定番のソース味だけでなく、塩味やあんかけ、カレー風味など、意外とバリエーション豊富な焼きそば。自宅で簡単につくれて、お祭り屋台やB級グルメ界での定番でもある、庶民の味の代表選手です。
しかし、食べたあとになんとな~く後ろめたい気持ちになったことはありませんか? そう、焼きそばは高カロリーな麺料理のひとつなのです。
そこで、管理栄養士の望月理恵子さんに、カロリーが高い焼きそば料理トップ10を伺いました。200gあたりのカロリーで比較してみましょう。
■10位:かた焼きそば(246kcal)
麺のパリパリした食感がクセになる、かた焼きそば。ファミリーレストランなどでもよく見かける、ファンの多い一品です。
数字を見ると意外にも低カロリーで驚きますが、これは蒸した麺を使い、少ない油をひいたフライパンでこんがりと焼いた場合。揚げ油に浸してからりと揚げると、麺が油を吸うためカロリーもアップ。さらに、市販されている揚げ麺を使うと、1人前650kcalほどになってしまいます。
自分でつくれば、あんにも魚介類や野菜、きのこなどのヘルシーな具材を増やすことができ、グッとカロリーが抑えられます。
■9位:五目あんかけ焼きそば(306kcal)
10位のかた焼きそばと同様あんかけになっているうえに、肉や海鮮・野菜など具材が多いため、一皿あたりのボリュームが大きめ。1人前にすると500gほどあり、750kcalほどになることも。
あんかけ料理は自分で工夫してつくればカロリーが抑えられるので、肉を豚ではなく鶏肉に変えたり、きのこをたっぷり使ったりしてみましょう。とろみを抑えることでも、カロリーは低くなります。
■8位:塩焼きそば(324kcal)
ソース焼きそばは味が濃くて苦手……という方にも受け皿を用意しているのが、焼きそばの懐の深さ。あっさり風味で野菜も食べられる塩焼きそばは、ヘルシー志向の方にも人気。
ソース焼きそば同様、豚肉ではなく鶏肉を使ったり、キャベツ、玉葱、ネギ、ピーマンを多くしたりしてカサ増しをすればカロリーダウンに。塩味は魚介にも相性バツグン。肉の代わりにシーフードミックスなどを使えば、さらにヘルシーになります。
■7位:ソース焼きそば(334kcal)
定番のソース焼きそばは7位。ササッとつくれる手軽さも魅力で、手づくりならカロリー控えめで食べることができます。
具材でのカロリーの落としどころはやはり肉。豚バラではなくロースやソーセージにしたり、肉ではなく海老やイカなどシーフードを使ったりすれば、カロリーは大幅にダウンします。
さらに、炒めるとしんなりするキャベツや玉ねぎを多めに使い、焼きそばの素パウダーは使わずに控えめな量のソースで味つけすれば、屋台よりもグッとヘルシーなソース焼きそばが一丁上がりです。
■6位:そばめし(345kcal)
ソース味で麺とごはんを一緒に炒めるそばめしは、ボリュームたっぷりで子どもから大人まで人気のメニュー。もっちりした麺とパラッとしたごはんの食感も楽しいですね。
ですが、熱量的には注意が必要。中華麺とごはんという主食同士の組み合わせで炭水化物が多め。麺とごはんのカロリーだけで、カロリーは1人前350kcal以上。具材や調味料も含めると約700kcalになります。
麺とごはんを合わせて120gほどに抑え、野菜の具材を多くして補えば、カロリーは大幅に減らせます。
■5位:カレー焼きそば(360kcal)
いつものソース味にはちょっと飽きた、というときにも食べたくなるのがカレー焼きそば。ごちそう感もあり、スパイシーさもこれからの暑い季節にはたまりません。
注意したいのはカレー粉。油も多いカレールウを使うと、その分カロリー高めに。ルウではなくパウダーのものを使い、皮を外した鶏肉を使うなど工夫をすれば、カロリーダウンになります。
■4位:イタリアン(395kcal)
イタリアンは、新潟市周辺で愛されているご当地メニュー。もちもち太麺にベーコンやひき肉とキャベツ、もやしなどを合わせてウスターソースと粉チーズで味つけし、トマトソースをたっぷりかけたもので、肉にチーズに調味料とカロリーが上がりがちな顔ぶれがそろっています。
上掛けするトマトソースには、ケチャップではなく出汁とトマトソースを使うとよりヘルシーに。具のベーコンをロースハムに代えるのもおすすめです。
■3位:キムチ焼きそば(420kcal)
食欲が落ちがちな夏には、キムチの酸味と辛さが強い味方。もったりしがちな焼きそばも、キムチ味ならさっぱりいただけます。
ただ、豚バラ肉を使うことが多く、カロリーもやや高め。キムチに合わせるのは豚肉がベターですが、バラではなく、豚ロースを使うだけでもカロリーダウンに。肉は少なくし、もやしやたまねぎを多くすると、もたれにくくなります。
■2位:焼きそばパン(424kcal)
シンプルでありながら、飽きずに食べられるのが焼きそばパンの魅力です。スーパーのお惣菜コーナーにも必ずといっていいほどありますし、学生時代の購買部のイメージが郷愁を誘う一品でもあります。
しかし忘れてはいけないのは、主食(パン)+主食(麺)で炭水化物の要素が多い点。パンと麺だけで1人前300kcal弱になります。
自宅でつくるなら、コッペパンではなくライ麦パンにすれば、ややカロリーダウン。焼きそばの麺の量を減らし、キャベツや紅ショウガなどの量でカサ増しするのも一計です。
■1位:宇都宮焼きそば(510kcal)
ご当地焼きそばとして人気の宇都宮焼きそばがナンバー1に。特徴はなんといっても、もっちりとした太麺。割りばしほどの太さの麺を提供する店もあります。
麺じたいに重量があり高カロリーになりがちな上、太麺がソースとよく絡み、さらにカロリーアップ。トレードマークの目玉焼きも、1つ載ると80kcal程度プラスされます。
キャベツやたまねぎなどの具材を大きく切ることで、よく噛んで食べることができ満腹感が得やすく、カロリーダウンにつながります。
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手軽につくれるのが焼きそばの魅力。カロリーダウンのポイントは具材の選び方です。肉は控えめに、野菜をたっぷり入れれば不足しがちな食物繊維を補うことにもつながります。
この機会に、工夫しだいで低カロメニューにもなる焼きそばを極めてみてはいかがでしょう?
(文/よりみちこ)
【取材協力】
※望月理恵子・・・管理栄養士、サプリメントアドバイザー、ビタミンアドバイザー。調剤薬局、サプリメント会社に勤務後、独立。強制・禁止などの指導ではない“楽しく自然に身に付く栄養カウンセリング”と、アンチエイジングクリニックや皮膚科などで美容・肩こり・冷え・眼精疲労など“健康な人にもおこりうる悩みに対してのカウンセリング”を得意とする。現在は、健康検定協会を運営しながら、栄養専門誌など、幅広い媒体で執筆活動中。