布団に入って1分で眠れる人は危険!知られざる睡眠不足のサイン

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2016.06.13

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梅雨入りしましたね。ムシムシとした暑さは、これからますます厳しくなります。

暑くてなかなか寝つけない、夜中に目が覚めてしまうなど、夏は睡眠不足に悩まされる季節でもあります。

そうでなくとも、日ごろから忙しくて十分な睡眠時間が取れない、眠りが浅い、寝ても疲れがとれないという人も多いでしょう。

睡眠不足が続くと、日中に頭がボンヤリするだけでなく、認知症、高血圧、糖尿病、うつ、がん、脳卒中などの病気にかかりやすくなるといいます。

睡眠不足は、体にどんな影響を及ぼしているのでしょうか。

1万人の睡眠にまつわる悩みを解決してきた、快眠セラピスト・三橋美穂さんの著書『脳が若返る快眠の技術』から探っていきましょう。

■睡眠不足は認知症の発症と深い関係があった!

ひとことで認知症といっても、種類はいろいろ。そのうち、約6割が「アルツハイマー型認知症」です。

発症する原因はまだはっきりとわかっていませんが、健康な脳なら排出されるはずの老廃物である、アミロイドβタンパク質などの異常なタンパク質が脳にたまり、脳神経が壊れて徐々に脳が萎縮していく病気です。

じつは、この発症の原因となる老廃物は、眠っている間に脳から排除されていることが、近年の研究データでわかってきました。

覚醒(目覚めている)ときのゴミ収集の効率は、睡眠時のたった5%にすぎないというのです。

そのほか、たっぷりの睡眠をとると、老廃物となるアミロイドβの量が、起床後は就寝前にくらべて6%減ったという研究結果も。つまり、徹夜をしたり、睡眠不足が重なったりすれば、アミロイドβは蓄積し、脳の老化を早め、認知症のリスクが高まるといえます。

■認知症発症は20~30年前の睡眠不足から?

さらに、睡眠時間が短いと、脳内にできるすき間が1年ごとに0.59%拡大し、認知機能は1年ごとに0.67%低下するという研究発表もあります。アミロイドβは、認知症発症の20~30年前からたまりはじめると考えられています。

なお、認知症発症に関係するのは、睡眠時間だけではなく、睡眠の質も重要です。睡眠効率が悪い人は、睡眠の質がよい人の5倍以上、初期のアルツハイマー型認知症を発症する可能性が高いこともわかってきています。

ただし午後3時までに30分以内の昼寝をすれば、発症リスクを5分の1に下げられることも報告されています。

ときには無理をしなければいけない日もありますが、昼寝も取り入れながら、睡眠不足は質、量ともに解消しておきたいものですね。

■睡眠不足はがんや心臓病の原因にもなっている

睡眠不足や質の悪い睡眠は、がんや心臓病など、さまざまな病気の原因になっていることも判明しています。

現在の日本では、深夜勤務や交代勤務など、24時間常に誰かが働いています。しかし深夜勤務の女性は乳がんや大腸がん、男性は前立腺がんの発症率が高いという研究データが報告されているのです。

原因は、睡眠とホルモン分泌の関係にあると考えられています。

睡眠を促すホルモン「メラトニン」は、性ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、「メラトニン」の分泌が減少すれば、性ホルモンの分泌が増加します。よって乳がんや子宮がん、前立腺がんの発症を促してしまうというわけです。

逆に、深い眠りのときに分泌が高まるのが成長ホルモン。傷ついた細胞を修復したり、免疫力を上げたりする働きがあるので、十分な睡眠ががん予防には有効なのです。

また、毎日の睡眠時間が5時間以下の中高年は、7~8時間睡眠の人と比べて、高血圧の発症率が2倍になることもわかったそうです。

世界の睡眠時間の調査によれば、日本は韓国に次いで2番目に短い国。とくに40代女性は世界一睡眠時間が短いとか。

睡眠を大切にする習慣こそが、健康を維持し、病気から自分を守ることにつながります。

■最適な睡眠時間は年齢と共に変わっていくもの

8時間睡眠がベストなのは、じつは10代前半まで。加齢とともに、必要とする睡眠時間は短くなっていくのが一般的です。

アメリカの研究ですが、25歳で7時間、45歳で6時間30分、65歳で6時間が、必要な睡眠時間の目安。加齢とともに、短くなっていることがわかりますよね。

最適な睡眠時間には個人差があるので、平均値から外れる場合もありますが、「眠れない」とか「眠りの質が悪い」と気にしている人は、意外に寝すぎが原因だったということもあり得ます。

■豆電球をつけて寝ると太りやすいので要注意!

みなさんは寝るとき、豆電球をつけて寝ますか? それとも消しますか?

つけて寝るという人たちには少々ショッキングなのですが、なんと豆電球をつけたまま寝ると、約2倍太りやすくなることがわかったそうです。

豆電球の明るさによって、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」の分泌が少なくなり、眠りが浅くなり、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増えてしまうからです。

また、睡眠時間が短いと太りやすくなることも判明しています。平均睡眠時間7~9時間の人に比べて、6時間の人で23%、5時間の人で50%、4時間以下の人は73%も肥満になる確率が高くなったというのです。

ダイエットに挑戦するなら、まずは睡眠環境を整えることからはじめたほうがいいかもしれません。

■布団に入ってすぐ眠りに落ちてしまう人も危険

なかなか寝つけない人がいる一方、「布団に入ったらバタンキュー」という人もいます。しかし、「いつでもどこでもすぐに眠れるから、自分は健康!」というのは危険な思い違いです。

健康な人は、布団に入ってから寝つくまでに10分から20分くらいかかるのが普通。目を閉じたらすぐに寝入ってしまうのは、睡眠不足の証拠。気絶しているようなものです。

睡眠が不足すると、仕事の効率が落ちたり、ミスが増えたりしてしまいがち。4時間睡眠の場合、眠気を感じていなくても、仕事のミスは8時間睡眠の約6倍になるという研究データもあるほど。寝つきがよすぎる人は、眠りが足りないのかもしれませんね。

睡眠がいかに健康に影響しているか、知れば知るほど怖くなりますが、ぐっすり寝ることは決して難しいことではありません。夜暗くなったら寝て、朝は朝日を浴びること、日中しっかり活動して疲れることなど、快眠の基本を知り、できることから実践していきましょう。

(文/山本裕美)

 

【参考】

三橋美穂(2015)『脳が若返る快眠の技術』KADOKAWA

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