「夫がそこらじゅうにものを置くから片付かない」「夫が着ない服をなかなか処分しなくて困っている」など、片付けられない夫に対してイライラを募らせる女性は少なくないもの。
「30オトコの本音に向き合う」ビジネスマン向けサイト『R25』が20~30代の既婚女性200人に「これだけは許せない夫の習慣」を調査した結果でも、第1位が「衣服・靴下などを脱ぎ散らかす」、第2位が「ゴミをいろいろなところに置く」となり、「使った文具や工具などを片付けない」や「使ったバスタオルを所構わず置く」もランクインしました。
この結果に、「わかるわかる!」と思う方も多いのではないでしょうか。
『片づけられない・捨てられない夫を変えて汚部屋がキレイになりました』(まきりえこ著、扶桑社)では、物を捨てて部屋をスッキリさせたい著者が、いかにして夫や家族の協力を得られるようになったのかがコミックで書かれています。
今回は本書の中から、夫が片付けられるようになる方法をご紹介します。
■1:まずは1ヶ所だけを片付ける
著者の夫の場合、一人暮らしをしていたころはそれなりに自分で片付けていたのですが、結婚後、妻がバタバタと片付けている姿を見ると何をしていいか分からなくなっていたといいます。
しかし、あるときテレビで「トイレ掃除をすると運がよくなる」と言っているのを見た夫が、思い立ってトイレ掃除をしてみると達成感があり、自分の部屋も片付けてみようという気になったそうです。
これは、スポーツや学習などの上達法である「スモール・ステップ」を実践しているようなもの。いきなり大きな目標に挑むのではなく、乗り越えやすい小さな課題をクリアする経験を積み重ねながら、最終目標に近づいていくやり方です。
そもそも、夫は片付けが苦手なわけではなく「週末は机を片付けて、パソコンブースを作ろう!」などと楽しみながら片付けをするタイプだったのです。
それなのに妻が「あなたは片付けができない」というレッテルを貼り、一気に片付けようとするのでついていけなくなってしまっていたのです。
夫側に片付けたいという気持ちがあっても、妻のペースを押し付けられるとやる気が失せてしまうもの。妻がイライラしながら片付けている様子をみると尚更です。
片付けをするのはいいことですが、相手の性格やペースを考慮することも大切。そうすれば夫も自分から片付けるようになるはずです。
■2:夫を「中古品を売る係」に任命する
片付けられるようになったとはいえ、なかなか物が捨てられず、「溜め込み癖」が直らなかった夫。ところが、中古品を売りに行く係として家電や服を売りに行くようになってから、徐々にものを手放せるようになったといいます。
特に服は思い入れがあり、もう着られないと自分でもわかっているのになかなか捨てられないもの。リサイクルショップに売りに行き、まとめて何百円にしかならない現実を目の当たりにしたとき、もう手放そうという決心がついたそうです。
また、著者が行った「ご褒美作戦」も効果あり。「片付いたら新しい服を買っていいよ」という言葉で、夫はウィンドーショッピングをしたり、ネットで流行をチェックしたりしてワクワクする気持ちになったそうです。
ものを手放すタイミングは人それぞれ。誰かに無理強いされると、余計に捨てたくなくなってしまうこともあります。相手の気持ちが熟すまで待ちつつ、うまく提案できるといいでしょう。
■3:お互いがラクになる収納方法にする
著者は以前、衣類を引き出しに隙間無くきっちりとしまっていました。
しかし、スペースなく詰め込まれていると、次にものを入れようとしたときに入らず、他の家族にとっては使いづらいものになってしまいます。また、すぐにぐちゃぐちゃになった引き出しを見てイライラするという悪循環も生まれます。
そんな事態を避けるためには、お互いにとってラクな収納をすること。引き出しの中身に余裕を残しておけば、家族が片付けるときもどこに入れればいいのかがすぐわかります。
また、「保留用の引き出し」を用意しておくのもポイントです。どこに入れればいいか迷ったものはその引き出しに入れるようにしておけば、床などに置きっ放しのものが減り、お互いにストレスを減らすことができるでしょう。
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著者は自分一人が片付けを頑張っているときにはイライラしがちで、いつも空回りしていたといいます。しかし、ただやみくもに片付けるのではなく、家族がラクに片付けられるような空間をつくることで、夫や子供も協力してくれるようになったそうです。
他人を無理やり変えようとすれば反発が起こるもの。お互いにどんな環境で生活するのが快適なのかを考え、相手のペースも尊重しながら片付けを進めましょう。
(文/平野鞠)
【参考】