子どもが何か話したら最低3秒待つ!不登校の「応急処置」5か条

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2016.06.26

futoko11

いま、学校に行けない、行かない子どもが増えています。

総務省がことし3月に発表した最新の統計によると、平成26年度の公立小中学校の不登校生徒児童数は12万2,897人で、全児童数の1.21%。子どもの数が減る中、この割合は統計を取り始めた平成3年度以降、過去2番目の多さです。

なぜ、子どもたちは学校へ行けない、行かないのでしょうか。

心理カウンセラーで「不登校サポートセンターCORE」の運営も行い、多くの不登校児童に接してきた著者による『不登校は天才の卵 学校に行かない7つの選択肢』(阿部伸一著、宝島社)から、わが子が不登校になったときの向き合い方を考えます。

■不登校の多くは理由がわからない!

そもそも、20年ほど前までは学校へ行かないことを“登校拒否”と表現するのが一般的でした。

登校拒否という言葉には、いじめや友人関係をめぐるトラブルなどなんらかの理由のために、強い意志をもって「学校に行きたくない」と主張するイメージがあります。

しかし不登校児童のカウンセリングを行う著者にいわせれば、不登校状態にある子どもたちに理由を尋ねると、多くの子が「わからない」と答えるのだそう。

実際、前述の総務省統計でも「不登校になったきっかけ」としてもっとも多く挙がっているのは「不安など情緒的混乱」で29.8%、次いで「無気力」25.9%。

「いじめ」(1.1%)や「友人関係をめぐる問題」(14.5%)、「親子関係をめぐる問題」(11.0%)などを引き離しています。

著者は「誰にでも不登校になる可能性がある」と指摘します。「不登校」はいまや、すべての親子にとって無関係ではなくなっているのです。

■学校に行かなくてもいいと考えよう

では、自分の子どもが不登校の状態になったらどう考えればいいのでしょうか。

著者は「いったん『学校に行かせなきゃ』という発想から外れ、『行かなくてもいい』という発想を持ってください」といいます。

そこには、二つの意図があります。

一つは、子どものストレスを軽くすること。子どもは、親の態度や言動、表情に非常に敏感なもの。

「学校に行かなくてもいい」という気持ちを持っている親は、「行かせなきゃ」と思っている親よりもストレスがなく、表情も態度も柔らかくなります。すると子どものストレスも軽くなり、結果的に「学校に行ってみようかな」と思えることも多いのだそうです。

もう一つは、入試制度改革などの裏づけがあるということ。

地域差はあるものの、近年は高校入試システムが改訂され、出席日数を問わない入試形態が選べるようになり、小学校や中学校に出席しなくても高校や大学へ進める子どもが増えているのです。通信制や定時制など、高校自体の選択肢も広がっています。

「けっして、ひと昔前のイメージで勝手に判断してはいけません。親の正しい情報が子どもの将来を大きく左右することもあるのです」。そう著者は指摘しています。

■子どもの不登校「応急処置」5か条

とはいえ、わが子が学校に行かない状態が続けば焦ってしまうのは親として当然でしょう。そんなとき、親子のストレスを和らげ、家族関係が改善する5つの“応急処置”があります。

(1)子どもの気持ちがわかるなんて思わない、いわない

理由や原因を推測するよりも、まずは子どもの話に耳を傾けることが先決です。わからないものをわかろうとするのではなく、いま見えている状態や話してくれることなど、「わかっている」ものを大切にしましょう。

(2)世間体を脱ぎ捨て、他人と比較しない

励ますつもりでも、ほかの誰かと比較することは子どもの心を傷つけ、やる気を失わせる結果に。

他人ではなく「昨日の子ども自身」とくらべる視点を持ちましょう。子どもは「お母さん(お父さん)は私のことをちゃんと見ていてくれる」と思うものです。

(3)子どもがなにか話したら3秒待つ

子どもがなにか話しはじめたら、遮らず最後まで聞いてあげることが大切。先回りしてアドバイスしても、子どもは「否定された」と感じるかもしれません。じっくりと話を最後まで聞いてあげることが、子どもを安心させます。

(4)学校のことばかりを話題にしない

子どもと学校を結びつけて考えすぎると、子どもがなにをしているときが楽しいのか、なにが得意なのかが見えなくなります。学校から離れて子ども自身をよく見れば、隠れた才能が見えてくるかもしれません。

(5)子どもに関わらない時間を持つ

親が子どものことばかり考えてすごすことは、子どもにとっても大きなストレスに。

1日10分でも親自身が「自分の時間」を持てば、リフレッシュ効果は想像以上。親子ともに気持ちに余裕が生まれ、煮詰まった親子関係の風通しがよくなります。

副題に「学校に行かない7つの選択肢」とあるとおり、本書は「不登校でも別にいいじゃないか」というスタンスで、実情を踏まえた提案をしています。

不登校ではないきょうだいへの対応や、子どもがいじめに遭っている場合の対処法、子どもが久しぶりに登校したときの言葉がけなど、アドバイスは非常に具体的。学校という場の“いま”を知る上でも、得るものの多い1冊です。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

阿部伸一(2016)『不登校は天才の卵 学校に行かない7つの選択肢』宝島社

児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査「小中学校の不登校」―総務省

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