2年もブランクを空けない!世界のビジネスエリートたちの学び方

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2016.06.13

suzie.20160612

「EMBA」(エグゼクティブMBA)という名称を耳にしたことがあるという方は、決して少なくはないはず。いうまでもなく、現役のビジネスエリートが通う教育機関です。

そして『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている 一流の頭脳の磨き方』(山崎裕二、岡田美紀子著、ダイヤモンド社)のふたりの著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とシンガポール国立大学(NUS)が共同で行っている「UCLA-NUS」のEMBAの同窓生なのだそうです。

なにしろ名門中の名門ですから、クラスメイトも豪華絢爛。グローバル企業のゼネラルマネージャーやCFO(最高財務責任者)クラスから、経営者や投資家、政府関係者、医学博士までが揃っているのだとか。

ところで興味深いのは、世界のトップクラスのビジネスエリートたちが、「どのように学んでいるのか」についての記述です。というのも、彼らの「学び方」には、ビジネスを成功させる大きなヒントが潜んでいるというのです。

■異常に強い「時はカネなり」意識

彼らのスタイルを一言で表現するなら、「学びと実践を同時進行させる」ということに尽きるのだと著者はいいます。

ビジネスエリートたちにとって、「仕事をしながら学び続ける」というのは至極当たり前のスタンスだというのです。

そして、最大のポイントがここにあります。すなわち、彼らは「時はカネなり」の意識が異常なほど強いということ。

新入社員ならともかく、上に行くにつれて競争が激しくなるので、自分が停滞することに焦りを感じるものなのだそうです。

しかし使える時間は少ないので、必然的に、学びと実践が常に同時進行になるということ。

そして、そんな彼らの学び方については、「MBAとEMBAの違い」という観点から説明するとわかりやすいそうです。

■MBA取得は最低でも1年かかる

フルタイムのMBAを取得するためには最低でも1年、多くの場合は2年程度、仕事を休まなければならないのだといいます。仕事をいったんストップして勉強するというかたちになるわけです。

しかし、20代の若者なら不可能ではないかもしれませんが、すでに第一線で活躍しているビジネスエリートにとって、2年間のブランクを空けることなど現実的ではありません。

しかしEMBAの場合は、もちろん各校によって期間こそ違うもの、通常の仕事をしながら集中的に授業を受けられるというのです。

著者の通ったUCLA-NUSのEMBAは、約1年半の間に2週間のプログラムを6回受けるというスケジュールだったそうです。

授業の行われる2週間は凝縮された学びの時間が続き、宿題、課題の連続で寝る間もないほど。しかしその2週間を終えると、それぞれが学びを携え、ビジネスの現場へと戻っていくことに。

そして、それから3か月後にまた戻ってきて授業を受けるわけで、まさに学びと実践を同時進行していくスタイルだということです。

■EMBAで学んだことは即実行!

だからこそ、彼らと学んでいると、インプットからアウトプットまでのスピード感に驚かされるのだといいます。

実際、彼らはEMBAで学んだことを即座に現場で実行し、新たな成果と課題を持ってふたたび学びの場に帰ってくるというのです。

その高速反復のサイクルが当たり前になっているので、EMBAでは彼らが実践した生の事例を題材として取り上げながら、教授や講師、生徒たちと議論を重ね、さまざまな意見交換をするのだそうです。

いってみれば、学問だけでも得られず、経験だけでも得られない「自身の実体験に教授やクラスメイトたちの暗黙知を加味し、経験値と知見を倍速で得る」というサイクルを、1~2年のあいだ回転させる、ということです。

■EMBA後に収入が変わったか?

ちなみにEMBAの世界ランキングは、「EMBAへ来る前と、来た後で、どのくらい収入が変わったか」というところで順位付けされるのだといいます。

だからこそEMBAサイドも、「ここでの学びをどんどん現場で実践し、大きな成功を収めてほしい」と強く願っているのだそうです。

当然、そのためのカリキュラムが用意されており、生徒同士がネットワークを広げ、新たなビジネスチャンスが生まれるように、さまざまな工夫、考慮がされているということ。

実際に、クラス内でビジネスが生まれることもあるのだといいます。

この記述を目にしただけでも、ビジネスエリートたちの強い野心を実感することができるのではないでしょうか?

そしてこうした考え方を軸として、以後も頭脳を効率的に磨いていくためのメソッドがパワフルな筆致で展開されています。

ビジネスをレベルアップさせたい人にとっては、必読の一冊だといえそうです。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

山崎裕二、岡田美紀子(2016)『世界の最も野心的なビジネスエリートがしている 一流の頭脳の磨き方』ダイヤモンド社

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