仕事の時間は人生の3分の1!だから無視できない「3つの視点」

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2016.05.18

suzie.20160518

タイトルからわかるとおり、『やるべきことがみるみる片づく 東大ドクター流やる気と集中力を引き出す技術』(森田敏宏著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、地方の新設校から初めて最難関の東京大学理科三類に合格したという実績の持ち主。

そればかりか、心臓病の専門医として、東大病院の心臓カテーテル手術件数を10年間で50例から600例まで、10倍以上に増やしたのだそうです。

また、次世代リハビリとして加圧トレーニングを東大病院に導入し、いまやすっかりおなじみの加圧ブームを起こした仕掛け人でもあります。

つまり本書では、そんなキャリアを生み出すに至った「集中力」の活かし方が紹介されているわけです。

きょうはそのなかから、「仕事と向き合う」3つの視点に焦点を当ててみましょう。

■仕事で重要な3つのポイント

人によって差があるとはいえ、仕事に費やす時間は、1日24時間のうち最低でも8時間。つまり私たちは、人生の3分の1以上は働いていることになるわけです。

それだけ多くの時間を費やす仕事と真剣に向き合うということは、当然ながらとても大切。

そして著者によれば、仕事について考える際、「自分にとってなにが重要なのか」を考えるには、次の3つのポイントが大きな意味を持つのだそうです。

・お金

・キャリア

・好きなこと

(1)お金・・・いくら稼ぎたいのか?

世の中の働く人を見てみると、「特にやりたい仕事ではないけれど、お金を稼ぐために働いている」というケースが大半でしょう。

それどころか、会社に勤めることもなく、株式の売買など、投資だけでお金を稼いで生活している人もいます。

さて、みなさんが働いているのは、お金を稼ぐためでしょうか? また、「年収1000万円稼ぎたい」など、具体的な目標はあるでしょうか?

(2)キャリア・・・どんな人になりたいのか?

知識や経験を積み重ね、地位を確立することによって、収入はアップしていくもの。つまり、それがキャリアです。

では、働くことで社会的に立派な地位を確立することが、みなさんにとっては大切なことでしょうか? 「起業して経営者になりたい」など、具体的に目指したい姿はあるでしょうか?

(3)好きなこと・・・なによりも大切にしたいことは?

これは、収入や地位に関係なく、心底好きで打ち込めること。

たとえば動物が好きな人が大学を卒業し、収入のいい企業を蹴ってまで動物園に就職して働いているというようなケースもそのひとつ。

このように、なによりも優先したい、本当に好きなことがあるでしょうか?

■3つの視点で考えることが大切!

こうした3つの視点で考えると、自分にとって本当に重要なことが見えてくると著者はいいます。

たとえば著者が、東大病院で毎日のように心臓カテーテル手術を行い、患者の治療をしてきたのは、小学生のころに病気で母親を亡くしたから。そんな経験から、「医者になって多くの人の命を救いたい」と思ったことがきっかけだったのだそうです。

ところがあるとき、治療を施した患者さんがみんな元気で長生きしているわけではないことを実感したのだとか。そもそも心臓カテーテル手術を受ける人は、健康状態がよくないもの。

そこで心臓を治療するよりも、もっと前段階で、「心臓の病気にならないような健康で幸せに生きられる人を増やしたい」と思い、加圧トレーニングを取り入れた健康法を広めようと考えたというのです。

■10年後20年後をイメージする

このように、一度じっくり自分と見つめ合う機会をつくると、そこから見えてくることがあるというわけです。

いまの仕事をずっと続けた場合、続けなかった場合、10年後、20年後、定年を迎えたとき、果たしてどうなっているかをイメージしてみることが大切だということ。

著者は社会人の方から、「東大を再受験したい」という相談をよく受けるのだそうです。しかし、これもよく考える必要があると主張しています。

理由は明白で、18歳で東大を受験するのと、30歳で受験するのとでは意味合いがまったく違うから。

さらにいえば、40歳、50歳、60歳と年齢が変わるだけで、受験する意味合いもそれぞれ変わってくるわけです。

だからこそ、「それを行うことに本当にメリットがあるのか」としっかり考える必要があるということ。

ひとりひとりの目の前には、多くの選択肢があるもの。しかし、そのなかから選べるものは限られているわけです。そこで、その道を選んだとき、明るい未来をイメージできるかが重要な意味を持つことになるのです。

ここからも推測できるように、「やる気」と「集中力」を基本テーマとしながらも、視野は大きく広がっています。そのぶん、地に足のついた説得力を感じることができるのです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※森田敏宏(2016)『やるべきことがみるみる片づく 東大ドクター流やる気と集中力を引き出す技術』クロスメディア・パブリッシング

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