なぜ全国にコンビニの3倍もある「古墳」に女性が興奮するのか?

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2016.06.30

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3年ほど前から、古墳に注目が集まっています。ネットで「古墳 ブーム」と検索すると、NHKや日経、女性誌やまとめサイトなど、さまざまな記事がヒットします。

最近では、通販会社のフェリシモが古墳マットや前方後円墳プレートを発売したり、旅行口コミサイト・トリップアドバイザーが「口コミ古墳ランキング」を発表したりと、じわじわ広がりをみせています。

はとバスが企画した「古墳めぐりツアー」にも申し込みが殺到。お客さんの中心は、30代女性だそうです。でも、いったい古墳のどこに惹かれるのでしょうか?

そこで今回は、古墳ブームの火付け役である「古墳にコーフン協会」の副理事長・立花優子さんにお話を聞いてきました。

■じつはウルフルズのメンバーも協会会員

立花さんが古墳にハマったきっかけは、「古墳ギャルのコフィー」。鷹の爪でおなじみ、蛙男商会のアニメです。会社を辞めて暇になった時期にふとアニメを思い出し、「実際の古墳を見に行きたい」と思ったのだそうです。

そしてなんとなく、家からいちばん近い古墳(武蔵府中熊野神社古墳)に行ったところ、

「なんかもう、鳥肌がたったんですよね、ゾワゾワーっと。圧倒されるなにかを感じました」

その後、イベントで古墳シンガー・まりこふんさん(古墳にコーフン協会・会長)と出会い、意気投合。それが2013年でした。会長と古墳めぐり(墳活)を重ねるうち、いつの間にか協会員になっていたといいます。

現在、会員数は約200人。会員名簿にはウルフルズのウルフルケイスケさんや、蛙男商会のFROGMANさんの名前もあります。

■オリジナルの古墳グッズも増えている!

「最近はグッズもよく見かけるようになってきた」と立花さん。事実、雑貨・文房具メーカーが古墳グッズを多数発売しています。

また、協会員は手づくりの古墳グッズをイベントで販売しているそう。立花さんもオリジナルの古墳マグネットをつくっています。

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「とにかく、形がかわいいんですよね」

他の協会員の方もアクセサリー、ピアス、ブローチ、消しゴムはんこ、カレンダーなどのグッズを自作しているそうです。

■おすすめ1位「武蔵府中熊野神社古墳」

文化庁の調査(平成24年度)によると、古墳の数は日本全国で約16万基。都道府県別でみると、兵庫県が1位で18,841、2位は鳥取県で13,459、3位は京都府で13,089となっています。想像以上に多いですね。

形もさまざま。前方後円墳が有名ですが、ほかにも帆立貝型古墳や双方中円墳など約15種類あります。

立花さんの「推し墳」ベスト5を挙げていただきました。

[1位]武蔵府中熊野神社古墳(東京都府中市)

[2位]岩屋古墳(千葉県印旛郡)

[3位]塚山古墳(栃木県宇都宮市)

[4位]二子山古墳(群馬県高崎市)

[5位]石塚古墳(東京都国立市)

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1位の武蔵府中熊野神社古墳は「上円下方墳」で、日本で6基しか見つかっていない貴重な形の古墳です。2位はとにかく大きい「方墳」。3位の塚山古墳はつつじが植栽されていて、見た目もカラフル。

4位は保渡田古墳群の中にあり、立花さんいわく「癒し系」の古墳。5位は住宅地の端っこにあるのですが、なんと電柱が突き刺さっており古墳時代と現代のコラボが魅力的、とのことでした。

■古墳と対話をするとパワーがもらえる!

最後に改めて、古墳に魅力について聞いてみました。

「古墳って1600年前からずっとそこにあるわけですよね。その歴史って、私の人生とくらべるとめちゃくちゃ長い。そう考えると、いま抱えている悩みがちっぽけなものに思えてきて、どうでもよくなってくるんですよね。古墳と対話すると、また明日からがんばろう、ってなる。私にとってはパワースポットといえますね」

内閣府認定「考古検定」とのコラボや地方の古墳イベントへの参加、大学で「古墳にコーフン講座」をおこなうなど、古墳にコーフン協会の活動は広がっています。

ただし、協会としてはそれで儲けようという意識は一切なく、純粋に古墳の素晴らしさを広めたいという気持ちが強いそうです。

「古墳女子」というと、どこか変わった人?と思ってしまいがちですが、お話しした立花さんはいたって普通のOLさんという印象でした。

従来は古墳=考古学の範囲でしたが、現在のブームは「形がかわいい」「パワースポット」など、いままでとはまったく違う捉え方。その視点は筆者にとっても新鮮でした。

全国に16万基ある古墳。数でいえばコンビニの3倍もあるのです。まずはお近くの古墳を探してみてはいかがでしょうか。そこに新たな発見や出会いがあるかもしれません。

(文/村中貴士)

 

【取材協力】

※まりこふん・・・古墳への愛を歌いあげる古墳シンガー。2013年1月、「古墳をゆるく楽しく愛でる」をモットーに「古墳にコーフン協会」を設立、会長を務める。CDに『古墳deコーフン!』、著書に『まりこふんの古墳ブック』(山と渓谷社)、『古墳の歩き方』(扶桑社)、『奈良の古墳』(淡交社)など。

※立花優子・・・ 古墳にコーフン協会・副理事長

 

【参考】

まりこふん(2014)『古墳の歩き方』扶桑社

古墳にコーフン協会

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