実は43%が偉い人を上座に案内できていない!席次マナーの基本

  • LINEで送る
2016.04.23

shutterstock_408505261

新入社員研修も一段落、各企業ではそろそろ新人が配属されてくる時期になりました。

フレッシュな彼らを見ていると気持ちが新たになって、自分が新人だったころのことを思い出す人もいるのではないでしょうか。

研修でビジネスマナーを習いたての新入社員と一緒に、ビジネスマナーを再確認するのもいい機会です。

たとえば、相手との関係を座席や立ち位置で表現する「上座・下座」など、どれだけおぼえているでしょうか。または、どれだけ実践できているでしょうか。

『マイナビニュース』の調査では、「打ち合わせのとき、席次に気を使う」というビジネスマナーを実践しているか否かの質問に対して、「実践している」と答えた人は 56.7%、「実践していない」が43.3%で、実践できている人は約半数にとどまりました。

そこで、最大手の人材教育会社で、数社の新入社員が合同で参加して行われる80人規模の新入社員研修公開コースを8年にわたって担当している、研修講師の鈴木さんに教えていただきつつ、基本的なことから確認してみましょう。

■もっとも偉い人は3人掛けのいちばん奥に

まずは基本中の基本。応接室での座る位置について確認しましょう。

応接室は3人掛けの長ソファ1つと1人掛けのソファ2つ、そしてテーブルで構成されていることが多いと思いますが、目下の者は1人掛けのソファに掛けるのが基本です。というより、入り口のドアからいちばん遠い席が、いちばんの上座だと覚えるといいでしょう。

1

「つまり、入り口にいちばん近い席が、いちばん目下の者の席。万が一のことがあって入り口から暴漢が入ってきたときに、えらい人がいちばん入り口から遠い席にいれば、目下の者が守ることができる、というのがその根拠とされています」(鈴木さん)

なるほど。では、円卓の場合はどうしたらいいのでしょう?

「円卓の場合も同じ考え方です。入口からいちばん遠い席が最も上座で、入り口にいちばん近い席に最も目下の者が座ります」(鈴木さん)

2

■5人乗りで3人乗りでも「ルールは同じ」

続いて、車のシートにおける上座・下座です。これも新入社員研修で習った記憶がある人は多いのではないでしょうか。

運転席の後ろがもっとも上座で、助手席がいちばん下っ端の席でしたよね?

「はい、それが基本です。5人で乗る場合でも、3人で乗る場合でも、基本はその形です。ただし車のシートは基本ルールに縛られることなく、相手を思いやる心を大切にして柔軟に考える必要があります」(鈴木さん)

タクシーなどのように、外部の運転者がいる場合は運転手の後ろ、つまり、左側から乗った場合の後部座席のいちばん奥がいちばんの上座。「入り口からいちばん遠いところ」と考えると、これも応接室での上座下座と同じルールと言えそうですね。

3

しかし、たとえば取引先の車で送迎してもらうときなどに、本来上席に座るはずの方が運転するというケースもあります。そんなときは、助手席にいちばん目上の方が座る、ということも、新入社員研修ではよく話題になります

「そういった基本を押さえたうえで、さらに柔軟になっていただきたい、というのが最近のビジネスマナーの考え方です。たとえば、もっとも上位の方が高齢で足が悪いという場合はどうでしょうか。上位席だからといって、運転手の後ろの席まで進んでいただくのは大変そうですよね」(鈴木さん)

確かに。ではそんなときにはどうしたらいいのでしょう?

「乗り降りが楽なように入り口近くにお座りいただきたいときは、代わりの者が奥に入ることになります。その際にひとこと『お先に失礼します』と断ってから進めば問題ありませんよ」(鈴木さん)

教科書通どおりの規則に縛られることなく、こうしたさりげない思いやりを表すことこそがマナーの基本である、と鈴木さんは強調しています。

■偉い人をエレベーターにご案内するとき

最後に、エレベーターでの上座・下座を確認しましょう。

「基本は、操作盤の前に最も目下の者が立ち、その奥に目上の方が位置取ります。操作盤が両側にある場合は、基本的には、右側の操作盤の前がいちばん目下の場所とされています」(鈴木さん)

ところで、エレベーターに乗り込む順序でいつも悩んでしまうのですが……。

えらい人に先に乗ってもらうのが正しいのでしょうか? それとも、自分が先に乗ったほうがいいのでしょうか

「これには様々な説があるのが現実ですが……」と前置きしたうえで、鈴木さんは、実際に研修でレクチャーする際に根拠としている説を話してくださいました。

「実はこれも、いちばん偉い人を最も安全な場所にご案内する、という考えで解決します。エレベーターは、宙づりの不安定な箱と考えます。その不安定な場所に、お守りするべき上座の方をお一人にするのは危険です。

目下の者が先に乗って安全であることを確認したのちに、目上の方に乗っていただく、というのが基本です。降りるときも、目上の方に先に降りていただいてから最後に目下の者が降りるようにします」(鈴木さん)

4

「上座・下座」については、基本的な考え方がわかればあとはそのバリエーションと考えてよさそうです。いざというときに困らないように、マナーの基本をおさらいしておくといいかもしれませんね。

(文/宮本ゆみ子)

 

【参考】

どの位気にしてる?「打ち合わせの上座と下座」現場のビジネスマナー-マイナビニュース

関連記事