毎月の負担が3万円アップ!住宅ローンを短く組むとキケンな理由

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2016.06.01

suzie.20160530

『その節約はキケンです――お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか』(風呂内亜矢著、祥伝社)の著者は、これまでに3,000人以上の資産状況をヒアリングしてきたというファイナンシャルプランナー。

そんな立場から、「ダイエットと節約はとてもよく似ている」とユニークな主張をしています。

ダイエットの基本は、口に入れるカロリーより、身体を動かすカロリーを大きくすること。そして節約の基本は、出ていくお金より入ってくるお金を大きくすること。構造が同じだということです。

さらにもうひとつの共通点は「世間の噂話を鵜呑みにするとキケン」だという点。本質を理解しないままダイエットしたら、栄養のバランスが崩れる可能性があります。

節約法も、ネットや新聞で紹介されているやり方を真似するだけだと、かえってお金が貯まらないことがあるというのです。理由は、その方法の本質を見落としてしまうことになるから。

そこで本書では「キケン」という観点から節約術や考え方を捉え、よりよいメソッドを紹介しているわけです。

きょうはそのなかから、「住宅ローンは短く組むとキケン」をご紹介したいと思います。

■住宅ローンは短く組むとキケンな理由

住宅ローンを利用する際には、金利は低く、期間は短く、さらに積極的な繰上げ返済を行えば、総支払額を抑えることが可能。そのため、ローン選定時に借入期間をとにかく短くしようと考える人は少なくないでしょう。

たとえば3,000万円の住宅ローンを年利1.5%で借りる場合、35年間で返済すると総支払い額は約3,858万円。しかし25年間で返済すると、総支払い額は約3,600万円となり、約258万円の差が生まれるわけです。

これだけ違うわけですから、返済期間を短くしたくなるのも当然。でも返済期間を短くしようとすると、当然のことながら月々負担する金額は重くなります。先ほどの例で考えてみましょう。

月々の返済額は35年ローンで約9.2万円ですが、25年ローンだと約12万円。期間が10年短くなる代わりに、毎月の負担は約3万円も増えることになるわけです。

つまり、この支払い額の増加が、のちのち家計を圧迫してしまう可能性があるということ。これはかなりキケンだと著者は主張しています。

■現在と同レベルの収入を維持できる?

住宅ローンを借りるときは、現在の収入を基準に考えることが多いもの。また共働きの場合だと、妻の収入もアテにして返済計画を立ててしまいがちだといいます。

しかし考えなければならないのは、夫婦揃って現在と同レベルの収入を今後もずっと得られるとは限らないということ。

子どもができれば産休・育休を取得することになるでしょうし、子育て中は時短勤務になることも考えられます。また夫婦がフルタイムで働いたとしても、子どもが大学生になるころには学費の負担が大きくなるでしょう。

こうした問題以外に、実家の両親の介護が必要になることも考えられます。夫婦のどちらかがリストラされたり、転職を考えたりする可能性もあります。

しかも単身者であった場合は、これらの事態に自分ひとりで対応することになります。

■「短期間」にこだわってはいけない!

このように、人生には不確定な要素が数多くあるわけです。しかし住宅ローンを組んだ時点では、その後数十年の生活の変化を予想することなど不可能。

だからこそ、住宅ローンの返済期間を短くすることだけを考えて月々の返済額をギリギリまで高くしてしまっていると、いざというときに身動きが取れなくなってしまう恐れがあるということ。

それどころか、その月の生活費をまかなうために、住宅ローンよりも高い金利でお金を工面しなければならない事態になるかもしれません。

「住宅ローンの借入期間をできる限り短くする」という節約方法は、慎重に選択する必要があるわけです。

総支払い額ばかりに注目するあまり、いまの生活を苦しめることになってしまっては本末転倒。そうならないように、気をつけることが大切なのです。

もちろん、収支や支出のバランスに見合った住宅ローンを借りることが大前提。そして借りる金額が同じである場合、短い時間での返済を確定してしまわない方が、苦しまずに返済できる可能性があると、著者はいいます。

そして、そんな理由から、「短期間」にこだわらないことをおすすめしているわけです。

このように、実際の生活に密着した「キケン」を取り上げているため、とてもわかりやすい内容。ぜひ一度、手に取ってみてください。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※風呂内亜矢(2016)『その節約はキケンです――お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか』祥伝社

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