小さな愛情表現が意外と大事!1日の充実感が変わる時間の使い方

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2016.04.17

suzie.20160417

時間を効果的に使うことはなかなか難しいだけに、時間管理についてモヤモヤした気持ちを常に抱いている方も多いはず。

そこでぜひご紹介したいのが、『世界で一番シンプルな時間術[新装版]』(マリオン&ヴェルナー・ティキ・キュステンマッハー著、佐伯美穂訳)です。

著者の一人であるヴェルナー・ティキ・キュステンマッハーは、プロテスタントの牧師であると同時に、イラストレーター、作家としても活動する人物。そして共著者のマリオンは彼の妻です。

そんなふたりが2006年に発売した本書は、以来10年間にわたり支持され続けてきたロングセラー。そして今回お目見えしたのは、そんな名著をコンパクトサイズにした新装版です。

タイトルから想像できるとおり、テーマは時間と上手につきあうこと。「いま、この瞬間」を生きていることを、純粋な気持ちで楽しむためのアイデアが紹介されているわけです。

だから、ここに書かれていることを実行すれば、ゆったりとして満ち足りた気持ちになれると著者はいいます。

やるべきこと、やりたかったことはたくさん。だから実際のところ、1日中あわただしく動きまわっていた。

にもかかわらず、その日の終わりに1日を振り返ると、きちんと達成できたことがひとつも見つからなかった……。

そんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? 著者も、そんな「収穫ゼロ」の日は誰でも経験するものだと認めています。

とはいえ、「みんなもそうなんだ」と満足してみたところで進歩はありません。そこで意味を持つのが、“時間の上手な使い方の4つのコツ”を取り入れること。そうすることで、1日の充実感はまったく変わってくるというのです。

■1:短時間でも運動する時間をとる

やらなければならないことがたくさんあって、時間がまったく足りない。そんなとき、時間を得るために多くの人は、ランニングやフィットネスジムに行く時間を削ってしまうと著者は指摘しています。しかしそれは、もっともやってはいけないことなのだとか。

体を動かして心拍数を上げると、必ず気分はよくなり、「やった!」という達成感も味わうことができるもの。しかも時間をかける必要はなく、たった30分で十分だといいます。それだけで、その後の時間もずっと、充実した気分で過ごすことができるわけです。

また短時間の運動をすることには、判断力が向上するというメリットも。その結果、「重要なことと、そうでないこと」がはっきり見えてくるというのです。いいかえれば、運動することで「時間を上手に使う能力」が高まるということ。

しかも定期的に体を動かしていれば、疲れにくい体質になり、頭痛や風なども予防することが可能。良い体調で集中できるようになり、充実した時間が増えるといいます。

■2:毎日、計画する時間をとる

「イライラした気分だ」「集中できない」「やる気が湧いてこない」などと感じるなら、仕事を続けず、いったんその場から離れてしまうといいのだとか。

そして5分程度、その日の仕事について「やるべきことはなにか?」「やり終えたいことはなにか?」「達成したいことはなにか?」と考えをめぐらせ、計画してみる。それが、時間の効率化にとっては大切だという考え方。

ちなみに著者のいちばんのおすすめは、1日の計画を考える短い時間を、1日のはじまりの習慣とすることだといいます。

■3:机の上を片づける

机に向かっているのに集中できないというときは、机の上を片づけて、余計なものをどかしてしまうのがいいそうです。

とはいっても、大掃除になってはいけないといいます。あくまで片づける場所は机の上だけ。時間も短く区切り、ちょっとだけ瀬尾入り整頓をするということです。

目的は、集中すべきこと以外のものが、目に入らないようにすること。

自分の目の前に「これだけをやる」と絞った仕事に必要なものだけを置くようにすれば、気が散ることも少なくなるわけです。

■4:小さな愛情表現をする

友人や恋人、妻や夫、両親や家族など、大切な人に感謝と愛情を伝えることは、つい先送りにしてしまいがち。

しかし著者はこのことについて、「愛情とは、植物のようなものだ」と記しています。普段は放っておいて、1年に1回、ゴージャスに水と肥料をあげても効き目はないということ。

こまめにやさしい気持ちを注がないと、いつの間にか枯れてしまうわけです。だからこそ、ほんの少しの気遣いをすることが大切。

コツは、堅苦しく考えず、「相手のちょっとした望み」を叶えること。

このように、著者の主張はいたってシンプル。しかし考え方のひとつひとつは理にかなったものであり、上記の「小さな愛情表現をする」のように、一見すると時間管理には関係がなさそうにも思えることにもあえて注目。そこから、本質を見事に引き出しています。

だからこそ、読んでみればきっと「忘れかけていた多雪なこと」を思い出せるはずです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※マリオン&ヴェルナー・ティキ・キュステンマッハー(2016)『世界で一番シンプルな時間術[新装版]』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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