なんと週4日で年収600万円!弁護士ぐらい割のいい仕事とは?

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2016.07.11

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「○○○鑑定士」と聞いて、パッと思い浮かべるものはなんでしょうか?

一般的には「不動産鑑定士」などではないかと思いますが、今回の正解はズバリ「ひよこ」です。

「ひよこ鑑定士」の正式名称は、「初生(しょせい)雛鑑別師」。歴史は古く、雛の鑑別方法が発見されたのは大正時代。昭和初期には、初生雛鑑別師が正式な職業になったのだとか。

ひよこはある程度大きくなってくるとオス・メスの区別がつくようになってきますが、生まれてすぐは見た目では区別がつかないそうです。

オスは食肉用として育て、メスは採卵用として育てなければなりませんが、成長を待っていては施設やエサ代が無駄になってしまいます。

そのため、雛の商品価値を高めるためにも、卵からかえったらすぐにオス・メスを判別する必要があるのです。

そこで活躍するのが初生雛鑑別師。れっきとした国家資格です。一羽ずつひよこの肛門あたりをさわり、突起があればオス、なければメスと判断していくのが彼らのお仕事。

一羽の鑑別にかかる所要時間はわずか2秒!

一度に大量の雛をさばくため、鑑別師には一瞬で判断するだけの集中力や手先の敏感さが必要なのだそう。では、初生雛鑑別師になるためには、どうすればいいのでしょうか?

■まず養成所に入所して技術を学ぶ

初生雛鑑別師になるためには、まず初生雛鑑別師養成所に入所します。

畜産技術協会のホームページによると、受講資格は高卒以上25歳までで、「身体強健で視力1.0以上(矯正可)」。入所にあたり学科試験もありますが、おおむね高校卒業程度の学力があればパスできるようです。

養成所で知識や技術を習得してから、さらに1~2年ほど孵化場で実務経験を積み、高等鑑別士考査を受けなければなりません。

その考査に合格し、社団法人畜産技術協会への登録を経て、晴れてプロの初生雛鑑別師と名乗ることができるのです。

■研修で半数が脱落するほど過酷!

ただ、入所後にかかる費用は100万円以上で、研修自体もとてもハード。1日に鑑別する雛の数はおよそ8,000~1万羽で、しかもミスが許されるのは1万羽に10羽まで。なんと99.8%もの精度が求められるのです。

しかも、約2,000種類ある判別パターンもひとつひとつ覚えなければならないため、途中で挫折する人も少なくありません。

資格取得を目指して養成所に入ってもやめていく人が多く、仕事に関するサイト『日本の人事部』によると、実際に資格取得までたどり着く人は「入所者のわずか半数ほど」。

プロの初生雛鑑別師として活躍するためには、数々の困難を乗り越えなければならないのですね。

■時給5000円で非常に割がいい

同じく『日本の人事部』を見ると、一般的な目安としては「1羽あたり4~5円程度」で、いわゆる「完全歩合制」となっています。

1時間につき1,000羽鑑別するので、時給換算すると4,000~5,000円。

ビジネスサイト『R25』によれば、卵の孵化の状況によって労働日数や時間は変動するものの、1日8時間、週4日までというのが基本のようです。

年収にするとおよそ500~600万円。決して高給取りとはいえないものの、これは雇われ弁護士とほぼ同じ水準。週4日労働でこれだけの報酬がもらえるのなら、なかなか割のいい仕事なのではないでしょうか。

また、現在では国内での活躍の場が減っていき、海外へ進出する鑑別師も増えているといいます。

畜産技術協会では海外への鑑別師のあっせんもおこなっていて、同協会のホームページによると約70名の初生雛鑑別師がアメリカ・ヨーロッパなどで活躍しているのだとか。

ということは、がんばって資格を勝ち取れれば、海外移住のチャンスも巡ってくるわけですね。

実は古い歴史のある初生雛鑑別師の資格ですが、その存在を知らなかった方もきっと多いはず。

これを機に、卵や鶏肉を食べるとき、また動物園でひよこやにわとりの姿を見たときなどに、鑑別師の方々の仕事や苦労に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

(文/あさきみえ)

 

【参考】

公益社団法人 畜産技術協会

あの仕事の『ヒト』と『カネ』初生ひな鑑別師-日本の人事部

知られざるあの仕事の報酬 第2回 初生雛(ひよこ)鑑別師の報酬は?-R25

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