全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。
いま、日本の少子高齢化はまったく歯止めのきかない状態ですよね。
国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の老年人口割合は、2010年に2,948万人、2012年には3,000万人を超え、2020年には3,612万人へと増加する見込み。
2013年の時点で割合は25.1%と、すでに4人に1人を上回っている状況です。
ただ、高齢者のみなさんの「いつまでも若い自分でいたい」という気持ちや、アンチエイジングの技術向上などもあり、大変若く生き生きとした方が多い印象ですね。
そんな高齢者で気になるのはやはり「認知症」や「ボケ」の問題。「いくら若々しくても、「脳」の老化は避けられないのでは?」と思っている方も多いと思います。
そんななか、「脳は老化なんかしない。きちんと鍛えれば100歳でも成長する」と説くのは医学博士で「脳の学校」代表の加藤俊徳先生。
加藤先生の『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』(あさ出版)が27万部突破の大ベストセラーとなり、“第2次脳トレブーム”が到来しました。
脳を8つの番地(エリア)に分け、それぞれが自分の足りない部分を鍛えれば脳はいくらでも成長するという考え方で、思考系/感情系/運動系/聴覚系/視覚系/伝達系/理解系/記憶系の8番地に分かれます。
いわゆるパズルや数式を解く従来の脳トレとは違い、「植物に話しかけてみる(感情系)」「利き手と反対の手で歯みがきをする(運動系)」など日常ですぐにできるお手軽脳トレメニューになっていて、それも大変ウケています。
そこで今回は加藤先生に、「ラーメン屋でできる簡単な脳トレメニュー」を伺ってみました。ラーメンを食べながら脳トレができるなんて夢のよう! 早速見ていきましょう。
■1:店主さんに話しかけてみる
ラーメン屋さんに行っても無言でお店に入って、「ごちそうさま」もなくお店を出て行くお客さんが多く見られます。
なんだか寂しいなと思いますが、店主さんに話しかけるのも伝達系脳番地を鍛える脳トレになるんだそう。
「どうやって顔をおぼえてもらうか?」とか「おいしい食べ方を聞いてみよう」とか、いろいろ考えて話しかけてみては? ただし、店主さんが忙しそうなときは遠慮するようにしましょう。
■2:あえて店主さんの目の前に座ってみる
カウンターが空いているとどうしても端っこの方に座ってしまうものですが、たまには店主さんの目の前に座ってみましょう。
プロの人がどうやってつくっているか、じっくりと見てみると観察力がつき、視覚系脳番地が鍛えられます。「この店、どんぶりを温めているな」とか「味玉をヒモで切っている!」とかいろいろ発見があって楽しいですよ!
■3:トッピングを工夫してみる
ラーメンを自分好みの味にアレンジするのも、いい脳トレメニュー。理解系/思考系脳番地が鍛えられます。
はじめはもちろんそのまま食べていただきたいですが、途中で「味変」してみるのもラーメンの楽しみ方のひとつ。
横浜家系ラーメンではニンニクに豆板醤にお酢、博多ラーメンには紅ショウガにニンニク、辛子高菜など、定番の卓上トッピングもおなじみですね。
ただし入れ過ぎは、味が壊れてしまう場合があるので注意してくださいね。
■4:食券機でちょうど1,000円にしてみる
食券機で買うときに、ちょうど1,000円になるように計算する脳トレ。思考系脳番地が鍛えられます。加藤先生も昔、アメリカでお金がなかったころ、1日ちょうど10ドルで過ごす工夫をされていたそうです。
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脳トレと聞くとなんだかハードルが高そうですが、身近にできる脳トレって意外とたくさんあるんですね。脳の老化が気になる方は、ぜひ試してみてください!
(文/ラーメンミュージシャン・井手隊長)
【取材協力】
※加藤俊徳・・・発達脳科学・脳機能生理学・脳画像MRI・脳機能計測の専門家。小児科専門医。医学博士。株式会社脳の学校(KATOBRAIN Co.,Ltd.)の創業者。
現在は、ヒトの脳研究者、医師として活動する傍ら、脳の学校の代表を務め、MRI脳個性鑑定、おとなと子どもの発達障害の診断と支援サービス、脳科学研究の支援事業、脳科学情報の提供、脳商品開発事業に従事している。
『脳の強化書』シリーズほか、著書多数。
【参考】
※脳の学校