将来不安な30代が契約しやすい「個人年金保険」2つの落とし穴

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2016.07.01

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「老後の生活がものすごく心配なんです」とおっしゃる人が多くいます。

しかも、いま将来に不安を抱えているのは「もうすぐ定年です」という50代の方でも、「もうそろそろ子どもが成人するんです」という40代の方でもありません。

結婚前の独身の方や、新婚ホヤホヤという20~30代の方のほうが「老後に強い不安」を持っているようなのです。

よほど不安なようで、金融機関やFP、保険業者が勧める老後のための金融商品を簡単に契約する人も少なくありません。

そんななか、よく販売されるのが「個人年金保険」という商品です。

■個人年金保険は本当に必要なのか

個人年金保険とは、民間の保険会社が販売している金融商品のひとつ。保険という名はついていますが、掛けた保険料相当額が保険金額となるので、保障と呼べるものではありません。

保険というよりも「貯蓄」としての要素が強い商品で、「定額型」という一般的なタイプは、掛けて保険料以上の金額(110~130%程度)が必ず年金として受け取れます。

また、この「定額型」の個人年金保険は「個人年金保険料控除」といって、一定の基準を満たせば「生命保険料控除」となるのですが、他の生命保険料控除とは別枠で年間最高4万円まで所得控除をうけることができるのも特長です。

「掛けた以上にお金が戻ってくる」「さらに税金も安くなる」と聞けばメリットだらけ。

「老後の準備に絶対した方がいいのではないか?」と加入したくなる気分もわかります。

でも、本当にそうでしょうか?

実は、当然ですがデメリットは存在します。具体的には、大きく2つのポイントを考慮して判断するべきです。

■個人年金保険の2つのデメリット

1つ目は、「途中で解約するリスクはないのか?」という点です。

「掛けた以上のお金が戻ってくる」というのは、支払期間すべて支払ったからこそ受けられるメリットです。

加入して早期で解約すれば、もちろん掛けた金額以下のお金しか戻ってきません。

つまり、極端な話、途中で解約することになれば、こんな商品に加入するよりも銀行に「預金」していた方がマシということになってしまいます。

しかし、20~30代の方の場合、人生で一番お金がかかるのは、実は子どもの教育のピーク、つまり子どもが大学に行く期間です。

それは普通、老後より前にきますよね。

子どもを予定していないのであれば別ですが、そうでないのであれば、この時期にもちゃんと保険料を支払い続けることができるのかを考えるべきです。

2つ目は、「契約した予定利率が続いていく」という点。

保険会社も、みなさんから預かった保険料を運用しているからこそ、掛けたお金以上の金額で支払えるのです。

しかしご存じのとおり、マイナス金利となった現在は、金利がものすごく低くなっています。当然、保険会社の運用成績も下がりますから、定額型の個人年金保険の利回りも昔にくらべてどんどん悪くなってきています。

いまこの商品に加入するということは、この利回りが悪い状態を何十年も約束させられて商品に加入するということです。

ましてや最近の商品には、「無配当」といって、約束以上の運用ができたとしても配当金が加入者に戻ってこないものも少なくありません。十分に気をつけるべきです。

マイナス金利という異常事態によって、銀行は預金を預かれば預かるほど経費がかかるようになってしまいました。

そんななか、投資信託や保険商品の販売に力を入れるところも増えています。銀行に勧められたからといって簡単に加入するのではなく、しっかり検討しましょう。

(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)

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