58%の会社員が年下上司を苦手とする時代の「年上部下」操縦法

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2016.07.01

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こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。

周囲から愛され、信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。

終身雇用・年功序列制度が崩れ、働き方にいくつもの選択肢ができた現代、「年上の部下」「年下の上司」という関係性も増えました。

とりわけ、自分が「年下上司」になる場合、自分よりも経験豊富な「年上部下」への接し方には、いっそうの気遣いが必要なのではないでしょうか。

実際のところ、エン・ジャパン株式会社が、年下上司のもとで働いた経験のある人を対象に行ったアンケート調査では、6割(全体の58%)が「仕事がしづらい」と回答しています。

おもな理由は「人の使い方が下手」「知識不足」「人の意見を受け入れない」というもの。ここから、年上部下は「知識・経験豊富な自分の能力を、正当に扱ってほしい」という潜在的な望みがあることがわかります。

では、年下上司が年上部下に接するときには、どのようなことに気を配ればよいのでしょうか。

■1:上司と部下=上下関係ではないと捉える

まず、自分が上司となったときに大切なのは「部下よりも自分が上の立場にある」という驕りを持たないことです。

チームビルディングに詳しい、コミュニケーションデザイナーの吉田幸弘氏は、著書「部下がきちんと動くリーダーの伝え方」(明日香出版社)のなかで、こう述べています。

「上司と部下は役割が違うのであって、上下関係ではありません。基本はパートナーという関係です」

自分が上、部下が下、という意識があると「年下だからといって、なめられたくない」という、おかしなプライドを持ちかねません。

「役割が違うだけで、上下関係ではないのだ」という意識を持てば自然と、人生経験豊富な年上部下に敬意をはらえるようになり、言い回しや態度も謙虚になります。

■2:適材適所で強みを発揮できるようにはたらきかける

かつて勤めていたテーマパークで、私自身も、年下上司のもとで働いた経験があります。私の他にも、彼女から見て年上の部下が何人かいましたが、同じチームのメンバーの強みを生かすことがとても上手な人でした。

この上司はいつも。スタッフに対し、以下のような声かけをしていました。

「Aさんは、いつもコツコツていねいにお仕事をしてくださるから、データのまとめをお願いできますか」

「Bさんは、お客様への対応がとても親切ですね。もしよかったら、言葉遣いなどを、他のスタッフにも教えてくださいませんか」

このように、各自の強みを見つけては「言葉にして褒めること」「適職を任せること」を徹底して行う人でした。

仕事を任せるときは「~していただけますか」と語尾を疑問形にしていたことも、印象深くおぼえています。

■3:部下の「知識・経験」を尊重してときには相談ごとをする

年上部下は、自分の能力が正当に評価されないことに不満を抱きます。

知識・経験豊かな年上部下は、仕事においては強い味方です。彼らの強みを最大限に生かせるよう、ときには、相談ごとをしてはいかがでしょうか。部下としても、頼られればうれしいはずです。

相談ごとをするときは、質問を丸投げにしないこと。

たとえばアパレル店舗のセールにおいて、目玉商品を決めたいとしましょう。

「来月のセールの目玉商品、何にしたら売れると思いますか?」

この質問は、質問を丸投げにしている状態です。部下からすれば、頼りない上司に見えてしまいます。

相談ごとをするときは、自分の考えを述べた上で、部下の意見を聞く、という姿勢にしてください。

キーワードは「もし、あなただったら」です。

「私は○○だと思うのですが、もし、Aさんだったら、どうなさいますか?」

この文言にあてはめてください。

先ほどのアパレル店舗の例であれば、以下のとおりです。

「来月のセールの目玉商品、最近のヒット商品の動向を見ると、私はデニムジャケットがいいと思うのですが、もし、Aさんだったらどうなさいますか?」

以上、年上部下とのコミュニケーション方法でした。アラサー女性なら、自分が年上上司になる日も近いはず。そうなったとき、これを思い出して、上手におつきあいをしてくださいね。

(文/樋口智香子)

 

【参考】

吉田幸弘(2015)『部下がきちんと動く リーダーの伝え方』明日香出版社

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