濃度も高くなるといった弊害もあるとしています。

このように、食物に含まれる成分の悪影響を列挙することで、自説の説得力を与えています。

■2:「コーヒーは悪くない」と逆張り

著者はコーヒーを飲んで不調に陥る原因を、豆が侵されているカビに求めます。

粉末のコーヒーよりも挽きたてのコーヒーを使うことを推奨しているのは、前者が低品質の豆を使い加工技術によってカビ毒の含有量を増やしているからとしています。

また、コーヒー自体はポリフェノールを大量に供給するため、そのままでもパフォーマンスを高めてくれるとも。

このほか、野菜にもカビ毒は含まれているため、アボガドなどの例外を除いて生ではなく加熱して調理をすることを奨めています。

■3:「フルーツを食べるとなぜお腹が空く」と逆張り

一般的に朝食べるとよいとされるフルーツ。しかし、含まれている果糖は空腹感を刺激するホルモン・グレリンをオフにするのが苦手だと著者は指摘します。つまり、食欲を抑えられなくなるのです。

その上、著者はフルーツの果糖が「ふつうの砂糖より中性脂肪値を上げ、結果として砂糖より代謝障害を引き起こす」としています。

そればかりか、「シュガークラッシュ」(糖の摂取による低血糖症)により集中力とエネルギー、血糖値が奪われるといい、「糖を食べると体が疲れ、脳とホルモンの機能が乱され、肥満が助長される」と断言しています。

一方で、「正しい食品を摂っているかぎりは、食べたいだけ食べればいい」と述べ、脂肪は「人体の重要成分」「いかなる健康的なリスクを受けることがない」と強調。

カロリーを減らすことがダイエットの「決定的な要素でない」とも述べています。

これまでのカロリー制限とは真逆の発想で、最適な時間に最適な食材を摂ることの重要性を説いているあたりが読者に驚きを与えてくれます。

■4:「運動をすれば痩せるわけでない」と逆張り

そしてなにより、目的は「他人によく見られるために痩せる」といったものではなく、「高パフォーマンスを維持する」ためだという点が、多くのビジネスパーソンの琴線に触れたのだと考えられます。

「運動は腹が空っぽのときにして、20分以上はがんばる必要はなく、走るのは毎日でなく週一の方が効果的」という考え方は、生産性を求める人には福音のように聞こえたのではないでしょうか。

また、朝にタンパク質を摂り、夜には炭水化物を食べるといった、時間によって効果が違うことを明らかにしているところも、データによる管理が簡単になった現代向きといえそうです。

とはいえ、著者は「映画を観るときは、ポップコーンを食べればいい」と述べ、人によって合う食べ物とそうでないものがあると指摘しています。

本書のキモは、自分が口にしている食べ物の正体と身体への影響を知ること、そして自分の変化を観察して、その人なりの「最強の食事」を見つけることだと、訳者の栗原百代さんも記しています。

いまある常識から脱するのはなかなか難しいかもしれませんが、ダイエットがうまくいかない人や、身体の不調の原因がわからないという人にとっては、ヒントに満ちた説といえるのではないでしょうか。

(文/ふじいりょう)

 

【参考】

デイヴ・アスプリー(2015)『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』ダイヤモンド社

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