指示は5W1Hを意識!部下が絶対「目標達成する」仕事の頼み方

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2016.03.21

suzie.20160321

職場のエースといわれていた人が、課長になったら部下をマネジメントしきれなくなり、結果を出せずモチベーションを落としていくというようなことはよくある話。

『部下が絶対、目標達成する「任せ方」』(中尾ゆうすけ著、PHP研究所)の著者も、できるはずの人が力を生かし切れずに終わってしまう現実をいくつも目にしてきたのだそうです。

でも、本来はできる人であるはずなのに、なぜそのようなことが起きるのでしょうか?

この問いについて著者は、課長職に2つのタイプがあることの影響を指摘しています。

まずは、部下をマネジメントし、組織の成果を最大化することで会社に貢献していく「マネージャー」タイプ。

そしてもう一方は、管理職の権限を持ち、高い専門能力を発揮しながら実務を中心に活躍し、個人の成果を最大化していく「プレーヤー」タイプ。

個人として活動していくのなら、プレーヤーで十分。しかし上に立って人を動かしていくのであれば、課長ひとりでがんばってもあまり意味がありません。

部下に適切な業務を与え、目標を持たせ、「絶対部下に目標達成してもらう」ためのマネジメントを行うことが必要になるということ。

それができるかできないかで、課長としての資質が問われるわけです。

ただ、理屈でわかっていたとしても、現実的に人を使うこと、もっと具体的にいえば、部下になにかを頼むことはなかなか難しくもあります。

仕事を任せるためには、部下に快く引き受けてもらえるようにうまく頼むことが重要。そのコツはたったひとつで、「部下の立場になって頼む」ということだと著者はいいます。

なぜなら自分の都合で頼むのは、マネージャーではなくプレーヤーのやり方だから。

具体的には、以下の9つのステップをしっかり押さえておくことが大切だとか。

■1:部下の状況を確認する

部下に仕事を受ける時間的・能力的余裕があるか? その状況を見極めることが大切だ。なぜなら無理にやらせると、かえって反発を生むことになってしまうから。

しかし仕事に納期はつきものなので、優先順位をつけることで調整すべき。

■2:仕事を任せたい意思を伝える

なにかを頼むとき、前置きが長いと部下をイライラさせてしまうもの。そこで単刀直入に、頼みたい旨を伝えるのがいいそうです。

場合によっては「ノー」といわれる可能性もありますが、そんなときは納得いくまで話し合うことが大切。

■3:あらかじめ覚悟を決めてもらう

難易度が高いことや、手間がかかることなどは先にいうのが鉄則。あとから「こんなはずじゃなかった!」といわれないためにも、正直に伝えることが大切なのです。

難易度が高すぎて不満が出ることもあるでしょうが、そんなときはOJTのチャンスだと思って指導するのがベスト。

■4:なぜ任せたいかを伝える

人は理由のないことにモチベーションを持てないものなので、「なぜ頼むのか?」「なぜ君なのか?」、部下が納得するように伝えるべき。

それでも反発されるなら育成計画を示し、部下の成長のためだと理解させ、将来的なメリットを伝えるといいそうです。

■5:具体的な内容を伝える

アウトプットイメージ、納期、注意事項などを、5W1Hを意識して伝えること。人はゴールと道筋が見えると、自ら歩みはじめることができるものだから。

しかし細かく指示しすぎて、「指示待ち人間」を育てないように気をつける必要も。

■6:仕事を進めるための問題点がないか確認する

仕事の進め方からアウトプットまでをイメージさせ、支障がないか確認するということ。人はやれる見込みが立つと、自信を持って取り組むことができるからです。

でも、問題点が想像できないことも考えられるので、そんなときは上司として中止すべきポイントを指導することが必要になるとか。

■7:了解を得る

やるか、やらないか、部下自身のやる気を確認するということ。人は、自分で決めたことには責任を持つようになるからだといいます。

「ノー」といわれる可能性もありますが、そんなときは理由を十分に確認して問題を解決していくべきだそうです。

■8:必要な支援を約束する

困ったときや迷ったときは、いつでも相談に乗るという約束をする。困ったときの支援があると、安心して仕事に取り組めるからです。

ただ、それがあまえにならないよう、注意をする必要はあるでしょう。

■9:感謝を伝える

仕事の成果が出たときだけではなく、頼むときにも「引き受けてくれてありがとう」と感謝の意を伝えることも大切。

もちろん、成果が出たときにも感謝の気持ちを伝えることをお忘れなく。

こうして見てみると、上司は部下に対してずいぶん気を使う必要がありそうです。しかし、「絶対部下に目標を達成してもらう」ことが上司のミッションである以上、それもまた必要なのでしょう。

このような考え方も含め、上に立つ人に役立つ情報満載。部下とのコミュニケーションで悩んでいる方には、ぜひ読んでみていただきたい内容だといえます。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※中尾ゆうすけ(2016)『部下が絶対、目標達成する「任せ方」』PHP研究所

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