社会現象ともなった『おそ松さん』は、赤塚不二夫原作の『おそ松くん』をもとにしたオリジナルアニメ。
「成人した6つ子全員がニート」という設定なので、ファンがグッズや関連商品にお金を使うことを「養う」と表現することをみなさんはご存知でしょうか。
アニメ放送終了後も人気は加速するばかりですが、実際に6つ子を養うとしたらいくらかかるのでしょうか?
住居費、水道光熱費と項目はさまざまですが、わかりやすい食費について考えてみました。算出・アドバイスをいただいたのは、ファイナンシャル・プランナーのヨースケ城山さんです。
■6つ子の食費は月52万円以上
まず8人家族の食費は、いくらぐらいで考えるのでしょうか。
「通常食費の目安に関しては1人2万円/月として想定します。父母と6つ子の8人で通常ならば16万円あれば充分です」(ヨースケさん)
食費が16万円という数字だけでもオドロキですが、大家族ですから仕方がありません。
問題なのは、6つ子の食生活。朝食こそ6人そろって自宅で食べるシーンがありますが、その他は居酒屋を中心とした外食の割合が高くなっています。おやつもよく食べていますし、嗜好品のコストが気になりますね。
これらを踏まえて松野家の食費を算出すると、なんと合計で6つ子1人あたり2,300円/日となることがわかりました!
朝食費(自宅):200円
昼食費(自宅):300円
夕食費(外食):1,000円
お菓子(嗜好品):300円
飲料代:500円
両親は外食をしている様子がないため、夕食費を自宅500円で計算します。
よって松野家での1日の食費は、2,300円×6人+1,800円×2人=17,400円。月30日計算すると、522,000円!
とんでもない金額ですよね。食べ盛りのころはどうしていたのでしょうか……。食費だけでこの金額ですから、生活費も考えると「早く働け」といいたくなりますね。
■単身世帯なら月平均5万円未満
次に、家計における平均的な食費を見ていきましょう。
家計調査報告(家計収支編)平成27年(2015年)平均速報によると、以下の調査データが出ています。
<2人以上の世帯>
年額:937,712円
月平均:78,142円
※2人以上の世帯については3人、4人、5人と増えていくごとにこれ以上の金額がかかります
<単身世帯>
年額:542,443円
月平均:45,203円
「平均とくらべて、我が家の食費はどうだろう?」と見なおしをしてみましょう。特にチェックすべきは、外食の割合です。
■食費は外食を減らして抑えよう
家計調査報告(家計収支編)平成27年(2015年)平均速報によると、単身世帯の外食費は平成25年(2013年)~27年(2015年)年で年平均142,200円、月あたり11,850円となるそう。
2人以上の世帯の場合は、平均167,203円になります。しかし、大都市圏ほどこの金額が高い傾向があるのだとか。
東京都区では年243,890円と平均を多く上回っており、家族で月2万円の外食費がかかっている計算になります。単身世帯での外食費は年平均142,200円、月あたり11,850円となるようです。
ヨースケさんいわく、家計のやりくりを考えるなら「外食回数を見なおすべき」だそう。お弁当をつくっていったり、食べ歩きが趣味の人なら、ディナーよりもコスパのよいランチにしたりする工夫もできますね。
また、アルコールメインの外食が多い場合、“家飲み”に変更するという手も。うっかり飲み過ぎ、終電を逃してしまってのタクシー代が浮く……などの効果があるかもしれません。
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松野家の食費が月52万円以上かかってしまうのは、外食回数が多いから。自宅で食事していれば、6つ子でも月16万円で済むはず。3倍以上もかかっているなんて、大問題ですよね。
しかし、アニメのなかでは行きつけの“チビ太のおでん屋”には未払い、ほとんどがツケている状態。
ということは、松野家の食費はチビ太が支えているといっても過言ではなさそうです。6つ子の父母は、チビ太に感謝したほうがいいのかもしれませんね。
(文/マチコマキ)
【取材協力】
※ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。
著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。
ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。