こんにちは、深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。
私は仕事柄、多くの企業から社員研修のご依頼をいただきます。そのような研修の場では、参加者のみなさまからたくさんのご質問をいただくのですが、実はそのなかでとても多いもののひとつが「グラフ」に関することです。
■グラフの正しい選び方とは?
「たとえば会議資料などをつくるとき、何グラフを使えばいいのか迷うんです」
もしかしたら、みなさんにも思い当たる節があるかもしれませんね。
そもそもグラフというものは、伝えたいことがあるから使うものです。ですから、何グラフを使うべきか迷われたときは、この基本に立ち返ってください。
「伝えたいことは、なんだ?」
それが決まれば、必然的に使うグラフも決まります。
たとえばある会社の従業員は男性が34人、女性が146人だとしましょう。この数字を使ってグラフをつくるとき、ただ漠然とグラフ化してはいけません。
グラフを使うということは、なにか伝えたいメッセージがあるはずです。そのメッセージが伝わりやすくなるようなグラフを選択しましょう。
たとえば、次のようなメッセージの場合。
「女性従業員の人数は男性の4倍以上です」
「従業員のおよそ2割が男性です」
伝えたいメッセージが変われば、それにあわせて使うグラフも変わります。
前者は人数の大小を伝えたいので、大小を表現できる棒グラフを選択。後者は「2割」を伝えたいので、シェアを表現できる円グラフを選択しましょう。
■伝えたいことでグラフを選ぶ
「何グラフを使えばよいかわからない」というのは、たいていが「なにを伝えたいのかが決まっていない」ケースです。
特に伝えたいことがないときはどうすればいいか?
簡単です。グラフにする必要などないのです。もっといえば、そのデータ自体、見せる必要などありません。なぜなら、そのデータにはメッセージがないのですから。
みなさんは、そのデータでなにを伝えたいのでしょうか?
どうか、データをグラフ化する前に少しだけ自問自答してみてください。そうすれば見違えるほど、資料は見やすく、わかりやすいものになりますよ。
(文/深沢真太郎)
【参考】
※ビジネス数学の専門家 深沢真太郎 〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube
※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社