「15%引き」「40%OFF」の商品が消費者に選ばれない理由

  • LINEで送る
2016.06.12

shutterstock_322554920

こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。

今回は「%」(割合)について、コミュニケーション視点で考えてみたいと思います。

結論から申し上げると、「%」には伝わりにくいという側面があります。なぜなら「%」は、相手に考えさせる単位からです。

ひとつ、簡単な例を挙げましょう。

「2,000円の商品、今日だけ300円引き!」

「2,000円の商品、今日だけ15%引き!」

さて、値引きした金額をすぐに計算できたのはどちらでしょうか。答えはどちらも、1,700円です。でも、おそらく前者のほうが簡単に金額を把握しやすかったのではないでしょうか。

■キャンペーンでも割合より実数が使われる

このエッセンスは、商売でも活用されています。たとえば某ファッションブランドで実際に行っていたキャンペーンをご紹介しましょう。その内容とは、次のようなものでした。

「Tシャツ2枚購入すれば、安いほうを1枚無料にします!」

1枚が無料になるとは、魅力的なキャンペーンですよね。

しかし、もしこれが以下のようなオファーだとしたらどうでしょう。

「Tシャツ2枚購入すれば、お会計40%OFF!」

このブランドのTシャツは2,000~3,000円程度の価格ばかりでした。

もし2,000円と3,000円のTシャツを1枚ずつ購入するとしたら、前者の「無料パターン」ですと、3,000円+0円=3,000円。後者の「40%OFF」ですと、(3,000円+2,000円)×0.6=3,000円。

つまり、どちらでも購入金額はほぼ変わらないことになります。

でも、このファッションブランドは「無料」という概念でキャンペーンを設計しました。いったいなぜでしょうか?

■消費者は計算させられることがストレス!

消費者の視点で考えれば、Tシャツやショーツなんて安い商品で、「◯%OFF」といわれてもおトク感は少ないはず。「別に2枚もいらないし」なんて思われてしまうかも。

「0円(無料)」といわれて、ようやくおトクかもと思えるかもしれませんね。

また、ビジネス数学の専門家としての視点で考えると、一部を除き、ほとんどの人は「計算させられること」に強いストレスを感じます。

「◯%OFF」よりも、「1枚は0円」と伝えてくれたほうがはるかに気分いいし、スッと頭に入ってくるのです。

■苦手な人のインサイトを考えることが大事

たかが「%」の計算。小学生の算数です。数字に強い人ほど、「そんなところまで考慮してコミュニケ−ションを考えなければならないのか」と思うかもしれません。

しかし実際は、「%」の計算ができない、またはピンとこない人はたくさん存在します(私はそういう学生やビジネスパーソンを教育していますので、事実だといい切れます)。

数字に強いひとほど、数字が苦手な人のインサイトを想像して数字を使いましょう。

このファッションブランドでも議論があったのだろうなと想像しますが、そういう意味ではこの訴求は「正解」だと思います。

みなさんは勝負どころで、そこまで考えて数字を使っていますか?

(文/深沢真太郎)

 

【参考】

ビジネス数学の専門家 深沢真太郎 〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube

ビジネス数学ブログ

深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社

IMGP1469z

関連記事