300年後を見据える!松下幸之助と孫正義に見る6つの成功法則

  • LINEで送る
2016.06.16

suzie.20160616

『最強経営者の思考法』(嶋聡著、飛鳥新社)の著者は、松下政経塾2期生にして、元ソフトバンク社長室長。

つまり松下幸之助からの影響を受け、孫正義の参謀としてソフトバンクを飛躍させたという、なかなかできない体験をした人物だということ。

そして本書では稀有なキャリアをもとに、20世紀と21世紀それぞれを代表するふたりの名経営者に共通する思考法を公開しているわけです

きょうはそのなかから、第1章「松下幸之助と孫正義に見る6つの成功法則」に焦点を当ててみましょう。

■1:未来を予測し、予言する

松下幸之助がカリスマ的なリーダーとなる結果を出せたのは、自転車から電気という馬に乗り換える選択をしたから。

一方、デジタル情報革命の到来を確信したのが孫正義。そこで、綿密な調査をしたうえで、30年後のどまんなかに焦点を当てて馬に乗り、情報産業に対して確信的な姿勢で挑んでいったというわけです。

そして同じように、誰にでも乗るべき馬があるはずだと著者。しかし、乗る馬を間違えれば、未来を失うことにもなるでしょう。だからこそ未来を予測し、どの馬に乗るべきかを慎重に見定めなければならないわけです。

■2:大風呂敷なビジョンを提示する

日本は不言実行が美しいとされますが、「リーダーは有言実行でなければならない」と主張するのは孫正義。

そして公言するときは「絶対にやり遂げる」と決意し、「絶対にやれる」という自分なりの方法の見込みをつけなければならないといいます。

人は追い詰められてこそ、本当の力が出せるもの。リーダーを目指す人は、大風呂敷を広げたビジョンをつくり、公言すべきだと著者はいいます。

■3:超長期を語り、人づくりをする

遠い将来を予言する、あるいは予見するためには、過去を見てみることが大切。なぜなら物事は、過去があって現在があって未来があるから。

産業革命、工業革命がはじまったのは300年くらい前。機械や動力が生まれ、人類の生き方が変わり、パラダイムシフトが起きたわけです。

しかし、孫正義はこういってもいいます。

「これから300年間で、本当の意味での情報のビッグバンが起きるのではないか。いまはまだほんのその入口である」

「これから300年、人類はこれから人類史上最大のパラダイムシフトを体験することになる」

300年先を見通し、超長期の計画を語る。そして人づくりをしていけば、松下幸之助や孫正義を超えることができるかもしれないということです。

■4:最速で目標を達成する

著者がここで提案しているのは、目標達成までの時間を、3割短縮すること。1か月なら3週間、1年の予定なら4月からはじまって12月末には達成することを目標とするという考え方です。

重要なのは、たとえ1時間でも早く目標が達成できるように全力を尽くすこと。それが1週間、1か月、ときには1年も早く目標に到達することにつながるといいます。

そのためには、まず自分自身のやろうとすることが「いつまでにできる」と確認し、孫正義のように「なんでそんなにかかるのか」と自問することが重要。そして、自分なりの機嫌短縮の目標を決めるわけです。

■5:「思考の三原則」を身につける

著者が松下政経塾の塾生だったときに教わった「思考の三原則」とは、次のとおり。

(1)目先にとらわれないで、できるだけ長い目で見ること。

(2)物事の一面にとらわれないで、できるだけ多面的に、できれば全面的に見ること。

(3)何事によらず技葉末節(しようまっせつ)にとらわれず、根本的に考えること。

しかし現場で現実の対応に直面していると、どうしてもこの三原則の反対になってしまうものだといいます。

長期的な利益よりも短期的利益の方をとろうとし、多面的・全面的に考えず一面的に決断し、根源的な問題よりも枝葉末節な問題を重視し、その結果、飛躍できなくなるわけです。

しかしリーダーは重要な問題と対峙したとき、「思考の三原則」に常に戻り、決断し、実行しなければならないもの。

■6:成功を信じ、やり抜く

人や資金を集めるものは、リーダーへの期待感。だからリーダーは、やり抜くという「持続する意志」を持たなければならないと著者。

逆に、困難に直面すると「もうダメだ」とすぐにあきらめてしまう人がいます。でも、あきらめてしまってはそこで終わり。失敗したとしても、それは成功のための準備であると考えるべき。

成功の要諦は、成功するまで続けるところにあると信じ、持続する意志を持って成すべきを成す。それこそが、唯一の成功のコツだそうです。

実際に見聞きしたことがらを軸にしているだけに、本書での著者の主張には強い説得力があります。経営者に限らず、なんらかのリーダーであれば読んでおきたい内容であるといえます。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※嶋聡(2016)『最強経営者の思考法』飛鳥新社

関連記事