95%が使われていない!卵子の凍結保存に関する5つの衝撃事実

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2016.06.23

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数年前から「卵子の老化」が話題になり、それに伴い「卵子の凍結保存」にも注目が集まっています。

株式会社IBJが行った「ヘルスケアに関する意識調査」においても、20~30代の未婚女性のうち、約6割の女性が「卵子凍結保管サービスを使ってみたい」と回答。独身女性の中でも、将来の出産に備えたいという人が増えているといえます。

しかし、国内では健康な女性の凍結卵子での出産は2015年5月に初めて行われたばかり。まだまだ知られていないことも多いはずです。

そこで海外の科学ニュースサイト『Live Science』が報じた、卵子の凍結保存に関する驚きの5つの事実をご紹介します。

■1:アメリカでは卵子凍結は推奨されていない

実はアメリカでは、健康な女性が卵子の凍結保存を行うことは推奨されていません。

2012年、米国生殖医学会議(ASRM)は「妊娠を遅らせると」いう目的だけのために、卵子を凍結させることを推奨できるようなデータが十分にはないと述べました。

卵子を凍結することの安全性、効能、倫理、感情的なリスク、それに費用対効果を裏付けられるような研究が欠けているというのがその理由です。

しかし、例外として癌を患った女性など、治療の過程で生殖能力を喪失することが見込まれるような場合は、卵子の凍結保存を行って妊娠への可能性を残すことが推奨されています。

■2:凍結保存した卵子を実際に利用する女性は少ない

卵子を凍結保存しても、実際にそれを利用しようとする女性の割合は比較的少ないといいます。

カリフォルニア州にある不妊治療センターが行った調査でも、2007~2012年までに卵子を凍結保存した232人の女性のうち、95%は2015年の段階でまだ凍結卵子を利用していないということがわかりました。

その中の49人に利用していない理由を聞いたところ、16%が他の手段で子供を産むことが可能だということがわかりました。また、他に「子供を持つ準備ができていない(30%)」「独身だから(53%)」という理由が挙げられました。

■3:卵子を凍結保存しても確実に妊娠できるわけではない

卵子を凍結保存している女性の多くは、将来子供が出来なかった時の保険としてそれを利用しようと考えています。

しかし、凍結した卵子を使って確実に妊娠できるという保証はありません。ヨーロッパで行われた30歳以下のドナー提供による凍結卵子の研究の結果では、妊娠確率は31~61%。この数字は凍結保存した卵子の数と凍結時の年齢によって異なります。

また、ニューヨークメディカルカレッジとカリフォルニア大学が開発したオンライン上の計算によると30歳で15個の卵子を凍結した女性は、それを利用して30%の確率で妊娠可能だとしています。保存する卵子の数を25個に増やすと、確率は40%になります。

■4:卵子凍結は若いうちに行うのがベスト

ロッチェスター大学メディカルセンターで受精などを研究しているウェンディヴィテック博士によると、妊娠の確立は「若い卵子」を使う方が高くなり、30代後半よりも20代〜30代前半で凍結保存を行う方が効果的であるといいます。

特に38歳以上の女性の卵子の妊娠率が著しく低下する傾向にあり、38歳以上で凍結した卵子での妊娠率は10%前後であるという研究結果が発表されています。

■5:凍結卵子から生まれた子どもはまだ少ない

凍結卵子を使った初めての出産は1986年に行われました。凍結保存された卵子から生まれた子供の数に関する正確なデータはまだありません。

しかし、南カリフォルニア大学によると全世界で約5,000人の子供が凍結保存された卵子を使って生まれたと報告されています。

卵子の凍結に関しては様々な意見もあり、まだ一般的とは言い難いのが現実かもしれません。

「卵子を凍結保存しておけばいつでも妊娠できる」という過度な期待は厳禁。しかし、メリットやデメリットを正しく理解していれば、女性にとってライフプランの選択肢のひとつになるかもしれません。

(文/平野鞠)

 

【参考】

5 Surprising Facts About Egg Freezing-Live Science

妊活に関する調査レポート-株式会社IBJ

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