なぜ人は出資するのか?誰かにお金を出したくなる「4つの心情」

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2016.07.13

kuraudof

実現したい素敵なアイデアがあるにもかかわらず、資金が足りないと躊躇しているなら、“クラウドファンディング”も選択肢のひとつに入れてみませんか?

日本で唯一、「寄付型」「購入型」両方のクラウドファンディング・サイトを運営する、佐藤大吾氏が監修する『ぼくらがクラウドファンディングを使う理由(わけ) 12プロジェクトの舞台裏』(学芸出版社)から、クラウドファンディングでの資金調達成功の秘訣に迫ってみましょう。

■クラウドファンディング市場が急成長中!

クラウドファンディングとは、“群衆・大勢の人々”という意味のクラウドと“基金”を意味するファンドを合わせた造語。

インターネット上などで画像や動画を使ったプレゼンテーションを展開し、友人・知人を巻き込んで共感を広めていくことで不特定多数の人々から少額ずつ積み重ね、数十~数百万円規模の資金を集めるものです。

日本における先駆けとなるサイト『JustGivingJapan(現・JapanGiving)』がオープンしたのは2010年のこと。その後3年で同サイトは調達総額10億円以上を記録。

その間にも新たなクラウドファンディング・サイトが次々と誕生するなど、着実に浸透してきています。

ちなみに「寄付型」は非営利の団体が運営するプロジェクトを対象とし、支援が税制上の寄付になるもの。

一方、「購入型」はそうした厳格なルールはなく、税制上の優遇もない代わりに“お返し”として商品などのリターンを手にすることができるという特徴があります。

■開始後1週間で目標の30%集まれば成功

とはいえ、「ネットを使って資金を募集して、そんなに簡単にお金が集まるものなの?」と半信半疑の方も多いでしょう。

本書の監修を務め、JapanGivingの代表理事でもある佐藤氏によれば、プロジェクト成功の秘訣は「スタートダッシュ」。最初の勢いが大切だということです。

具体的には、開始後1週間で目標額の30%を集めることなのだそうです。JapanGivingのデータでは、この条件をクリアしたプロジェクトで最終的に目標金額に到達できなかったものはひとつもないというのですから驚きです。

佐藤氏は、スタートダッシュが成功に結びつく理由を、「申請者が本気だということが支援を検討中の人たちにも伝わるから」だといいます。

■プロジェクトを成功させる4つのポイント

自分が「応援したい」と思ったプロジェクトに、できる範囲で資金を提供する。これがクラウドファンディングの大枠です。

では、人はなぜ「誰かを応援するために」お金を出すのでしょうか。

じつは、ここを知っておくことがクラウドファンディングで資金調達を成功させる上での大きなカギ。そこには、押さえておきたい4つの“心情”がありました。

(1)純粋な利他性

相手が喜んだり、相手を助けたりすることが自分自身の満足感になるという心情。寄付による資金調達を考えるときは、まずこの心情がクローズアップされます。

(2)暖かな光

他人を支援できる立場にある自分を誇らしく思う心情です。寄付するという行為そのものに満足感を覚えるタイプ。これも、支援者自身の内面にもともとある動機です。

しかし、プロジェクトの中盤以降、支援者をもっと増やしたいときにポイントになるのは、これ以外の2つの心情です。

(3)互恵性

相手がお返しをくれたり、自分がお返しをしたりすることで満足感を得る心情。これについて、本書でおもしろい実験が紹介されています。

コスタリカの国立公園で、お土産を渡したグループと渡さないグループに「公園のサービス向上のために寄付を」とお願いしたところ、お土産を渡したグループのほうが寄付した人が8%多かったそう。

「購入型」クラウドファンディングでは、製品やオリジナルグッズなどをリターンとして提供することが通例。お返しを上手に活用することが、支援者を増やすためのポイントです。

ただし、コスタリカの実験では、お土産を渡さないグループのほうが一人あたりの寄付金額は多かったそう。プロジェクトの肝は、活動の魅力と主催者の熱意。リターンで“釣る”発想は危険です。

(4)同調性

ほかの人たちと同じようにふるまうことで安心し、満足感を得る心情です。他人が寄付しているのを見て、その団体なら信頼できる、と同調するパターンが多いのもこのタイプ。

「〇%のお金がすでに集まっています」「目標達成率〇%」といったカウントダウンは、この心情にうまく訴求するため有効です。

クラウドファンディングは、楽にお金を集めるシステムではありません。より多くの人々にプロジェクトを知ってもらい、共感してもらうことが必要です。多くのプロジェクトでは、実際にイベントも行って周知・PR活動を行っています。

それでも、自分のアイデアを多くの人に賛同してもらう喜びはクラウドファンディングならでは。本書では、実際にプロジェクトを成功させた12組の体験談からそのメリットとデメリットを知ることができます。

もし「資金がない」という理由で二の足を踏んでいるのであれば、本書を手に取ってクラウドファンディングの可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

佐藤大吾監修、山本純子・佐々木周作編著(2016)『ぼくらがクラウドファンディングを使う理由(わけ) 12プロジェクトの舞台裏』学芸出版社

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