貯金額が2000万円でも不安な時代に公務員が年金を増やす方法

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2016.04.22

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いま、老後の蓄えに不安を持つ人が増えています。

貯金があればその不安が和らぐのかといえばそんなことはなく、総合マーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングが全国の60歳以上の男女1,000人を対象に行ったアンケートでは、貯金額「2,000万円以上」の人が26.3%もいるのにもかかわらず、「1か月に自由に使えるお金の平均額」については全体の過半数にあたる53.8%が「3万円以内」と答えています。

2,000万円といえば、退職金があり年金も自営業者よりも多めに受け取れる会社員や公務員ならば、最低限これだけ蓄えておけば安心ともいわれる金額です。

なかでも、これまで安定の代名詞のようにいわれることも多かった公務員の間に不安が広がっています。

それには理由があります。これまで公務員に適用されてきた、国民年金プラス「共済年金」「職業加算」の年金制度が昨年、大きく変わったのです。

そこで、節約アドバイザーのヨースケ城山さんに、公務員が年金を増やす方法について伺いました。公務員の方、公務員を目指す若い方は必見です。

■1:新たな制度「年金払い退職給付」で年金を増やす

平成27年10月、職業加算が廃止され、共済年金が厚生年金に統合されました。

「職域加算」とは、公務員の年金の“3階”に当たる部分。すべてが終身年金でその分の保険料(掛け金)はなし、という魅力的なものです。

しかし、それゆえに官民格差を指摘する声も多く、今回の廃止に至りました。これから受給できるのは、統合前の期間(平成27年9月まで)をもとに算出された分のみ。27年10月以降に公務員になった人は、受け取ることができません。

「えっ! 急に3階が2階になってしまうの?」と驚いた公務員の方もいるかもしれません。じつは、そのかわりに新設された制度があります。「年金払い退職給付」です。

年金払い退職給付はすべての公務員に適用されます。半分が終身年金で、もう半分は支給期間が10年または20年(一時金に変更することも可能)の有期。ほかの年金と同じように、自分の保険料を積み立てて退職後に受け取る積み立て方式となります。

すべての公務員に適用されるので“増やす”という観点からは外れますが、半分が有期であるということも併せて、よく頭に入れておくことをお勧めします。

■2:公務員もOKになった「個人型確定拠出年金」で年金を増やす

もうひとつ、公務員の年金に関する大きな制度改革があります。

平成29年1月から実施される年金制度改正で、企業年金加入者(一定の条件あり)や公務員、第3号被保険者(専業主婦等)も「確定拠出年金(個人型)」に加入できるようになるのです。

といっても、専業主婦(主夫)の場合は所得控除できるほどの所得がない方がほとんどで、あまりメリットは大きくありません。この制度改正でメリットを得るのは、企業年金加入の会社員、そして公務員です。

公務員の場合は、年額14.4万円まで確定拠出年金(個人型)に拠出できるようになります。

「少額ですが、これにも加入するとしないでは大違いです。職域加算が廃止となり、年金払い退職給付の半分が有期年金となったからこそ自分で年金を作るという発想が必要となってきます」と城山さん。

確定拠出年金は60歳から受け取れるため、60歳で退職した後の収入源にできるのも魅力です。

■3:会社員以外でも加入できる「財形年金貯蓄」で年金を増やす

財形貯蓄は、給与からの天引き(賃金控除)で行う貯蓄制度。「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つがあり、会社が社員の給与から毎月一定額を天引きし、これを財形貯蓄取扱金融機関に払い込むものです。

「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」合わせて元利合計550万円までが非課税となるなど、税制上のメリットも見逃せない財形貯蓄ですが、じつは公務員も利用できるのです。

財形貯蓄が適用される“勤労者”の条件は「勤労者=事業主に雇用される方すべて」。労働基準法が適用されない国家公務員・地方公務員・船員の方も含まれます。

55歳未満であれば利用可能で、毎月の給料や夏・冬のボーナスから天引きで、5年以上の積み立てが条件。受け取り期間は満60歳以降5年以上20年以内です(保険商品の場合、終身受け取りもできます)。

積み立て終了から年金受け取り開始まで、5年以内の据え置き期間を設定することも可能。

「60歳以降に少しでも生活費が欲しいという方は検討しておいた方がいいでしょう。年金が支給されない60歳から65歳までの期間の自分への“仕送り”と考えれば、加入するメリットは充分です」と城山さん。

年金は“自分でつくる”時代になりました。公務員も例外ではありません。

「月1万円」でも、働いて収入がある今と退職して収入源がなくなってからでは、その価値は大きく変わってきます。老後に使えるお金を少しでも増やすために、いま、行動を起こすことが大切です。

(文/よりみちこ)

 

【取材協力】

※ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

 

【参考】

シニアのお金に関する調査―株式会社ネオマーケティング

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