『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』(みなみ佳菜著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、これまで7,000人以上のスタイリングを手がけきたというパーソナルスタイリスト。
アメリカのアウトドアブランド「Eddie Bauer Japan」をスタートラインとして、MAX&Co.などを経て2008年にファッションレスキュー入社。プロパーソナルスタイリストとして活動したのち、10年に独立したのだといいます。
現在は、三越伊勢丹グループや六本木ヒルズ主宰のセミナー講師なども務めていらっしゃいます。
つまり本書ではそんな実績を活かしつつ、オフィスからカジュアルまで使える「働く女性のための11アイテム」とコーディネートレッスンを紹介しているわけです。
きょうはそんな本書のなかから、着こなしをワンランクアップさせるための「7つのキーワード」をご紹介したいと思います。
■1:サイズ感
どんなに似合う色やデザインでも、体のサイズに合った服でなければ魅力が半減して当然。しかし、「小さすぎ」「大きすぎ」の服を着ている人は少なくないのだそうです。
サイズ感については、「私のサイズは○号」と決めつけるのはやめるべき。表示の号数と実際のサイズはメーカーによって微妙に違うので、表示サイズに惑わされることなく、とにかく試着が命だということです。
■2:シルエット
知っておきたいのが、スタイルよく見せる4パターンのシルエット。上下ともゆるい服を着てモワッとしたシルエットになっている人も少なくはないものの、「どこを絞るか」がポイントなのだとか。
1つは、上半身・下半身ともにコンパクトにまとめる「I」型(Tシャツにスキニーパンツなど)。
2つ目は、下半身を絞る「Y」型(チュニックブラウスに細身のパンツやタイトスカートな土)、3つ目が、上半身を絞る「A」型(タイトなトップスにワイドパンツやマキシスカートなど)、そして最後はウェストを絞る「X」型(スカートがAラインになったワンピースなど)だそうです。
■3:トレンド感
「おしゃれ=トレンドに敏感でなければならない」ということではなく、大事なのは「自分の内面を正しく表現すること」。
季節ごとに移り変わる流行の色やデザインは、誰にでも合うものではなく、つまり万人に似合うトレンドはないということ。
だからこそ、「いまのトレンドは私の長所を活かしてくれるものかな?」という視点で賢く見極めることが大切だというわけです。
■4:季節感
季節をちょっと先取りするような着こなしは、それだけでおしゃれな印象を与えてくれるもの。そしてチャンスは年に2回、2月と8月だそうです。
まだ寒く、多くの人がダークカラーのコートを着ている2月に、春の息吹を感じさせる色をまとう。まだまだ夏休みの印象が強い8月に、秋先取りの着こなしをする。
そんな先取り感が、おしゃれな印象を生み出すわけです。
■5:小物使い
小物使いが苦手な人は少なくないそうですが、そんな人たちに著者がいつも伝えているのは、「まずネックレスだけあればいい」ということなのだそうです。
なぜなら、顔まわりを明るくしてフォーマル感を伝えられる小物として、優先順位はトップになるから。
そしてネックレスに飽きたり、変化をつけたくなったりしたら、同じく顔まわりを明るくする小物としてピアスやいたリングを投入。
その次に、シルエット調整もでき、アクセントにもなるベルト、さらに体温調節もできるストール。それだけで十分だといいます。
■6:抜け・こなし
「抜け感」「こなれ感」を演出するためにおすすめなのが、「アケ・まくり・まくり」のテクニック。体の上から順に、まず首まわりが詰まらないようにシャツのボタンや巻物をほどよく開けて、デコルテ部分に“抜け”を。
そして、羽織りものやシャツの袖をまくって手首を見せる。さらにパンツの裾をアップして足首を見せる。女性が美しく見えるパーツを隠さずに見せることで、抜け感が生まれるといいます。
■7:柄使い
柄ものは、気軽にトレンドを取り入れられるアイテム。著者の経験則として、目が大きくインパクトのある人は大きめの花柄や幾何学模様などの「大きい柄」、繊細な顔立ちの人は「小さめの柄」がマッチするそうです。
逆の組み合わせになると、「顔と服が合っていない」「顔が服に負けている」という印象になってしまうというのです。
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似合う色や形の見分け方から、性格チェックまで豊富な内容。もちろん着まわしコーディネートも、豊富な写真とともに紹介されています。
つまり、きわめて実践的な内容。持っておけば、日々のコーディネートに役立つこと間違いなしです。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※みなみ佳菜(2016)『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』ディスカヴァー・トゥエンティワン