モノの住居費を考えるだけ!引っ越ししないで広い部屋に住む方法

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2016.06.08

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広々とゆとりを持って住みたいなら、なるべく広い家やマンションを選ぶべき――そんな固定観念をくつがえす発想で「小さい家で、ゆとりのある暮らし」を実現している人がいます。

それまで住んでいた部屋の2/3のスペースに、以前と同じゆとりを持って住み、同時に年額100万円以上も住居費をカットしたというのですから驚きです。

『3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法』(尾崎友吏子著、KADOKAWA)から、その逆転の発想を詳しく見ていきましょう。

■きっかけは90㎡の部屋からの住み替え

著者は、不動産業などを経て、現在は建築業界でパートタイムとして働きながら、夫婦で高校2年、小学6年、小学1年の3人の男の子を育てるママ。

2011年から始めたブログ「cozy-nest 小さく整う暮らし」で、小さく暮らすさまざまなアイデアを紹介してきました。そのアイデアをまとめたのが本書なのです。

じつは著者自身、以前は「家は広ければ広いほどよい」と当たり前のように思っていたといいます。その考えを大きく変え、「小さく暮らす」ことのよさに気づいたきっかけは、それまで住んでいた90㎡の部屋からの住み替えでした。

同じ広さの家は購入費が高くローンが増えてしまうこと、持っているモノをそのまま引っ越し先に持ち込めば、引っ越しの労力や費用もかさんでしまうことに気づき、発想を転換させたのです。

■小さく暮らすほうがメリットは大きい!

不動産業界、建築業界で働いてきた著者が考えたのは“モノの住居費”を算出することでした。

日本の新築マンションの1㎡あたりの平均単価65万円(2015年不動産経済研究所調べ)を基準に考えると、70㎡・3LDKの新築マンションの購入価格は4,550万円。

そのうち家具や収納スペースなど、モノの占有率の目安は1/3。ということは、モノのために1,500万円もの住居費を支払っている計算になります。

一方、モノを極限まで減らして70㎡の2/3、47㎡のマンションに引っ越せば、住スペースは変わらず、購入費用は3,000万円となります。

「モノを減らす、というと損した気持ちになりがちですが、実は『モノを減らす』ことで、実質広々と住まいながら大幅な住居費の節約になるのです」と著者。

しかも、これはあくまでも住宅の購入価格だけの計算。毎月払う管理費やリフォーム代、固定資産税、持っているモノをメンテナンスする手間や時間も考慮すれば、「小さく暮らす」ことのメリットは決して「小さく」はありません。

■モノを「劇的に減らす」2つのアイテム

本書では、衣服やキッチン収納、掃除・洗濯シーンなど、暮らしのさまざまな場面での「モノの減らし方」が具体的に紹介されています。

なかでも、一度見なおすだけでモノの専有面積を劇的に減らせるのが「大型家具・寝具」、ベッドとソファの断捨離です。

(1)ベッド→布団で2.75畳の“節約”に

ベッドの最大の欠点は「場所を取ること」。「仕方ない」「布団は上げ下ろしが面倒だし……」と目をつぶりがちですが、著者はここに「専有面積」という物差しを持ち込みます。

シングルの布団を収納するのに必要なスペースは約0.25畳。対して、シングルベッドなら周囲の動線も含めて約3畳。

家族4人がベッドから布団に替えれば、11畳=約18㎡の床面積が節約できます。1㎡65万円として考えると、その差は1,180万円。

もちろん計算上のメリットだけではありません。著者自身、リビングと隣接する夫婦の寝室は日中布団を収納し、開け放してリビングの一部のように使用。長男、次男の部屋は4畳ずつ、ベッドを置けばいっぱいになってしまうスペースを広々と使っています。

(2)ソファ→断捨離して広々リビングに

5人家族の著者の場合、全員がソファでくつろぐには最低でも2人がけのものが2台必要。テレビやコーヒーテーブルを置くと、9畳のリビングでも狭く感じてしまいます。

そこで、著者は小さい住まいへの引っ越しを機にソファを処分。居住スペースを広くすることに成功したのです。

本書では、「モノの住居費」を算出するための1㎡あたりの住居費を平均値=65万円で算出していますが、読者それぞれがいま住んでいる物件でも以下の方法で算出できます。

1㎡あたりの住居費=購入金額・家賃(万円)÷物件の総床面積(㎡)

これに、家具や収納などの専有面積をかけ合わせれば、自宅の「モノの住居費」がわかるのです。その数字に、目を見張ることになるかもしれません。

本書には、ひとつひとつのシチュエーションですぐに真似できる「小さく暮らす」アイデアが満載。

その効果を著者は「必要なモノだけが残り、『足るを知る』ことによって、『いつもなにかが足りない』というココロの穴をふさぐことができました。

家の広さやモノと引き替えに、ココロのゆとりを手に入れることができたのです」と振り返ります。「小さく住まう」よさを味わってみたい。そう思わせてくれる1冊です。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

尾崎友吏子(2016)『3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法』KADOKAWA

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