1人でワイン50億円分を販売!現代の新たなビジネスモデル事例

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2016.06.12

suzie.20160609

『マジビジプロ ハンディ版 カール教授と学ぶビジネスモデル超入門!』(平野敦士カール著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、その名のとおりビジネスモデルについて学ぶには格好の一冊。

DeNA、楽天、アップル、LCC、QBハウス、アマゾン、facebook、インテル、クックパッド、スターバックス、ZARAなどなど、躍進し続ける企業の“儲かる理由”を豊富な図解とともに解説した書籍です。

著者は、企業で新規事業を立ち上げ、ベンチャー企業への投資を行い、近年は大学や大学院などで経営戦略やマーケティングを教えている人物。

そんな実績をベースとしながら、あくまでも平易にわかりやすいアプローチを貫いているとことが最大の魅力であるといえます。

きょうはそのなかから、「ソーシャルメディアでワインを50億円売った男」の話を取り上げてみましょう。

■ソーシャルメディアを最大限に活用!

ゲイリー・ヴェイナチェックさんは、アメリカでソーシャルメディアを利用し、1人でワインを50億円売った人物。

2006年にWinelibraryという、ワインを紹介する動画コンテンツをスタートさせ、成功を収めたのだそうです。

「ワインは好きだけど、詳しいことはわからない」という方も少なくないと思いますが、まさにそのような人をターゲットとして、ワインについてわかりやすく動画で解説したのです。

おもしろいのは、単なるショッピングチャンネルとして人気を獲得したわけではないということ。

ベラルーシ訛りで強烈に喋りまくることによって、「ワインのことならゲイリー」といわれるほどのブランドをつくることに成功したのだというのです。

ツイッターのフォロワーは、100万人近くもいるのだとか。つまり、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアと動画を連動させることによって、どんどんクチコミが広がっていったということ。

とはいえ気になるのは、なぜ50億円以上もワインが売れたのかということではないでしょうか?

■自動的に売れるビジネスモデルを構築

ソーシャルメディアの時代においては、無理に物を売ろうとしても、そう簡単に売れるものではありません。

では、なぜゲイリーさんにそれができたのか? その答えは、上記の記述のなかにあります。つまり、自身が画面に出てファンをつくり、彼らからの「信頼」を得たということ。

ゲイリーさんを見たくて動画を開いた人に対し、動画の最後でワインを紹介することによって、「自動的に売れる」ビジネスモデルを構築したというわけです。

ゲイリーさんのWinelibrary TVのビジネスモデルを5つのポイントで考えてみると、次のようになるそうです。

(1)顧客 → ワイン好きの人

(2)顧客価値 → ワインについての深い知識を動画で提供

(3)経営資源 → 動画 ソーシャルによる口コミ 知識

(4)差別化 → 強烈なキャラクター

(5)収益 → 販売益

■現代の「新たなビジネスモデル」事例

近代マーケティングの父といわれる経営学者のフィリップ・コトラー博士は、「マーケティング3.0」という言葉で知られています。

企業が広告宣伝を行い、消費者が物を買うのがマーケティング1.0。

「食べログ」のように、消費者が商品やサービスを評価することによって、人々が購買行動を起こすのがマーケティング2.0。

そして、ソーシャルメディアなどの口コミによって、消費者が企業のブランドをつくる時代のことをマーケティング3.0と呼んだのです。

つまりゲイリーさんのビジネスモデルは、まさにマーケティング3.0そのものだというわけです。

この事例は、現代における新たなビジネスモデルの可能性を示唆しているといえます。

世の中の多くの人が「知りたい」と思っていて、なおかつそれが自分の得意分野であったとしたら、それがビジネスチャンスになるということ。

ソーシャルメディアを利用して無料で情報発信ができるという利便性を、活用しないテはないということです。

女の子と著者との会話形式で話が進んでいくため、肩の力を抜いて気楽に読み進めることができるはず。

そして気がつけば、ビジネスモデルについての基礎を学ぶことができるわけです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※平野敦士カール(2016)『マジビジプロ ハンディ版 カール教授と学ぶビジネスモデル超入門!』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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