これで迷わない!1日364万人も利用する新宿駅の7つの抜け道

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2016.03.29

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あふれんばかりの人でごった返す新宿駅ですが、実は364万人というギネス世界一の乗降客数を誇っています。駅の構造も複雑なので、迷子になったことがある人も多いのではないでしょうか?

そこで、一級建築士の田村圭介さんとゲームクリエイターでゲームアプリ「新宿ダンジョン」を制作した上原大介さんの共著『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』(SBクリエイティブ)をご紹介したいと思います。

この本では、新宿駅がどれだけ複雑な迷宮(ダンジョン)なのか、ゲームアプリ「新宿ダンジョン」の開発過程を振り返りながら解説されています。

今回はそのなかから、著者の田村さんが「新宿駅を東西に自由に行き来できれば、新宿ツウになれる」と太鼓判を押す、“知っておきたい抜け道7つ”をご紹介していきたいと思います。

■1:ゆっくり渡りたい、大ガード(靖国通り)

地上の新宿通りの北にある、靖国通りが線路をくぐる場所が大ガード。歌舞伎町からはとても使いやすい道です。

大ガードをくぐるときに轟く電車の音は、都会ならではの体験だともいえます。夏に花火大会が開催される隅田川の両国橋から、靖国神社の横を通り新宿まで続く靖国通りは、この大ガードをくぐった先から青梅街道となるそうです。

■2:いにしえのトンネル、角筈(つのはず)ガード

地上で東西を抜けるなら、いちばん便利なのが角筈ガード。

新宿通りとルミネエストの間の広場に立ち、ルミネエストに向かって右側を見たとき、かつては大きな映画のポスターが並んでいたそう。その下の、手を上げれば天井に届くくらいの高さで横幅も狭いトンネルが角筈ガードです。

角筈ガードは1927年から東西に人々を渡していて、大都会・新宿らしからぬ、コンパクトで懐かしい雰囲気の地下道。

東側から西側へ抜けると、そこには戦後の闇市の雰囲気を現在も残す、小さな店が並んでいます。奥の「思い出横町」と「飲んべい横町」は、戦後から現在まで奇跡のように残ってきました。

■3:ダンジョン発祥の地、メトロプロムナード

新宿駅地下一階にあるメトロプロムナードは、地下2階に位置する丸ノ内線と地上の新宿通りの間の空いたスペースを利用した、大規模な公共地下歩道空間。地下鉄丸ノ内線の「新宿~池袋」区間開通とともに完成したのは1959年のこと。

戦後、車の往来が増したことで、安全な歩行者のためにスペースを設けるため、車と歩道を分けることが都市では主流となりました。ここもそのひとつで、地下道に商店がドッキングした地下街となり、新宿駅の多くの人をさばいているといいます。

■4:貫禄たっぷり、北連絡通路

北連絡通路(別名・青梅連絡通路)は地下で東口改札と西口改札を結ぶ、新宿駅の中心的な大動脈。

「中央連絡通路と合わせて、これがあっての新宿駅」と著者。地下通路の天井に、手前から奥に向かってプラットフォームの数だけ白く光る案内板が並んでいる様子は美しく見えます。

また、北連絡通路がつなぐ東口と西口は、改札機がずらり。こんなに多い改札機を一斉に通る人の様子は、世界でもなかなか見られないとのことです。

もし、東口改札を出ようと思っていたのに、間違えて西口改札を出てしまったなら……新宿駅の地下を知らない人は即、新宿の迷宮入り。

新宿ダンジョンの泥沼から抜け出せなくなってしまうかもしれません。もしもここで迷ったなら、あきらめて切符代金をもう一度払い、間違った改札を戻って正しい改札へ行くのが賢明なようです。

■5:改札の中にまた改札、中央連絡通路

中央連絡通路は、中央東口と中央西口を繋ぐ地下連絡通路。北連絡通路にくらべれば迷いやすいとのこと。東口と中央東口は改札内でも南北につながる「アルプス広場」でつながっていますが、西口と中央西口は改札内ではつながっていないのです。

また、わかりにくいのが、出口専用の「中央西口改札」。西口改札と中央西口改札は改札のなかのみならず、外でも直接的にはつながっていません。待ち合わせなどで間違ってしまうと、出合えずに迷ってしまうかも。

また、ここは改札のなかに改札がある構造なので、小田急線などに乗るなら、同じ切符で二度改札を通らなければ目的の路線まで行くことができないので要注意です。

■6:丘の上の南陸橋、南口跨線橋

JR南口改札を出てすぐ目の前の甲州街道の車道は、線路群をまたぐ陸橋です。この跨線橋の上の甲州街道をはさんで、JR南口とサザンテラス口が向かい合っています。

「甲州街道は新宿区と渋谷区の区境で、同じ駅が行政的に分断されているのは新宿駅の増殖の凄まじさを物語っている」と著者。

実は山手線でいちばん標高が高い駅は新宿駅で、標高は約38メートル。その盛り上がった丘のような地形の上に陸橋がかかっているので、当然陸橋上の南口は高くなってしまうようです。

■7:最高の眺めを堪能、新南口・サザンテラス口ウッドデッキ

1998年にオープンしたサザンテラスは、東西をもっとも気持ちよく横断できる場所。

JR各線の線路群の上を横断するウッドデッキの張られた床塗装は、歩いているだけで心地よく感じられるそうです。また、広い空の高い空間を「イーストデッキ」でまたぐとき、抜け道というにはもったいないくらいの爽快感が。ぜひ使ってみたい抜け道です。

新宿駅をダンジョンと捉えた場合、この7つの抜け道をマスターできていれば、かなり把握ができていることになるようです。毎日通勤などで新宿駅を使っている人は攻略できている道かもしれませんが、それ以外の人はこれらをチェックしておくと便利でしょう。

新宿駅の複雑な構造に興味があり、新宿駅の謎を解きたい人はぜひ手にとってほしい本だと思います。

(文/齊藤カオリ)

 

【参考】

田村圭介、上原大介(2016)『新宿駅はなぜ1日364万人をさばけるのか』SBクリエイティブ

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