名刺の「数」は気にしない!将来の深いコネを得られる人の特徴

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2016.03.24

suzie.20160324

たとえば、「親のコネで入学した」とか、「コネ入社だった」とか。

「コネ」という言葉は「縁故」という意味合いが強く、そして、どこか「アンフェアな反則行為」なイメージがあることも否定できません。

しかし、アメリカをはじめとする諸外国では「コネも実力のうち」と考えられており、むしろコネづくりが奨励されるのだとか。

しかも「コネ」という言葉は本来、英語の「コネクション(connection)」の略語。「縁故」よりも広く、「関係、つながり」という意味があるもの。

だから決して否定的にとらえる必要はないと唱えるのは、『コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方』(川下和彦著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者です。

本書では、「コネ持ち父さん」と「コネなし父さん」を比較しながら、コネを持つことの重要性を解説しています。

■コネは先天的と後天的の2種類

著者は、コネは2種類あるのだと主張します。まずひとつは、生まれ持った「先天的なコネ」。そしてもうひとつは、「後天的なコネ」。

そう聞くと先天的なコネを持っている人が有利であるように思えますが、そうではなく、「後天的なコネ」を開拓すればよいだけの話。

つまり、コネのある人を嫉妬するのではなく、「コネはつくれる」のだということに気づいて、それを手に入れることこそが大切だというわけです。

ところでコネ持ち父さんとコネなし父さんは、それぞれ「利益」についてどう考えるものなのでしょうか?

■目先の利益に惑わされてはダメ

たとえばダイエットをしているとき、将来のスリムな自分よりも、つい目先の甘いものを選んでしまうことがあります。

同じように「将来の利益よりも目先の利益を選ぶこと」を、行動経済学では「現在バイアス」と呼ぶのだそうです。

では、将来的にお金持ちになる人は、「将来10万円になるかもしれない1万円」と「目先の1万円」のどちらを選ぶのでしょうか?

当然のことながら、将来お金持ちになる人が選ぶのは「将来10万円になるかもしれない1万円」。目先のことに惑わされないわけです。

そして考え方は、「コネ」も「カネ」も同じ。つまり、コネなし父さんは現在バイアスに支配されるため「目先の浅いコネクション」を得ようとする。

しかしコネ持ち父さんは、現在バイアスに支配されることなく、「将来の深いコネクション」を得ようとするものだということです。

■一人ひとりの関係を大切にする

「功」と「徳」を合わせた「功徳」という言葉があります。いうまでもなく、世のため人のためになる「よい行い」のことですが、コネ持ち父さんは目先の利益に目を奪われないように、いつも次の言葉を心に刻んでいるのだそうです。

「功は今を照らし、徳は晩節を照らす。功に溺れて、徳を見失うことなかれ」

目先のコネクションを使って「功」を成せば、一時的には一筋のスポットライトが当たるかもしれません。

ただし忘れてはならないのは、長い人生においてそれは一瞬にすぎないのだということ。

一方、一人ひとりの関係を大切にすることによって「徳」を成せば、応援してくれている仲間たちが、それぞれのライトで人生の道を照らしてくれるようになるということ。

■コネなし父さんは「数」を重視

ちなみにコネなし父さんは、コネクションの「数」を重視するのだそうです。

たくさんの人とつながること自体を目的にし、積極的に異業種交流会などに出ては四方八方に名刺を配り歩くわけです。

そしてソーシャルメディアでも、お互いによくわかっていない段階からどんどん繋がろうとする。

ただし数を増やすことばかりに集中するあまり、せっかくできたつながりを生かすこともできずじまい。そんな調子なので、つながっている人に協力をお願いしても、思うように動いてもらえないのだといいます。

■コネ持ち父さんは「質」を重視

対してコネ持ち父さんは、コネクションの「質」を重視するもの。つながる目的を明確にし、ターゲットをしぼってコネクションをつくるということ。

だから、名刺の枚数やツイッターのフォロワー数、フェイスブックの友だちの数なども特に気にしません。

しかし、波長が合った人とは親睦を深める機会をつくるので、ひとりの先に多くの人がつながっている「奥行きのあるネットワーク」を構築できるのです。

そして強固なコネクションができたら、人のために役立てる。すると、やがて思わぬところでその相手からコネクションのリターンをもらうようになるということ。

こうして「コネコネ交換」を繰り返すうちに、コネ持ち父さんはどんどん「おコネ持ちスパイラル」を起こすというわけです。

コネに対する著者の考え方は、このようにとてもユニーク。しかもユルいスタンスで書かれているので、肩の力を抜いてコネに対する本質を理解することができることでしょう。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※川下和彦(2016)『コネ持ち父さん コネなし父さん 仕事で成果を出す人間関係の築き方』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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