「太陽光発電アリと太陽光発電ナシ生活」本当に得なのはどっち?

  • LINEで送る
2016.06.21

shutterstock_272629133

「太陽光発電って儲かるんですか?」

これから家を購入・建築しようと検討している人から、きまって聞かれる質問です。

そうでなくとも、一戸建てに住んでいる人であれば一度は「せっかく屋根があるんだから、太陽光発電で稼げないかなあ」と考えたことがあるはず。

でも、本当に太陽光発電は儲かるのでしょうか?

■太陽光発電に注目が集まりはじめた理由

そもそも太陽発電が注目されはじめたのは、東日本大震災のときの福島原発事故以降。

輪番停電や脱原発などが理由にあげられるのでしょうが、いちばんの理由は、2012年7月に施行された、「再生可能エネルギー特別措置法」です。

この法律は、

(1)電力会社に対して、再生可能エネルギー発電事業者から政府が定めた調達価格およびその期間による電気の供給契約の申し込みがあった場合には、応じるよう義務化。

(2)制度運用に伴い電気事業者が電力の買い取りに要した費用は、原則「賦課金」(サーチャージ)として国民が広く負担する。

という、おもにこの2つが柱になっている法律。簡単にいえば、

(1)太陽光発電で発電した電力に関しては、一定の金額で電力会社は買い取らないといけない。

(2)そのかわり、買取にかかった費用は、毎月の電気料に上乗せして国民全体に支払ってもらう。

という制度です。つまり太陽光発電をしている人は、少し高値で電力を買い取ってもらい、していない人は、その買い取り費用だけを負担させられるという制度なのです。

こう説明されただけだと、やはり太陽光発電をした方がいいと感じますよね。

しかし、シミュレーションをしてみるとそれほど有利ではないことがわかるのです。

■太陽光発電をシミュレーションした結果

太陽光発電を買い取ってもらう方法は、大きく分けて、10kw未満(住宅用)の「余剰買取」と10kw以上(産業用)の「全量買取」があります。

今回は、10kw未満(住宅用)で一度どれぐらいメリットがあるのかを計算をしてみましょう。

10kw未満(住宅用)の場合買い取ってもらえる価格は、1kwh当たり31円か33円。今回は東京電力管内の31円で計算します。

一般的な住宅に搭載できる太陽光パネルは、4kw前後の大きさものが主流です。問題は、4kwの太陽光パネルで年間どれだけ発電できるのかです。

発電量は地域によっても違いますし、太陽光パネルのメーカーによっても多少の違いがありますが、全国的に平均1kwあたりの年間発電量は1,200kwh程度です。

つまり4kwであれば、年間発電量は4,800kwh。ということは、4,800kwh×31円=148,800円が年間に太陽光発電で発電できた金額になるわけです。

しかし、これはあくまでも発電金額であり、儲けではありません。10kw未満の場合は余剰電力の買取りですから、自家消費した電力は買い取ってもらえないのです。

発電量のどのくらいが余剰電力として買われていくかは、生活スタイルによって異なりますが、多くても3分の2程度だと思われます。つまり、4,800kwh×2/3=3,600kwh、3,600kwh×31円=111,600円が実際に買われる金額です。

しかし残りの1,200kwh分も使った電力から差し引かれますから、節電できたことに変わりありません。

電気料が28円/1kwhだとすれば、1,200kwh×28円=33,600円節約できたことになります。

すると、売った分の電力と節約した分を合計すると、年間に得した分は111,600円+33,600円=145,200円になりますね。

■太陽光発電をはじめるためにかかる費用

次に、太陽光発電をするためにどれだけの費用が必要なのかについて。

昔にくらべて随分安くなったといえ、1kwあたり30万円から40万円。

メーカー次第ですが、おおよそ120万円前後初期投資がかかると思われます。

そうすると、1,200,000円÷145,200円=約7年4ヶ月。つまり7年と4ヶ月以降やっとお得となるわけです。

ただし、これはあくまでも現金で初期費用を支払った場合。

ソーラーローンを使うと(金利1.5%、10年返済)金利が10万円ほどかかるので、投資の回収期間は8年程度になります。

もちろん8年以降は儲けが出るという考え方もありますが、買取りの保証期間は10年。10年後の買取り金額はどうなるかわかりません。

10年後以降も、支払っている電気代の単価程度を買い取ってもらえるのであれば、パワコンの取替費用や発電効率の劣化を考慮してもある程度得にはなりそうです。

でも、「だから太陽光発電が爆発的に儲かるのか?」と言われれば疑問が残ります。

(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)

関連記事