全部足すと365!知っているようで知らない「トランプ」の雑学

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2016.05.07

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いま、Instagramで「トランプラブレター」が流行しています。

これは、トランプのカード1枚に1つずつ恋人の好きなところを書きこんでいき、本のように束ねてプレゼントするラブレターのかたち。

「52 Reasons Why I Love You」として海外で火がついたもので、人気歌手・西野カナさんの新曲『あなたの好きなところ』も、このトランプラブレターに着想を得たのだそう。

こうして、若者を中心に改めて見なおされているトランプですが、その数字がとても神秘的なものだということをご存じですか?

わたしたちの生活サイクルととても深くかかわる、「トランプの数字」に注目してみましょう。

■1:「枚数」は1年の週数と同じ

ご存知のとおり、トランプはハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4つのマークごとに1から10までの数字とジャック、クイーン、キングを組み合わせたもの。

ジャックを11、クイーンを12、キングを13とすれば、4×13=52枚の札で成り立っていることになります。トランプラブレターの「52」というのはこの数字。

でも、52ってどこかで聞いたことがある数字だと思いませんか?

じつは、1年を構成している「週」の数と一致しているのです。

52×7=364。これにババ抜きなどで使うジョーカーを1枚足すと365枚となり、1年の日数と同じになります。多くのトランプにはジョーカーが2枚ついているので、うるう年の366日に対応していると考えることもできます。

つまり、トランプのカード1枚1枚を1週間として、カレンダーのように使うことができるというわけなのです。

■2:「札の数字の和」は1年の日数と同じ

これだけでも十分に神秘的ですが、まだ続きがあります。

今度はカードの数字を全部足してみましょう。ジャックを11、クイーンを12、キングを13とすれば、1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13=91。

これがハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4組あるので91×4=364となります。これにジョーカー1枚を足すと365になるのです。

枚数を足すと1年の週数と同じになり、札に書かれた数字を合計すると1年の日数と一致する。トランプは1年を表しているとも考えられます。

気になるのは、これが意図された数字なのかということ。

ですが、残念ながら偶然の一致にすぎないよう。トランプの起源には諸説ありますが、12世紀の中国で誕生し、その後イスラム圏を経てヨーロッパ、そして日本へももたらされたと考えられています。

15世紀のエジプト・マムルーク朝では、4種類のマークに各13枚の札を持つカードが存在していたことがわかっています。

しかし、当時の中国もイスラム圏も1年を365日とする太陽暦を採用してはおらず、そうしたことからも、トランプが1年を表しているとは考えにくいのです。

4つのマークがハート、ダイヤ、スペード、クローバーになったのは15世紀後半のフランス以降。日本へ渡ったのはもっと後で、16世紀ごろのようです。

■3:「13か月の暦」を使う国はない

ちなみに、よりトランプのカードに近い、1年を13カ月とする暦も歴史上何度も考えられてきました。

近年では、20世紀末ごろに考え出された「ドリームスペル」と呼ばれる暦が知られています。

1年を13か月、1か月を28日とするもので、13か月×28日でこちらも合計すると364日。7月26日を1年のはじまりとし、13か月が終わったあとに「時間をはずした日」として365日目をおき、調整します。「時間をはずした日」とは、物語がはじまりそうなしゃれたネーミングですよね。

こうした13か月の暦は、1か月の日数がすべて同じ28日で計算しやすい利点があり、根強い人気があって日本でもカレンダーや手帳などが売られています。

しかし、13という数字がキリスト教徒に嫌われやすいことや、半期や四半期を計算しにくいこともあり、いまのところ採用した国はありません。

さそり座といて座の間に「へびつかい座」をおく13星座占いも、日本で一時見られましたが定着はしませんでした。奇数であり素数でもある「13」は、暦に採用するには少々無理があるようです。

枚数が1年の週数と同じで、数を合計すれば日数と一致する――わたしたちの時間感覚と不思議なかかわりを持つトランプ。

そのカードに恋人の好きなところを書きこんでいく「トランプラブレター」は、「1年じゅう、あなたのことを想っています」という言外のメッセージにもなっているといえます。

52個の「好きなところ」を考え出すのは大変ですが、それだけに受け取った側のよろこびも大きいもの。愛情が伝わる素敵なアイデアです。1週間に1個挙げていく1年がかりのプレゼントとしてチャレンジしてみるのも素敵ですね。

(文/よりみちこ)

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