結婚式には、とにかくお金がかかるというイメージがあります。
実際、ゼクシィ結婚トレンド調査2015によると、挙式、披露宴・披露パーティにかかる平均のお金は352.7万円。そのため、結婚式を行わない“ナシ婚層”も増えています。
お祝い事だといっても、なぜ結婚式にはお金がかかるのでしょうか? ブライダル関係のプロデュースを行う株式会社メイションの奥田佑佳さんにお話をうかがいました。
■予算オーバー原因はオプション選択にあり
そもそも、結婚式・披露宴の価格は、「新郎新婦の自己負担」と「ご祝儀や親戚からのサポート」を合わせた額をベースとして設定されていることが多いとか。
結婚式のプランを見てみると、「人数に合わせていくら」というパッケージもあります。なかにはリーズナブルに感じるものもありますが、要注意。
いい例が、指定されたブランド以外のドレスを着たいなど、プラン外のリクエストがある場合。すると追加で費用がプラスされてしまい、予算オーバーになりやすいのです。
しかし、近年の経済状況などを考えると出費はできるだけ抑えておきたいところ。また、イマドキの結婚式は「自分たちで主体的に選ぶ」がトレンド。賢く、結婚式・披露宴を行うコツもありますよ。
■海外挙式なら渡航費込みで100万円前後
式を挙げる場所、滞在期間と内容にもよりますが、渡航費を含めても海外挙式は100万円前後で実現可能。カップルのみで新婚旅行をかねるというケースも多いそうです(※披露宴は行わず、海外挙式のみの1つの例です)。
海外挙式がリーズナブルな理由は、少人数で挙式、披露宴の代わりに食事会を行うから。家族や仲のいい友だちとのアットホームな時間が過ごせます。
帰国後のお披露目は、1.5次会のパーティがオススメです。会費制で行う分、ご祝儀を包むより費用もかかりません(15,000円前後が会費の目安)。ゲストにも新郎新婦にも優しいと、1.5次会は増えているそう。
■挙式・披露宴でお金がかかる演出と節約法
他にも、演出や内容を工夫することによって、費用を抑えることができます。ただし、式場により決まりがありますので、事前に相談が必要です。
(1)専用チャペルでの挙式は使用料が10~20万円ほどかかる
ゲストからは気づかれにくい点ですが、挙式を行うチャペルにも使用料はかかります。「披露宴会場やパーティの中で人前式を行うとコストダウンになりますよ」(奥田さん)。ゲスト全員から祝ってもらえるメリットも。
(2)披露宴中の演出はなるべくシンプルにしたほうがお得になる
キャンドルサービスや生演奏と演出もこだわる分、費用はふくらみます。「最近は演出を少なくして、歓談や写真撮影の時間を増やすパーティへ変わってきています」(奥田さん)とのこと。
(3)引き出物は直接お届けにすると持ち込み料をセーブできる
気に入った引き出物が見つかったけど、持ち込み料がかかってしまうというときは、会場に持ち込まずにゲストの自宅へ届ける方法もあります。パーティ後の持ち帰り、2次会がある場合はやっぱり大変。ゲストにも喜ばれます。
さて、新郎新婦のこだわりや人気の演出についてもうかがいました。
■人気のお料理はおいしくてカラフルなもの
多くのカップルが、お料理にはこだわります。おいしさのほかに写真映えする見た目、カラフルな色のリクエストが多いとのこと。
その理由は、なんとインスタグラムをはじめとしたSNSに投稿するから。ステキなお料理の写真は、見ているだけでワクワクしますよね。
他にも、費用を抑えつつアイディアが光る演出は数多くあります。
「結婚式をきっかけに、ご家族やご友人とのつながりを見なおして大切にしたいという方が増えています。たとえば、子育て卒業証書を送る“子育て卒業式”。また、新郎から新婦へサプライズのお手紙など、お金ではなく気持ちを込めるプログラムが喜ばれます」と奥田さん。
ブーケトスも“幸せのおすそわけ”として、コミュニケーションする時間へ形を変えています。ゲスト全員で紙飛行機を折り、新婦が持ったブーケめがけて飛ばすという演出も。
紙飛行機がブーケに届いた方に幸せが渡されるわけです。男女、既婚・未婚問わず参加できるため、にぎやかに楽しめますね。一体感があり、写真映えするシーンが人気です。
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結婚式は挙げて当然とされていたころと違い、現在はカップルが主体的に、式をするかしないかを選択できる時代。
大人数、新郎新婦2人きり、家族や親友たちと少人数でと予算やスタイルもさまざま。一生に一度のセレモニー、自分たちらしく過ごしたいですね。
(文/マチコマキ)
【取材協力】
※株式会社メイション・・・一流の結婚式・挙式・披露宴を適切な価格で実現する「スマ婚」ほか、各種ブライダルサービスを展開している。
【参考】