公正証書遺言が10万件突破!遺言書を書かなきゃダメな人の特徴

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2016.06.06

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「遺言の準備なんて、縁起でもない……」

「自分にたいした財産はないから、遺言なんて必要ないだろう」

特に高齢の親御さんや親戚の方には、こう考える人も多いかもしれません。

たしかに、ピンピンしているうちは自分の「死後」のことについてはなかなかイメージが湧かないかもしれません。

でも、ある日突然いなくなって、困るのは周りの人たちです。ご本人が「たいした財産などない」と思っていても、分けるのに困る財産もあるのです。そこで、「誰になにを渡すか」を事前に考えておいてもらう必要があります。

■公正証書遺言の登録が10万件を突破!

2012年に経済産業省が30代以上の一般消費者4,148名にアンケートを実施したところ、遺言書をすでに作成したという人の割合はわずか1.7%でした。

作成する意向のある人も平均で32.6%と、決して高いとはいえない数字に……。まだまだ遺言書への関心があまりないことが浮き彫りになっています。

また、過去5年以内に家族からの相続を経験した人のなかで、遺言書がなかった人の割合は8割近くにのぼりました。これでは、残された財産をどのように分ければいいのか、身内の方も困ってしまいますよね。

しかしながら、日本公証人連合会が発表したデータによると、公正証書遺言を作成する人は年々増えており、2014年には公正証書遺言の作成件数が10万を突破しました。

この背景には、少子高齢化、離婚の増加による家族の複雑化、などといったことがあげられます。財産を残すべき人に確実に財産が渡るようにしたいという意識を持った人が増えてきたようなのです。

■遺言書を書かなければならない人の特徴

では、遺言書を書かなければならない人とは、実際はどんな人なのでしょうか?以下のリストであてはまるものがあるかチェックしてみてください。

ひとつでもあてはまるものがある人は、いますぐ遺言書の準備をはじめましょう。

(1) 夫婦の間に子どもがいない

夫婦の間に子どもがいないとなると、配偶者のほか、親、きょうだいの順番に相続権が発生します。配偶者の相続分は親が相続人になる場合は3分の2、きょうだいの場合は4分の3となります。

(2) 内縁の妻がいる

いわゆる「事実婚」だった場合、内縁の妻は何十年連れ添っていたとしても法定相続人にはなりません。そのため、遺言で財産を残す必要があります。

(3) 前妻と後妻との間にそれぞれ子どもがいる

後妻には相続権ありますが、前妻には相続権がありません。しかし、前妻の子には相続権が発生します。そのため、前妻と後妻の間でモメることが予想されますので、生きているうちに財産の割り振りをどうするか考えておきましょう。

(4) 障害のある子どもがいる

自分亡きあと、障害のある子どもの将来は誰しも不安になることですよね。そのため、遺言書に記載することによりほかの子どもより多めに財産を渡すことができます。

(5) きょうだいで仲が悪い

親がおらずきょうだいが法定相続人になる可能性がある場合、仲が悪いと財産は渡したくないものです。遺言書を作成していれば、妻に100%財産を相続させることも可能です。

(6) 財産を継がせたくない子どもがいる

親のお金を無心するなどの問題のある子どもには、自分が築いてきた財産を継がせたくないものです。遺言書では、そのような子どもを相続人からあらかじめ外しておくことができます。

(7) 相続人がいない

相続人が誰もいない場合、遺産は国庫に帰属してしまいます。そのため、どこかに寄付するなど、遺産の使い道を遺言書で決めておきましょう。

(8) 相続人以外で財産をあげたい人がいる(孫や子供の婿/嫁など)

「子どもの嫁がずっと自分の介護をしてくれていた」「孫のことが心配なので孫に財産の一部をあげたい」などという場合、遺言書により法定相続人以外にも相続させることができます。

(9) 行方不明の相続人がいる

相続には、相続人全員の印鑑証明が必要になります。行方不明の相続人がいると、ほかの相続人に負担をかける場合もあるので、遺言書であらかじめ行方不明者は相続人から外しておくほうが無難です。

(10) 個人で事業をしている

事業も遺産分割の対象となり、事業を分散させてしまうと事業が継続できなくなってしまう恐れがあります。そのため、誰に事業を継がせるかを決めておく必要があります。

いまは趣味やスポーツに励むお年寄りも多い時代ですが、人生はいつなにがあるかわかりません。確実にやってくる「その日」のために、高齢の親御さんや親戚のいる方は、動けるうちにぜひ準備をしてもらってくださいね。

(文/あさきみえ)

 

【参考】

安心と信頼のある「ライフエンディング・ステージ」の創出に向けた普及啓発に関する研究会報告書-経済産業省商務情報政策局サービス政策課サービス産業室

平成26年における遺言公正証書等作成件数について-日本公証人連合会

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