10代の中絶は1日53件!グループ交際が望まない妊娠の原因に

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2016.06.30

itteha

若者の草食化が進んでいるといわれていますが、中高生の性行為経験率は上がる傾向にあります。

その結果望まない妊娠へとつながることもあり、10代の人工妊娠中絶は年間2万件近くにのぼります。これは1日に換算すると約53件にもなるのです。

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(橘玲著、新潮社)のなかで、著者は「女子校の生徒より共学の生徒の方が、望まない妊娠をするケースが多い」といいます。

それはただ単に女子校の生徒が、男子との交際機会が少ないからという理由ではなく、共学ならではの社会性が関係しているそうです。さっそくその理由を見ていきましょう。

■そもそも男女の脳には明らかに違いがある

男性と女性の脳組織には明らかな違いがあると言っても過言ではありません。

例えば、脳の左半球に卒中を起こした男性は言語IQが20%低下しますが、右半球に卒中を起こした場合は言語IQの低下はほとんど見られません。

一方、女性は、左半球に卒中を起こした場合は言語IQ9%の低下、右半球に卒中を受けた場合は言語IQ11%の低下となっています。

つまり、男性は言語を使うときに右脳をほとんど使用していないのに対し、女性は言語機能が広範囲に分布していて、左右両方の脳を使っているということがわかります。

こういった脳の機能的な違いは、興味や関心など様々な面に影響を及ぼすのです。

■男女のクラス分けで望まない妊娠が減る!

男女の脳の機能の仕組みに違いがあることにより、子どもの頃から男の子と女の子では見え方や聞こえ方、遊び方、学び方が異なります。

そのため、男女を別の学校で教育するというのはある種、自然なことであるという見方もできるのです。

例えば、モントリオール(カナダ)の低所得者地域にある共学校で、男子と女子のクラスを分けたところ欠席が1/3に減り、テストの点数は15%アップ、大学への進学率も倍になったといいます。

そして驚くべきことに、このクラス分けによって望まない妊娠をする女子生徒の数が著しく減少したのです。以前は1年につき平均15人ほどいたのが、2人ほどになったのです。

■共学の男女関係では性行為を拒否しづらい

女子校では共学校に比べて望まない妊娠をする生徒が少ないのは、以前から調査で明らかになっていました。しかし、それは女子校の生徒が男子と知り合う機会が少ないからではありません。学校内での生徒どうしの関係性にあるのです。

共学校では男子と女子はどのグループに属するかによって、付き合う相手が決まります。スクールカーストのトップのグループにいる女子は、同じ「地位」の男子と付き合うのです。

そのため、女の子に彼氏ができれば、その彼氏は彼女が所属するグループの一員となり、彼女もその男子のグループに紹介されます。つまり交際はグループ単位になり、何をするのも一緒でオープンな関係になります。

すると、彼女が彼氏にフラれた場合、それは男女のグループ全員の知るところとなり、彼女は「フラれた女」というレッテルが貼られます。それは学校での社会的アイデンティティをゆるがすことにもなりかねません。

また、男子はグループ内の他のメンバーは彼女と性行為をしているのに、自分だけがしていないとグループ内でバカにされるかもしれないと思い、彼女に執拗に性行為を迫るようになるでしょう。

そうすると、彼女にとってもグループ関係を守るためにそれを受け入れざるを得なくなってしまいます。こうしたグループ内でのプレッシャーが望まない妊娠につながることがあるのです。

一方、女子校の生徒は彼氏ができてもそのグループと付き合うことはあまりありません。共学の男女と違い、個人対個人の付き合いになるわけです。

彼氏にフラれたとしてもそれが学校内の地位に関わることはありませんし、性行為をするかどうかも自分の意思で決定できるでしょう。グループ交際は一見健全のように思えますが、実は性的な決定に対して自律性を保ちにくくなるという弊害があるのです。

日本では「男女平等」が唱えられ、同じ教育をすることが正しいと考えられていますが、実は別々に扱う方がいい面もあると著者はいいます。

本書ではほかに、「努力は遺伝に勝てないのか」「あまりに残酷な美貌格差」など、賛否両論を生むような項目が掲載されています。話題となるようなネタをお探しの方におすすめです。

(文/平野鞠)

 

【参考】

橘玲(2016)『言ってはいけない 残酷すぎる真実』新潮社

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